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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
神社に関する知識をわかりやすく解説します。

吉備津神社アクセスお守り御朱印、モモタロウに殺された父は事実!?

2017年8月31日 2022年11月27日

こんにちは、北極神社の新米巫女、橋本ユリです。

「僕のお父さんは、桃太郎に殺されました。」
少し前にこんなキャッチコピーがありましたね。

これを見た当初、面白い視点だな〜と思っていました。

吉備津キビツ神社は桃太郎伝説ゆかりの地なんだそうです。その歴史を紐解いていったら、カナリ衝撃的、かつ想定外の事実が判明しました。
「実は鬼が吉備津の国を豊かにした」

え・・・? そうなの・・・!?

「正義の味方、桃太郎が侵略者だった!?」

え・・・? 記事タイトルの通り、ホントに悪役として良い鬼を殺しちゃったの?

「桃太郎は実は鬼で、そもそも自作自演だった・・・?」

いやぁ〜さすがにそれは無いでしょう。
私も最初はそう思っていたのですが、実はまんざら都市伝説でもなさそうです。

今回の記事では、こうした桃太郎伝説の謎に迫りつつ、吉備津神社のアクセス、駐車場や、お参りした時に役立つお守り、御朱印などの観光情報をほぼ全部理解できるようにお伝えします。

この記事の内容を知って吉備津神社に行ったら100倍楽しめると思いますよ。

それでは参りましょう!

吉備津神社のご利益


吉備津神社の主祭神はキビツヒコとされていますが、キビツヒコと温羅ウラの戦いのあと、温羅の首は、御釜殿の土中に埋められました。
重要な占いごとの鳴釜神事に温羅は関係していることも含めて、御祭神ではないにせよ、大事に扱われているのは間違いありません。

これを加味した上で、ご利益と神話を紐づけてみます。
神様が歩んできたストーリーを知ることで、ご利益の理由がわかると思います。


キビツヒコは何と、281歳まで生きたため、桃は中国では不老不死の象徴です。
→身体健全・長寿
鬼退治の神話や、桃は厄除けとしても有名です。
→厄災消除
吉備国の発展、繁栄、子孫に残した事より
→縁結び、夫婦和合、子宝、安産
温羅の製鉄技術の伝来
→商売繁盛、就職、学業
キビツヒコと温羅の戦い
→勝負、スポーツ
キビツヒコの西海道の平定の旅
→旅行安全・交通安全


<余談>
桃は、最高神アマテラスの親であるイザナギ、イザナミ神話に登場します。
黄泉(死者)の国から逃げ帰るイザナギは、1500もの悪霊に追いかけられます。
桃の木を見つけ、その実を3つ投げつけると悪霊は恐れをなして逃げ帰りました。

イザナギ
桃の実よ、お前は今、私を助けてくれたが、ありとあらゆる健やかな人たちが、もし辛い目にあった時、私のように助けておくれ 


そう言って、「大神の実」という意味の名前を桃につけました。
桃が厄除けの意味を持つのはこうした由来からです。
<余談終わり>

パワースポット


吉備津神社の本殿、拝殿が最もパワーがあるのはご存知かと思いますが、
それ以外のパワースポットは殿に続く階段の場所がパワーが強いと有名です。

階段の場所は以下のリンクからわかります。
YouTube動画

拝殿に続く階段が最もパワーが強いとされています。

お守りはやっぱり桃


桃守り(恋愛成就に効果がある?)





桃太郎発祥の地らしい可愛い桃のお守りで女性に人気。

穴を覗くと桃太郎が中にいます。厄除けとして売られていますが、実は恋愛成就に効果があると、口コミで広がっています。
肩に背負った厄を祓うから、新しい恋愛に繋がるのでしょうか^^

桃懐守(ももふところまもり)





桃懐守(ももふところまもり)は、おみくじとセットにされたお守りです。

桃は魔除けとされたり、中国では不老不死の象徴とされています。
お守りは有田焼で作られており、懐という名の通り、お財布などん入れていつでも持って出かけるのが良いでしょう。

御朱印の場所と時間





御朱印情報は、初穂料(値段)300円
受付時間は、8:30〜16:00

場所は本殿隣の授与所にて
「奉拝」の文字
「三備一宮」の印
「吉備津神社」の文字

御朱印帳は、価格:1,000円で御朱印代は別となります。続いて吉備津神社のご利益と桃太郎がモデルとなった、歴史をお伝えします。
まず最初は一般的なお話から。

桃太郎伝説


ある一説によると、吉備の国では、温羅(うら)という人物が悪さをして困っていたそうです。

温羅は、身長4メートルの大男で、性格は凶暴そのもの。
岡山県総社市に居を構え、都に向かう船や婦女子を襲っていたので、温羅は鬼、その居城は鬼の城と言われていました。

朝廷は温羅を討伐するべく、何人も武将を遣わせますが、その怪力とすばしっこさ故になかなかうまく行きませんでした。

そこで、最後に遣わされたのが、比古伊佐勢理毘古命(ひこいさせりひこのみこと)、別名、吉備津彦命(きびつひこのみこと)でした。
キビツヒコは温羅と戦いますが、その力は互角。

キビツヒコ
私の矢が当たらないなんて・・・。


温羅
俺の投げた石でやられないとはどういうことだ?


お互いの矢と石は投げるごとに空中でぶつかり、海に落ちてしまいました。
そこで考えたキビツヒコ

キビツヒコ
一度に二矢射ることのできる弓を用意せよ!


矢を二つ同時に射ることで、片方は石とぶつかり海に落ちますが、もう片方が温羅の左目に命中します。

温羅
ギャーーーー!


温羅はたまらず山の中に雉(きじ)に姿を変えて逃げます。たちまち鷹に姿を変えて追いかけるキビツヒコ。

キビツヒコ
待ていっ!


温羅
捕まってたまるか!


今度は鯉に姿を変えて血吸川に逃げ込みます。(血吸川は温羅の左目の血が流れて血に染まりました)

今度は鵜に姿を変えたキビツヒコ。噛みあげるようについに温羅を捕らえたということです。
その時のキビツヒコの家来は、


飼部の犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)
飼部の楽々森彦命(ささもりひこのみこと)
飼部の留玉臣命(とめたまおみのみこと)


それぞれ犬、猿、雉(キジ)の由来となっています。ちなみに犬飼部の子孫が犬養毅(内閣総理大臣)です。

この話がモデルになり、桃太郎伝説が江戸時代に定着したそうです。
桃太郎伝説は各地に諸説ありますが、現在は吉備団子、鬼の城、家来という点から、吉備津神社が桃太郎のルーツの最有力候補のようです。

僕の父さんは桃太郎に殺されたのか


こうして吉備国に平和をもたらした桃太郎・・・。という所ですが、不可解な点が存在するのも事実としてあります。

温羅という人物は、朝鮮半島百済の皇子だったとのこと。
実は温羅は製鉄技術を伝来し、吉備国を豊かにした、という説があるんです。


<余談>
ただ、この説は時代が合わない、というのが通説です。
しかし、キビツヒコの時代を推測すると、日本書紀、古事記に崇神天皇(推定:紀元前97年〜紀元前30年)の時代にキビツヒコを西海道(西日本)に派遣したとあります。
日本の製鉄技術が確立されたとされるのは、6世紀の古墳時代とされており、吉備津彦時代と合いません。
ただ、朝鮮半島での鉄製品の出土は紀元前1100年ごろからある上、日本においての最初の鉄器の出土は、紀元前3〜4世紀との記録もあるために、キビツヒコの時代に鉄の伝来があった可能性は十分にあります。


そんな、吉備国を豊かにしたとされる温羅。

また別の記録として、古事記、日本書紀には朝廷に従わない周辺の国々を平定するために四道将軍(東海道、西海道、北海道、南海道)が遣わされたとあります。
その時の将軍が彦五十狭芹彦命(ひこいせさりのみこと)です。

このことから吉備国及び温羅は、大和朝廷に攻められ、そして負けた、と考えて良いと思います。
吉備国を平定した彦五十狭芹彦命(ひこいせさりのみこと)が、そのまま吉備国を統治し、吉備中山の頂の茶臼山に埋葬されたそうです。

つまり、


① 温羅という朝鮮半島百済の皇子が製鉄技術を伝来し、吉備国を豊かにした。
② しかし、大和朝廷が攻めてきて、温羅と吉備国は戦いに負けた
③ 吉備国を平定した将軍は、吉備津彦(=桃太郎)の名前を譲り受け、そのまま国を治め、発展に貢献した。
④ 温羅(=鬼)と吉備津彦(=桃太郎)として、桃太郎神話を作成し、大和朝廷の平定の正当化を行った?


こうした理由で日本全体の認識としては、桃太郎が正義なのだけれど、吉備国にとっては、鬼の温羅が英雄なので大切に扱われているということですね。

うらじゃ祭りという、温羅を信仰した祭りも現在残っています。
一説によると、吉備津神社は大和朝廷の彦五十狭芹彦命を祀っているのではなく、温羅を祀っていると主張する人もいるくらいです。

アクセス


吉備津神社へのアクセスは、JR吉備津駅より徒歩で9分、695mの距離です。

比較的アクセスは良いので、他の観光地と一緒に回りたいですね。オススメなのは、吉備津彦神社→吉備津神社→岡山城、後楽園のルートです。


JR吉備線が1時間に1〜2本と運行本数運数が少ないので、レンタサイクルがオススメです(下図、のちに説明する駐車場情報も載せています。「ココ」と記載したのが吉備津彦神社)

備前一宮駅にてレンタサイクルを借りて吉備津彦神社→吉備津神社を運行しても良いですね。備前一宮駅から岡山駅に自転車を乗り捨てしたいですが、2017年時点ではできないようです。

ウエドレンタサイクル(備前一宮駅前)
(086)284-2311
岡山県岡山市北区一宮554
086-284-2311

・のりすて制(別の場所へ返却)1,000円
・折り返し(2時間まで)400円

営業時間 9:00~18:00

またはタクシーと併用しても良いですね。

総社両備タクシー
0866-92-0381

突然、吉備津彦神社を紹介してしまいましたが、吉備津神社と吉備津彦神社の関係性は以下の通りです。

吉備津神社と吉備津彦神社の違い


吉備津神社と吉備津彦神社の違いは?どちらにお参りしたら良いのでしょうか。

元々は吉備国の一宮として吉備津神社がありましたが、645年の大化の改新によって、吉備国が備前・備中に分かれた際に、それぞれの国に建てられたものです。
昔からある、という意味で言えば、吉備津神社の方が有名ですね。

ただ、一方の神社だけお参りするのは、「片詣り」とされ両方お参りする風習もあったことから、せっかく来たなら両方をお参りするのをオススメします。

車でのアクセス駐車場


吉備津神社の車でのアクセスについては、岡山自動車道岡山総社ICより吉備津方面に約6km
第一駐車場の入り口は以下のストリートビューになります。


駐車場料金




吉備津神社駐車場1
岡山県岡山市北区吉備津
086-287-4111
1月1日-1月5日 00:00-24:00 0分 200円
正月以外無料
制限 3ナンバー制限ナシ 1BOX制限ナシ

吉備津神社駐車場2
岡山県岡山市北区吉備津
086-287-4111
1月1日-1月5日 00:00-24:00 0分 200円
正月以外無料
制限 3ナンバー制限ナシ 1BOX制限ナシ


近くに無料の駐車場がありますが、正月のみ1回200円となります。その他、コインパーキングを探しましたがありませんでした。

初詣時期の駐車場の混雑状況


初詣時期でも駐車場は広いため問題なく停められた、という意見が多く見られますが、周辺の渋滞がすごく、神社を目の前にしながら立ち往生することが多いようです。
有名神社の密集地帯なのである程度は仕方ないのですが、混雑を避ける場合は、公共交通機関を選択するのが良さそうです。

次は吉備津神社のお守りについてです。以下のように桃に因んだお守りが多いです。

参拝所要時間と受付時間


・吉備津神社の参拝所要時間は1〜2時間
・祈祷、お守り、御朱印などの受付時間は、8:30〜16:00
です。

続いて吉備津神社周辺の観光スポットの紹介です。

周辺観光スポット


吉備津神社に訪れたら行っておきたい観光スポットです。

岡山後楽園


水戸の偕楽園、金沢の兼六園と合わせて日本三名園に数えられる回遊式庭園です。

芝生や池、松などの調和がとれた美しい庭園で絵に描けない美しさとはまさにこのこと。
時間に余裕をもってのんびり散策したいですね。

岡山県岡山市北区後楽園1-5
岡山駅からバスで12分
7:30~18:00 (3/20~9/30)
8:00~17:00 (10/1~3/19)
年中無休

大人:400円 (15歳~65歳未満)
子供:140円 (5歳~15歳未満)
シニア(65歳~)140円 ・後楽園・岡山県立博物館共通券 520円

・後楽園・岡山城共通券560円(子供は260円)
・後楽園・岡山城・林原美術館共通券710円

岡山城


宇喜多秀家が豊臣秀吉の指導を受けて築城し、慶長2年(1597)に完成。
歴史展示以外にも備前焼の体験、駕籠に乗って写真撮影、着付け体験などが出来ます。
店内の売店の品ぞろえが豊富。カフェもあります。後楽園とセットで観光したいですね。

岡山県岡山市北区丸の内2-3-1
086-225-2096
岡山駅から路面電車で5分 城下下車から徒歩で10分
9:00~17:30
年末12/29~12/31は休業

大人:300円 15歳以上、中学生を除く。
子供:120円 小・中学生

吉備津彦神社(キビツヒコジンジャ)


ここまで読んで頂いた方には説明不要の神社ですね。
吉備津神社とセットでお参りすると、ご利益が2倍になるかも知れませんね。

岡山県岡山市北区一宮1043
086-284-0031
備前一宮駅から徒歩で3分

最後に


吉備津神社の情報を以下にまとめますね。


吉備津神社へのアクセス
→JR吉備津駅より徒歩9分。吉備津彦神社などに行く場合はレンタサイクル。
吉備津神社の駐車場
→近くに専用の無料駐車場があるが、正月だけは200円。初詣時期は道路が非常に混雑。
吉備津神社のお守り
→桃守り、桃懐守
吉備津神社のパワースポット
→本殿、拝殿に続く階段
御朱印
→300円、本殿隣の授与所にて、8:30〜16:00
吉備津神社の桃太郎伝説
→桃太郎のモデルがキビツヒコ、鬼のモデルが温羅。
桃太郎侵略説、桃太郎=鬼 説もある。
ご利益は、厄払い、縁結び、商売繁盛が有名
周辺観光
→岡山後楽園、岡山城、吉備津彦神社


 

この記事をまとめた人

橋本ユリ
橋本ユリ
神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)

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