幸せになる一つの秘訣をオオクニヌシから学ぶ【新解釈古事記】
あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。
今回は、
「人生で一番大切なことは、日本の神話、古事記から学ぶことができる。」
「成長するとは一体どういうことか、もしくは、魅力的な人間になるためにはこれが大事なんだ。」
という最大の秘訣を、“出雲の神様・大国主命の神話から学ぶ”ということでお届けしていきたいと思います。
古事記の神話を読むときのポイント
人間は様々な欲望・欲求を抱きます。
例えば、
- 好きな相手と結婚したい
- お金持ちになりたい
- 成功したい
- 仕事ができるようになりたい
- 人間関係上手くいかせたい
そういった欲求がありますね。
こういった、もろもろの欲求を実現しようと思った時に何が大事かといいますと、共通点は間違いなく「成長」です。
大国主命の神話は、お兄さんからのいじめ・出会い・戦い、もしくは国作りといった様々な出来事・試練を通じて、どんどん成長していく様子が描かれています。
だから、古事記の神話の中でも最も「成長神話」というものにふさわしいのが、大国主命の神話です。
私も何度読んでも新しい気づきや学びがあります。
しかし、古事記の神話には“これがポイントなんだよ”ということが書かれてないのです。
でも、私は古事記を読みながら、「このシーンは一体何が言いたいのかな?」というところをずっと研究してきました。
この古事記の神話の解釈は一通りではなく、一つの文章の中に、一つの段落の中に、様々なメッセージが含まれています。
それは歴史的にも同じですし、もしくは人生にとっての意味合いであったり、これから日本や世界に起こる未来の予言書とも捉えることができるのが、古事記の神話なのです。
だから、かなり深いのですが、以前の記事では、この大国主神話の大穴牟遅神(おおなむちのみこと)のお話から、
「今の世の中を生き抜くために最も大事なことは何かを、大国主の神話から学ぶ」
ということでお届けさせていただきました。
今回のパートはこちらです。
古事記の神話に詳しい方は分かると思いますが、大国主命が殺されてしまうというシーンです。
“殺されて復活する“ことなんですね。
この“殺されて復活する”というのは一体何を意味するのかを今回は紐解いていきたいと思います。
大穴牟遅神のお話のあらすじ
大穴牟遅神(おおなむちのみこと 大国主神の青年期の名前)は八上姫(やがみひめ)という神様と結婚することになります。
これで終わったらめでたしめでたしなんですけど、このことにひどく腹を立てたのが、お兄さん達「八十神(やそがみ)」なんですね。
嫉妬深い兄神達は、憎い大穴牟遅神を殺してしまうことにしました。
兄神達は大穴牟遅神を伯耆国(ほうきのくに 現在の鳥取県)にある、ある山の麓(ふもと)に連れて行きました。
そして「珍しい赤い猪を山の上から追い立てるから、下から捕まえろよ」と言いつけました。
もちろん、赤い猪なんているはずがありません。
お兄さんたちは大穴牟遅神を殺すために、火で真っ赤に焼いた大岩を上から落としたのです。
大穴牟遅神は人を信じて疑わない純粋な性格です。
大穴牟遅神は転がり落ちてくる真っ赤な大岩を猪だと信じて真正面から受け止めようとしましたが、無残にも焼きつぶされ絶命してしまいました。
しかし、この神話には続きがあります。
これを知ったのが大穴牟遅神のお母さんであるサシクニワカヒメでした。
サシクニワカヒメは嘆き悲しみ、天の神・カミムスビノミコトに助けを求めました。
出雲神話ではカミムスビノミコトが何度か登場します。
母の願いを聞いたカミムスビノミコトは、赤い貝の神である、サキガヒヒメと、蛤(はまぐり)の神である、ウムガヒヒメを地上に遣わしました。
サキガヒヒメが貝殻で大穴牟遅神の体を岩から剥がし、ウムガヒヒメが母乳と井戸の水で練った薬を、大穴牟遅神の体に塗りつけました。
すると、なんと大穴牟遅神は息を吹き返したのです。
生き返った大穴牟遅神は、元のままの麗しい姿であったというお話です。
大国主命の神話で伝えたいメッセージとは?
普通に読むと「大国主命、大穴牟遅神は騙されやすいよね」になってしまうのですが、ここに非常に深い神意があるということです。
さて、皆さんに質問です。
成長とは一体何でしょうか?
それは、今までの自分から変わるということです。
これを言い換えると、ポイントは何でしょうか?
それは、「過去の自分が死ぬ」ということです。
では、過去の自分とは一体何なのでしょうか?
「私は今までこういう性格で」、もしくは「今まで自分はこのパターンでうまくいってきたから」といった過去の自分がぶっ壊れることです。
これがある意味、成長だということです。
そういった意味で、大穴牟遅神を殺したお兄さん達は、ぶっ壊してくれる存在ということなんですね。
皆さんもこのような経験はないでしょうか?
「今までのパターンでは上手くいかなくなった」、「自分自身が何か壊れそうな気持ちになります」ということはないでしょうか?
実はそれが、生まれ変わるチャンスなんだということです。
これを英語で「アイデンティティクライシス」と言います。
アイデンティティクライシスはある意味、人生の中で上手くいかない時期、思い通りにならない時期なんですね。
そういう時は「過去のパターンを変えていきなさいね」と言われているんです。
「私は今までこういう性格で」というのは、今までそういった性格だったということで、絶対的にその性格で変わりようがないかと言うと、そうではありません。
人間は変われるんです。
そのことを教えてくれるのが、大国主命の神話なんですね。
大国主命から学ぶ、新しい自分になるために重要なこと
ちなみに神話の中で登場した赤い焼けた石ですが、実際にそれがあると言われている場所が、鳥取県にある赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)です。
(赤猪岩神社ホームページより)
大国主神の神話の面白いところは、「実はここの場所なんだよ」という伝説が全部伝わっているということなんですね。
神話に登場する神様のサキガヒヒメもウムガヒヒメも、サシクニワカヒメもカミムスビノカミも、全て出雲大社に祀られています。
まさに「神話が生きている」のが、出雲の土地だというところに面白さがあると思います。
ここからまた、話を元に戻します。
一見すると、八十神は単なる悪いお兄さん達なんですけども、過去の自分をぶっ壊してくれる存在なんです。
だから、「何か嫌なことを言われる」、もしくは「あの人がいなかったらもっと思い通りに進むのに」みたいな人がいる場合はある意味、それは八十神です。
自分の過去を壊してくれる存在として、新しい自分になるために必要な現象だったりするということなんですね。
一見ショックな出来事なども、今までの自分で受け止めようとするからショックなのであって、自分が変わればショックな出来事でもなくなるということです。
例えば、お兄さんからいじめられています。
この“いじめられている”というのも一つの解釈なんですよ。
その時にいじめられたり、嫌なことを言われたことによって、心が強くなったり、もしくは人に対する思いやりをより持つことができるようになったこと、それはある意味、新しい自分になるためのチャンスだったりするということです。
だから、ある意味、自分自身が壊れるような体験というのは必要なんだということなんです。
でも、ぶっ壊れたまま立ち上がれないと、それはそれで苦しいですね。
そこから、立ち上がり方も教えてくれているのです。
立ち上がり方とは一体何なのでしょうか?
サキガヒヒメとウムガヒヒメは貝の神様なんですけど、神話において貝というのは女性の象徴であり、サシクニワカヒメは母の愛の象徴です。
つまり、心が傷ついた時、もしくはダメージを負った時、「もう自分は駄目かも」と絶望的な状況の時に、女性の優しさというのは復活するパワーにもエネルギーにもなるということを、大国主神の神話は教えているのです。
だから、この記事をご覧なっているあなたが女性の方の場合、やっぱり傷ついている人、もしくは落ち込んでる人には優しくサポートしてあげて下さい。
それは神の愛にも近いんだということを、知っていただけたらと思います。
そして、試練や思い通りにならない出来事はまさに赤く焼かれた大きな岩です。
自分自身を成長させる、過去の自分をぶっ壊す、自分はこういう性格なんだという固定的なものは絶対ないんだということを、ご理解いただけたらと思います。
人はいつだって変われる、人はいつだって成長できる、ということです。
今回は大国主命から学ぶ、成長する秘訣についてお伝えさせていただきました。
この記事をご覧なった、あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。
・神社チャンネルのこちらのYouTubeバージョンもご覧ください。↓
日本の神話・古事記につきましては、小名木善行先生と一緒にゆにわ塾でさらに深い解説をしています。
また、こういった個人の開運方法や、私たちの実践は、ゆにわ塾というコミュニティで発信していますので、ご覧になって頂けたらと思います。
今なら、1ヶ月無料で入会できます。
【フリーメルマガゆにわのご案内はこちら】 →https://zinja-omairi.com/g/a/
【公式LINEゆにわの登録はこちら】 →https://lstep.app/ZABJ4w
※「アプリで開く」を押してください。
フリーメルマガ、公式LINEでは
・神社参拝で人生が変わった話
・YouTubeでは流せない歴史の話
・神様の功徳を受けて人生を好転させる秘訣
を発信していますので、ぜひご登録ください
この記事をまとめた人
- ゆにわ塾歴2年。25歳のフリーターです。毎日、ゆにわの学びを実践するつもりで、仕事や家事と向き合っています。座右の銘は、「大丈夫、なんとかなる!」(笑)
最近の投稿
- 歴史・建物・組織2023.08.13ヤバ過ぎる日本古代史の秘密【みたましずめ一】
- 神社参拝2023.08.10壮絶すぎる神様のしくじりに隠されたメッセージ【新解釈古事記】
- 神社参拝2023.07.17【神棚の引越し】6つのステップで解説!
- 神社参拝2023.07.03日本の結界は怨霊で作られる【みたましずめ二】