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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

ツクヨミ

2018年5月15日

橋本ユリ
こんにちは、北極神社の新米巫女、橋本ユリです。
今回は、名高い姉と弟がいる、三人兄弟の真ん中。ミステリアスな月の神様を紹介します。

神話

月読命(ツクヨミ・ツキヨミ)は、名前の通り月の神様で、夜の国を統治しています。
姉のアマテラスや弟のスサノオのような有名な神話が、古事記にも日本書記にもほとんど見られない、謎の神様です。

誕生の物語

日本の国作りをしたイザナギが、妻イザナミを死者の国・黄泉に訪ねて行き、見てはならないイザナミの遺体を見てしまいました。
そのため、黄泉の軍団に追いかけられて、命からがら逃げて帰りました。

そのとき、死者の国の穢れを祓うために、禊(みそぎ=心身と魂の浄化)をしましたら、次々神様がうまれ、最後に三貴神と呼ばれる、立派な神様が生まれたのです。ツクヨミは、イザナギが右目を洗ったときに生まれています。
イザナギは喜んで、
太陽の女神であるアマテラスには、天の高天原を、
月の神であるツクヨミには、夜の国を、
スサノオには、大海原を治めるようにと言いました。


*日本書記には、アマテラスと共に天に上げられ、一緒に天を治めるように言われたという話があります。
*支配する国は「夜の食国(おすくに)」滄海原あおうなばらの潮の八百重やおえと書かれているものもあり、スサノオと重なる記述も残っています。

食物神を殺した物語(日本書紀)

日本書記の神話です。
アマテラスに頼まれて、ツクヨミは食べ物の神ウケモチ(保食神)を訪ねます。
その時、ウケモチは口から食べ物を出して、料理をふるまってくれました。

ツクヨミは、それを見て「けがらわしい!」と激怒して、保食神うけもちのかみを剣で切り殺してしまいました。
ウケモチの遺体からは、牛や馬、蚕や五穀が生まれました。

しかし、この事件を知ったアマテラスは
「おまえは悪神だ!」と怒り、
それ以降、ツキヨミと顔を合わせることは無くなったと伝えられています。

*古事記では、スサノオがオオゲツヒメを殺して五穀が生まれた話になっています。

「月を祀れ!」のご神託

ツクヨミはご神託を下して、自分を祀るように告げました。
任那みなま(朝鮮半島の日本の領土)へ派遣された人に月神が憑いて、「私は、先祖をタカミムスビとする月の神である。私を祀ると、喜びがあろう」と言ったそうです。
そこで、山背やましろの国に社を立て、それが山背の国の月読神社の由来とされています。
宣託が降りた壱岐にも月読神社があり、そちらが元宮と言われています。

光仁天皇の時代に、暴風雨が吹き荒れました。占ったところ、「伊勢の月読神のたたりである」と出ました。そこで、毎年九月に荒祭あらまつりにならって、今日でも馬を奉っています。

不死・若返りの神

月の満ち欠けは、死と再生を思わせます。月は、不老不死と結び付けて、信仰されてきました。
ツクヨミは、変若水おちみずという不死の霊水(若返りの水)を管理していると伝えられています。
昔の人は井戸水に映る月の姿も、神聖なものと感じられました。
元日の朝、井戸から汲んだばかりの若水を神様にお供えし、その水で食事を作っていただくことで、心身を浄化し、力をもらうという風習があります。

お使いは、ウサギ

アマテラスの衣を口にくわえて、月のウサギが道案内したというお話があります。

ツクヨミの恋人は・・・?

伊勢神宮の外宮の豊受大神宮と、別宮である月夜見宮は細い道でつながっていて、夜になるとツクヨミは石を白馬に変えてトヨウケ女神のもとに通う、というお話があり、その道を「神路通り」と言います。

性別不詳のワケ

古事記でも日本書記でも、性別が書かれていなくて、女性神では?という説がありますが「剣を抜いた」という記述があることから、一般的には男性神とされます。

伊勢神宮にもツクヨミが祀られていますが、儀式を記録した古書に、
「金の太刀を身に着けて、馬に乗った男」と書かれています。

系譜

名前の由来

 
古事記
月讀命(つくよみのみこと)
 
日本書記
月夜見命(つきよみのみこと)
月読神
月弓尊(つきゆみのみこと)
 
万葉集
月讀壮士(つきよみおとこ)
月人壮士(つきひとおとこ)
月夜見
 
出雲国風土記
都久豆美命
 
その他
月予見命(つきゆみのみこと)
月神(つきのかみ)
月山神(つきやまのかみ)

「月を読む」という言葉からは、
「月の周期を読む」=「太陰暦」との関連が考えられます。

「次世見」「継世見」という意味もあり、
「次の時代、次に来る出来事を読み知らせる」という占い師としての役割も示しています。

「ツクヨ」が月、「ミ」が神霊の意味で、「月の神」という名前であるという説もあります。

ゆかりの地

イザナギが禊をした場所(筑紫つくしの日向ひゅうがたちばな小門おど阿波岐原あわぎはら)で、生まれました。

祀られている神社

各地の月読神社・月山神社。
月読宮(三重県伊勢市)
伊勢皇太神宮の別宮
月夜見宮(三重県伊勢市)
豊受大神宮の別宮
月夜見神社(京都市西京区)
松尾大社の摂社
月山神社(山形県東田川郡)
出羽三山

ご利益

  • 月の神
  • 農耕神
  • 占いの神
  • 暦の神
  • 漁業の神
  • 安産の神
  • 不老不死の神
としてのご利益があります。

*昔は、月を基準にした暦である「太陰暦(たいいんれき)」を使って農耕をしていたため、ツクヨミは農業の神様でもありました。

*日本書記では「滄海原を司る」という、海の神としての記述もあります。
もともと月の引力は、海の満ち引きと関係があるので、海との関係は深いのです。

*古代から、出産と月の満ち欠けは関係があるとされ、安産の神でもあります。
  • 五穀豊穣
  • 豊漁
  • 航海安全安産祈願
  • 家内安全
  • 諸願成就(ツキをもたらす)
  • 不老長寿


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