瀬織津姫(セオリツヒメ)
橋本ユリ
こんにちは、北極神社の新米巫女、橋本ユリです。
今回は、あまりの美しさにアマテル神が階段を降りて求婚したという水の女神を紹介します。
今回は、あまりの美しさにアマテル神が階段を降りて求婚したという水の女神を紹介します。
神話
日本の神話といえば古事記と日本書紀ですが、瀬織津姫はそのどちらにも登場しません。
古事記や日本書紀の原書といわれるホツマツタエと、大祓祝詞(おおはらえのりと)の中にだけ、名前があります。
大祓祝詞(おおはらえのりと)
高い山、低い山からどっと落ちてくる急流の瀬にいらっしゃる瀬織津姫は、祓戸四神(はらえどよんしん)の一柱で祓い浄めの女神。人の穢れを大海原へ持ち出してくれます。
高山の末 短山の末より 佐久那太理に落ち多岐つ
速川の瀬に坐す瀬織津比賣と言ふ神 大海原に持ち出でなむ
ホツマツタエ
偽書という説もあるホツマツタエでは、日本書紀や古事記とは登場人物の設定が少し異なり、天照大神はアマテル神という男神です。
セオリツヒメ大后になる
時は紀元前1260年ごろ。日の山(ハラミ山=富士山)のふもとにあったハラミの宮が再建されました。母方の祖父(トヨケ大神)の元で帝王学を学んだ皇太子アマテル神(ワカヒト)が、生誕の地に戻られていよいよ正式に国政を担うことになったのです。
アマテル神が即位すると局制度が試行されました。
東西南北4つの局(区画)の持ち回り制で、定期的に各3人の妃が宮仕えします。
各ツボネの宮仕えが一巡したところで、ワカヒト(アマテル神)の心を捕えたのは、12人の妃のうち、セオリツ姫ホノコでした。
最も素直な性格で教養あふれる優雅な物腰の女性だったのです。
ワカヒトは、自ら高殿の階段を踏み降りて、セオリツ姫の手をとって大内宮に招き入れました。
セオリツ姫は正后として迎られ、天さがる日に向かう月になぞらえてムカツ(向つ)姫と呼ばれました。
アマテル神不在時の代行
アマテル神がトヨケ国に10年の長期に渡って滞在することになったときは、その不在を守り、アマテル神のお世話をするために北の局の3妃を送りました。
その后たちには、アマテル神の子どもも生まれています。
イナゴの大群を撃退する
和歌山でイナゴの大群が発生したとき、アマテル神が不在でしたので、呪歌を知るワカヒメ(アマテル神の姉)と共に和歌山に行き、イナゴを祓い去りました。
キシイ邦の民は、それをたいそう喜んで、天日の前宮(日前神宮)をセオリツ姫に奉りました。
皇太子オシホミミの誕生
10年後、アマテル神は安国宮(ハラミの宮 富士)に戻られました。その後遷都して、伊勢のイサワの宮に入られました。
セオリツ姫はアマテル神と一緒に暮らすようになって、やっと身ごもられました。
皇太子となるオシホミミの誕生を国全体が喜び、盛大に祝賀が行われました。
反逆の妃たちを戒める
以前からソサノオは、北の局に出入りし、時には夜を明かすこともあったのです。その報告を受けていたセオリツ姫は、意を決して北の局の妃モチコ・ハヤコ姉妹を北の局からイサワ宮の一室に移し、西の局のオシモメ(天皇の妃のうち最下位の者。各局に一人ずついる)だった、トヨ姫アヤコ(ムナカタの娘)に北の局の管理をさせました。
そのことに恨みを持った姉妹は、アマテル神を失脚させようと画策します。
そのことを知ったセオリツ姫は、二人を九州に謹慎させました。
反逆軍への対抗
各地で反逆軍が出たとき、アマテル神は禊の滝行で鎮圧の呪法を得られ、治安を取り戻すことができました。セオリツ姫はヤタ鏡(真実の姿を映す鏡)を持ってアマテル神をお助けしました。
系譜
名前の由来
別名:
- ホノコ
- ムカツヒメ(向かつ姫)
- タギツセノメ(滾つ背の姫)
セオリツ=「背 下りつ」。
背は親しい男性(夫や兄弟、恋人など)をさすので、アマテル神が階段を踏み下りて内宮に招き入れたことを意味します。
ゆかりの地
兵庫県 西宮や六甲山
伊勢神宮 荒祭宮(『倭姫命世記』などの文献には、伊勢神宮 荒祭宮の祭神の別名が「瀬織津姫」であると記述されています)
祀られている神社
- 日前国懸神宮
- 和歌山県和歌山市。日前神宮と國懸神宮の2社が1つの境内にあります。日像鏡と日矛鏡が御神体として祀られています。
- 佐久奈渡神社
- 滋賀県大津市。4柱の祓戸大神を祀っています。
- 伊豆神社
- 岩手県遠野市。獅子頭が御神体で、遠野三山(石上山、早池峰山、六角牛山)と各山の女神を祀った神社を結んだ線の交わる位置に建っています。
- 廣田神社
- 兵庫県西宮市。旧官幣大社。(社格についてくわしくはこちら)
- 荒田神社
- 和歌山県岩出市。
ご利益
水神や祓神、瀧神、川神としてのご利益があります。
- 水難防止
- 雨降らし
- 罪穢れの祓い清め
など。
この記事をまとめた人
- 神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)
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