神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

天照大御神(アマテラスオオミカミ)

2017年10月23日

橋本ユリ
こんにちは、北極神社の新米巫女、橋本ユリです。
今回は、光り輝く太陽の女神で、日本の最高神を紹介します。

神話

アマテラスが誕生する「三貴神誕生」、スサノオの心を確かめる「天安川の誓約」、スサノオに手を焼き引きこもる「天の岩戸」、使者を送り武力降伏させた「国譲り」、自分の孫を地上に派遣した「天孫降臨」の5章を紹介します。

三貴神誕生

イザナギは、亡くなった妻イザナミが恋しくてならず、イザナミに会いに黄泉の国に行きましたが、変わり果てたイザナミに出会い、黄泉の軍団に追いかけられて、ほうほうのていで地上に逃げ戻ってきました。

そして、黄泉の穢れを禊(みそぎ=罪穢れを祓うこと)をした時に、次々に神が生まれたのです。

イザナギがいいました。

「ああ、さっぱりした。穢れが落ちるたびに、たくさんの神々が生まれた。驚いたなあ!あの子たちは、私とイザナミの子だ。黄泉の穢れとなってもイザナミは神生みをしてくれたのだ。さあ、汚れたものを見た目と、クサいニオイを嗅いだ鼻を洗って、禊も終わりだ!」

イザナギが左目を洗うと、美しく光り輝く女神が生まれ、
右目を洗うと、おだやかな優しい光の男神が、
鼻を洗うと、荒々しいエネルギーにあふれた男神が生まれました。

イザナギはこの3柱の神々を見て、たいそう喜び言いました。

「おお、たくさん子を産んできたが、最後にこんなすごい子どもたちを授かったぞ!さあ、輝く女神アマテラスよ、あなたは天の高天原を治めなさい」

イザナギは、自分の首にかけていた「御倉板拳之神(みくらたなのかみ)」という名の玉飾りをゆらゆらと振りながら、アマテラスの首にかけました。これには、日本の国を作り守ってきたイザナギの魂がこもっています。イザナギは自分の魂の願いを天照大御神に託したのです。

それからイザナギは言いました。

「優しい光の男神、ツクヨミよ、夜の国を治めなさい。」

「エネルギーにあふれた男神、スサノオよ、大海原を治めるように」

3人の神は、それぞれの治める国に散っていかれました。

天安川の誓約(うけい)

スサノオは大泣きに泣いて、大海原の国を荒れ果てさせ、悪神がハエのようにのさばりました。

「根の堅洲国(ねのかたすくに)に行きたいんだあ。イザナミ母ちゃんに会いたいんだよお~~~」

イザナギはスサノオの情けない有様にすっかり腹をたて、スサノオを追放してしまいました。

そんなわけで、スサノオは母の国に行く前に、姉のアマテラスに挨拶しようと高天原にやってきたのです。

スサノオの足音はすさまじく、山や川がどよめき、天上界も震えます。

この大騒ぎに、アマテラスはスサノオが自分の国を奪いにやってきたと思ったのです。

アマテラスは髪をほどき、男性のようにミズラに結い直しました。そして、霊力のある勾玉を連ねた長い髪飾りと腕輪をつけ、腕には防具をつけ、背には1000本、脇にも追加の矢500本を準備します。

さらに左の手首には、威力の強い鞆(とも)を巻きつけて、強弓を宙に振り立てて雄叫びをあげます。

「さあ、スサノオ、来るなら来なさい!マザコンのお前なんかに負ける私じゃないわよ!」


硬い地面を両足が没するほど踏み込むと、庭土がまるで淡雪のように蹴散らされ、舞い上がりました。

そして、スサノオが近づいてくるのを制して言いました。

「スサノオ!何のためにやってきたの?」

スサノオは、姉アマテラスのいきり立つ様子に、ちょっと驚きながら言いました。

「えー、俺は姉さんと対立するような悪い心で来たんじゃないよ。ただ、母ちゃんに会いたくて泣いていたら、父ちゃんがすごく怒ってさー。俺の神格まで取り上げて、追放したんだよ。まあちょうどいいから、母ちゃんの国に行こうと思ってるんだ。そのあたりのことを姉ちゃんに言っとくつもりで来たんだよ。悪い心なんて持ってるわけないじゃん。

これを聞いても、アマテラスは信用できません。
「それなら、お前の心が清く正しいって、どうやって証明できるのよ」

「そこまで言うなら、誓約(うけい=神託を受ける占い)で、それぞれ子を産んで、はっきりさせようじゃないか!」
スサノオも答えます。

そこで、アマテラスとスサノオは、天安川(あめのやすかわ)をはさんで、誓約をしました。

まず、アマテラスがスサノオの十拳の剣(とつかのつるぎ)を受け取って三つに折ります。泉に身をかがめると首にかけた勾玉がシャランと鳴って、折った剣を天の真名井(あめのまない)の泉の水に浸して清めました。その剣をよくかんで吹き出すと、その霧からは3柱の女神、タキリヒメ(またの名をオキツシマヒメ)イチキシマ姫(またの名をサヨリヒメ)タキツヒメが生まれたのです。

次にスサノオが、アマテラスが左の髪に巻いた勾玉を通した長い玉飾りを受け取り、その玉の音をシャラシャラときれいに響かせて、天の真名井で清めると、かみ砕いて吹きだしました。

その霧から現れた最初の神は、マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト(正勝吾勝勝速日天之忍穂耳の命=私は勝った、正に私は勝った)という名前です。

また、右の髪に巻いていた玉を受け取り、よくかんで吹き出した霧の中からはアメノホヒの神
髪飾りに巻いていた玉から現れた神はアマツヒコネ
左手の玉から現れた神はイクツヒコネ
右手の玉から現れた神の名はクマノクスビ

以上、五柱の男神が生まれました。

これを見てアマテラスはスサノオに言いました。
「五柱の男神は、わたしの持ち物から生まれたから、わたしの子どもよ!三柱の女神は、あなたの剣から生まれたから、あなたの子どもですからね」

アマテラスは、自分の持ち物から最初に生まれた子どもの名前が「私は勝った、正に私は勝った」だったので、自分の勝ちだと思ったのです。

しかしスサノオはすかさず
「俺の心が清くて明るくて、やましいことがないから、俺の産んだ子は、やさしい女の子だったんだ。この誓約は俺の心を知ることだったんだから、俺が勝った!勝ったぞ!」
と言いました。

アマテラスは、誓約(うけい)をするときには、どんな結果が出た勝ちか先に決めておかないといけないのに、それをしていなかったことに気づいたのです。

そして、勝ち誇って去っていくスサノオの姿を黙って見送られました。

天の岩戸

高天原に来てから、スサノオはやりたい放題でした。

田んぼの畦(あぜ)をこわし、水をひく溝を埋め、さらにはアマテラスの御食事を用意する神殿に、糞便をまき散らしたのです。高天原の神々は怒り、恐れました。

しかしそれを聞いても、アマテラスは、弟のしたことをよい方に解釈されます。

「田の畔をこわしたのは、ここも田んぼにしたらいいと考えたのね。うんこと見えたものは、酒によってゲロを吐いたんじゃないかしら。」

アマテラスにかばわれて、スサノオの乱暴はますますひどくなりました。

ある日、天の神様に捧げる衣服を織る神聖な場所に、スサノオは、尻から皮をむいた馬を天井から投げ入れたのです。驚いた織姫は、機織りの道具で自分をついて死んでしまいました。

スサノオをかばっていたアマテラスですが、あまりのむごたらしさと穢れをごらんになって、怒りと畏れで岩戸に引きこもってしまいました。

「スサノオをかばってきたけど、もう無理。あんまりひどい。神様方に合わせる顔がない・・・」

太陽の女神であるアマテラスが隠れてしまって、神様の住む高天原も、人の住む芦原の中つ国も、闇におおわれました。それに乗じて、ハエがぶんぶん飛ぶ勢いで災いが次々起こる、大変な事態です。

高天原の八百万の神々は、集まって相談しました。

知恵の神様、オモイカネ
「祭をしましょう!」
と作戦開始です。

まず常世の長鳴き鳥(尾長のにわとり)を集めました。

それから、神様方は鏡と勾玉を作り、根ごと引き抜いた榊に飾りました。

アメノコヤネが祭の始まりの祝詞をあげます。鳥が鳴いて、アメノウズメの踊りが始まりました。

桶を踏み鳴らし、タップダンスです。激しく華やかに踊るうちに、豊かなおっぱいが上着からのぞきました。

おお~~~!!!

見ていた神様方は大喜びです。手拍子ではやし立て、見ている方もノリノリ。

そのうち、下の布もめくれてチラ見せも!
八百万の神々は、いよいよ喜びドッと笑いました。

アマテラスは、高天原を揺り動かすような笑い声に驚きます。
「あれは何?何を騒いでいるの?」
アマテラスは、岩屋戸を細くあけて外をのぞきました。

岩屋戸が開いたぞ!神々は、光が漏れてくるのに気づきましたが、知らないふりをします。

アメノウズメはここぞとばかり、陽気に踊りまくります。やんや、やんやの大喝采です。

アマテラスは、不思議に思って、ウズメに尋ねました。
「私がここにいると、高天原と人の住む葦原の中つ国も暗くなる。それなのに、どうしてウズメは踊って神々は笑うの?」

すると、ウズメが言うには
「あなた様よりもずっと貴い神がいらっしゃったのですよ~。みんな嬉しくて仕方ないのです!」

アマテラスが顔を上げてよく見ると、暗闇に、美しく輝く女神がいるではありませんか。

それが鏡に映ったご自分の姿だとは、アマテラスは気がつかなかったのです。

「ええっ。本当にいるじゃないの。もっとよく見たい!引きこもっている私の代わりに太陽の女神が決まったのかしら・・・」

さらに岩屋戸から身をのりだして、アマテラスは外をのぞきました。

その瞬間、岩屋戸のそばに潜んでいた怪力アメノタジカラオが、腕をもって女神をグッと引き出します。

すかさず、フトダマノミコトがしめ縄を岩屋戸に張り巡らせて、中に戻れないようにしました。

こうして、世界に光が戻ってきたのです。

オモイカネの作戦は大成功!

引きこもったものの、その後どうしていいか分からなくなっていたアマテラスは、本当のことを言うと、引き出してもらって良かったなあと思ったのでした。

国譲り

力を合わせてどんどん葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)を豊かにしていった、オオクニヌシをはじめとする出雲の神々。

それを見ていたアマテラスは、言いました。
「葦原の中つ国は私のお父様(イザナミ)とお母様(イザナミ)がお産みになった国。お父様は私に国作りの想いを玉飾りに寄せて託された。高天原とこの国は、私が任されたところ。本当は私の子どもが治めるべき国なのよね。

アマテラスは可愛がっていた長男のアメノオシホミミノミコトに地上を任せようと思われました。

「オシホミミ、葦原の中つ国は、あなたが治めるべき国ですよ。さっそく天から降りて、統治なさいな。」

しかし、オシホミミノミコトが天の浮橋に立って地上をご覧になると、ひどく下品で乱暴で騒々しいのです。

この平和な天界からあの野蛮なところに行きたくないな・・・。

オシホミミは戻って、「お母さん、地上はムチャクチャですよ。もうちょっと何とかしていただかないと、統治なんてムリムリ!」と申し上げました。

そこで、高天原の神々は相談して、まずは降伏するように使いの神を差し向けることにしたのです。

最初の使者はアメノオシホミミの弟、アメノホヒ。オオクニヌシと仲良くなり、3年待っても帰ってこなかったため、次の使者としてアメノワカヒコを送り込みました。ところが、この神もオオクニヌシの娘シタテル姫と結婚して国の跡継ぎになろうとし、8年待っても帰ってきません。とうとう話し合いでは無理だと、高天原の神々は、武力の神タケミカヅチを送り出しました。

タケミカヅチは、天の軍船アメノトリフネに乗って、出雲の稲佐(いなさ)の浜に降り立ちました。

逆さに突き立てた剣の上に座って、大声で問います。

「アマテラス大神とタカミムスビのお使いで、私は来た!おまえは、葦原の中つ国を支配しているが、これからは、大神の子孫が治めることになった。おまえはどう思うか?」

オオクニヌシの息子は、息子たちに聞いてほしいと言います。息子コトシロヌシは賛成し、もうひとりの息子タケミナカタは抵抗しますが、タケミカヅチに負けて、諏訪に追い込まれて降参します。

オオクニヌシは、大きな宮殿をたてることを条件に隠居しました。

タケミナカタは、地上が平定されたことを、アマテラスに伝えました。

天孫降臨

「オシホミミ、さあ準備ができたわよ、早く地上に行って支配なさいな」アマテラスは言いました。

やばい、平定されちゃったのか・・・。行かなくてすむ方法はないかなあ~。そうだ!

「母さん、ちゃんと地上に降りる準備はしてたんだけどね、その間に子どもが生まれたんだ。名前は、アメニキシクニニキシアマツヒコヒコホノニニギノミコト(天地に優しく、空高く輝く太陽の神、豊かな稲の実りをもたらす神)。この子が、天地を繋ぐ神だと思うんだよ。この子に行かせたいなあ」

アマテラスも、孫の誕生を喜んで認めました。

いよいよ、ニニギノミコトが地上に降りる日です。
アマテラスは、ニニギノミコトに鏡、勾玉、剣の3種の神器、それから稲穂を渡しました。

アマテラスは、まず言葉で幸いを祈ります。

豊葦原の千秋の長五百秋の水穂の国(とよあしはらのちあきのながいおあきのみずほのくに)は、私の子孫が代々治めるべき国。さあ、行って治めなさい。王たる地位は天地と共に永遠に栄えます。」

この鏡は私の魂が宿っています。私自身だと思って、一緒に寝起きして大切に祀ってね。」

「私が高天原で作っている稲穂もプレゼントするわ。天上のパワーフードでエネルギーチャージできるように。

お供には、岩戸開きで活躍した優秀な神々が付いて行かれます。

祝詞を唱えたアメノコヤネノミコト、占いをしたフトダマノミコト、踊りを踊ったアメノウズメノミコト、鏡を作ったイシコリドメノミコト、勾玉を作ったタマノヤノミコト、それに戦略軍師オモイカネと、力持ちアメノタジカラオ、天界の門番のアメノイワチワケの神。

ニニギノミコト一行はこうして、分かれ道で待っていたサルタヒコに道案内され、地上へ降臨なさったのです。

系譜

名前の由来

天照大御神(あまてらすおおみかみ)= 天から照らす太陽の偉大なる神

別名:
大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)・大日女尊(おおひるめのみこと)・大日霊(おおひるめ)
天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)・皇大御神(すめおおみかみ)

ゆかりの地

天岩戸神社
神々が会議をした河原「天安河原」がある。宮崎県高千穂町
岩戸神社
皇大神宮(元伊勢内宮)。アマテラス大神が隠れた天の岩戸候補の一つ。京都府福知山市大江町
天岩戸神社
天香久山の南麓にある。アマテラス大神が隠れた天の岩戸候補の一つ。奈良県橿原市
戸隠神社
石戸開きで活躍した神をまつる神社。アマテラス大神が隠れた天の岩戸候補の一つ。長野県長野市
小戸神社
イザナギが禊をして、天照大御神が生まれた、筑紫の日向の橘の小戸の波岐原(あはぎはら)候補地。宮崎県宮崎市

祀られている神社

伊勢のほか、元伊勢と呼ばれる伊勢に落ち着かれるまでにお祀りした場所などにあります。
神宮内宮「皇大神宮」
天照大神を祀る最大の神社。八咫鏡(ヤタノカガミ)がご神体。三重県伊勢市
天岩戸神社
天岩戸がご神体。宮崎県高千穂町
日前神宮・國懸神宮(ひのくま・くにかかすじんぐう)
日前大神はアマテラスオオミカミの別名とも言われ、伊勢以外では神位を贈られない唯一の神社。和歌山県和歌山市
廣田神社
天照大御神の荒御魂を祀っていると言われる。兵庫県西宮市
檜原神社
元伊勢と呼ばれる。奈良県桜井市三輪
そのほか神明神社という名前で、天照大御神を祀る神社は各地にたくさんある。

ご利益

日本の最高神であり、国に平和と豊かさを与える神です。

国家平安などの大きな願いをするといいとか、あらゆることに神徳があるとか言われています。
  • 国家安泰
  • 五穀豊穣
  • 子孫繁栄
  • 開運
  • 勝運
  • 福徳


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