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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

高御産巣日神(タカミムスビノカミ)とは?高天の原の最高司令神!?

2019年10月17日

こんにちは!北極神社の新米巫女、橋本ユリです。

高御産巣日神(タカミムスビノカミ)は、日本神話の中で二番目に生まれた非常に特別な存在の神様です。
しかし、神話の中では生まれてすぐに姿を消してしまうため、どのような神様なのかあまり広くは知られていません。

橋本ユリ
そんな特別な神様、高御産巣日神(タカミムスビノカミ)について詳しくご紹介をさせて頂きます。


それでは参りましょう!

タカミムスビ(高御産巣日神)とは

タカミムスビは『古事記』や『日本書紀』などの日本神話に登場する神様の一柱です。

神話の中では二番目に生まれた神様とされており、三番目に生まれた「カミムスビ(神産巣日神)」の対となる存在として共に祀られることが多いです。

タカミムスビの子には「オモイカネ(思金神)」や「ヨロズハタトヨアキツシヒメ(万幡豊秋津師比売命)」がいます。

オモイカネは知恵の神様だと言われており、最も有名な話では、天の岩戸に隠れてしまったアマテラスを外に出すための知恵を八百万の神々に授けたとされています。オモイカネの妹に当たるヨロズハタトヨアキツシヒメは、アマテラスの子であるアメノオシホミミノミコト(天忍穗耳尊)と結婚します。

タカミムスビは皇室と強い関係を持つ神様だと言われており、天皇守護の八神を祀る「八神殿(はっしんでん)」の第二殿に祀られていました。

 

なお八神殿に祀られていた神様は下記の通りです。
  • 第一殿 神産日神(カミムスビノカミ)
  • 第二殿 高御産日神(タカミムスビノカミ)
  • 第三殿 玉積産日神(タマツメムスビノカミ)
  • 第四殿 生産日神(イクムスビノカミ)
  • 第五殿 足産日神(タルムスビノカミ)
  • 第六殿 大宮売神(オオミヤノメノカミ)
  • 第七殿 御食津神(ミケツカミ)
  • 第八殿 事代主神(コトシロヌシノカミ)
八神殿は古代から中世の間には、神祇官西院(じんぎかんさいいん)に設けられていましたが、神祇官の祭祀が廃絶したことにより衰退してしまいます。

その後、八神の祭祀は江戸時代に再興され、吉田神社境内・白川家邸内にそれぞれ神殿が設けられました。

現在では皇居の神殿に合祀されています。

 

別名

タカミムスビの漢字表記は『古事記』では「高御産巣日神」、『日本書紀』では「高皇産霊尊」と書かれます。また、タカミムスビは別名で「高木神(タカギノカミ)」とも呼ばれます。

名前の由来としては「高木」は文字通り背の高い木を意味しており、天に伸びる高い樹木を信仰する様子を表しているのではないかと考えられています。

 

ご神格

神名の「むす(生す)」には「生成」の意味があります。
現代ではあまり馴染みのない言葉ですが、国歌『君が代』には「苔の生すまで」という歌詞がありますね。

「むす(生す)」+「び(日)」でタカミムスビを太陽神だとする考え方があります。

また、「ムスビ(産霊)」も生産や生成を意味する言葉であるため、タカミムスビは、対の存在であるカミムスビと共に「万物の創造」を神格化した神様だと言われています。

 

ご利益

タカミムスビのご利益は
  • 万物生成
  • 心願成就
  • 農耕守護(五穀豊穣)
  • 延命長寿
  • 無病息災
  • 厄除け
  • 開運招福
  • 縁結び
など様々ありますが、創造や生成に関するご利益が最も強いとされています。

 

タカミムスビ(高御産巣日神)の神話

ではここで『古事記』に出てくるタカミムスビの神話について詳しく見ていきましょう。

 

「国生み」

まだこの世が何もなかった時代、まず天と地がわかれました。
すると高天の原(たかまのはら)と呼ばれる天の世界に、アメノミナカヌシ(天之御中主神)という神様が生まれます。

そして、そのアメノミナカヌシの次に生まれたのがタカミムスビだったのです。タカミムスビは神話の中で二番目に生まれた神様ということになりますね。それから、タカミムスビの次に、カミムスビ(神産巣日神)という神様が生まれます。

こうして現れた三柱の神様たちは「造化の三神」と呼ばれ、男女の性別がない「独神(ひとりがみ)」だとされています。

ただし、タカミムスビは男性を象徴する神だと言われており、女性を象徴するカミムスビと対の存在となっています。そのため「タカミムスビ」「カミムスビ」の「ムスビ」は男女の結びを表していると言われることもあるそうです。

 

「国ゆずり」

タカミムスビを含む「造化の三神」と呼ばれる神様たちは、生まれたあとすぐに世界から姿を消してしまいます。

その後に生まれたイザナミとイザナギが国を作り上げ、イザナギから生まれでたアマテラスが高天の原を、ツクヨミが夜の国をおさめるなど様々な出来事が巻き起こります。

そんなある時、高天の原をおさめるアマテラスは地上の世界を見下ろしながら「天と地の間に中つ国は、わたしの子供のオシホミミがおさめるべきだ」と言い出すのです。

アマテラスに言われたオシホミミはさっそく下界の様子を見下ろしてみるのですが、中つ国は猛々しい地上の神々であふれており「今のままでは中つ国をおさめるのはむりです」と言います。

そこでアマテラスは、中つ国を平定させるための知恵を借りようと、天の神様たちを集め会議を開くのですが、タカミムスビは高天の原の最高司令神としてアマテラスと対等以上の立場で登場します。

その後、天の神様たちは様々な計略を巡らせ、無事に中つ国を平定させることに成功するのです。

しかし、中つ国を平定させるまでの間にオシホミミはニニギノミコト(瓊瓊杵尊)という子をもうけていました。

そこでオシホミミは「わたしよりも自分の子に中つ国をおさめさせるのが良いでしょう」とアマテラスに申告し、ニニギが中つ国をおさめることになったのです。

 

タカミムスビの子

タカミムスビには、オモイカネという男神の子とヨロズハタトヨアキツシヒメという女神の子がいます。

知恵の神様であるオモイカネは、天の岩戸に隠れたアマテラスを外に出すための知恵を八百万の神々に授けたり、国ゆずりの際には中つ国を平定させるための助言をアマテラスにしたりと、高天の原で活躍する姿を何度も見せています。

ヨロズハタトヨアキツシヒメは、アマテラスの子であるオシホミミと結婚し、その間に生まれた子が先ほどの「国ゆずり」で中つ国をおさめることになるニニギでした。

『古事記』においては、まずアマテラスが「自分の子であるオシホミミに中つ国をおさめさせたい」と考え、平定をさせたのち、オシホミミの申告によりニニギが中つ国をおさめるという物語になっています。

しかし『日本書紀』では、ニニギを特別に可愛がっていたタカミムスビが「ニニギを中つ国の主にしたい」と言い出し、自ら率先して八百万の神々を集め、中つ国を平定させるための会議を開いたという物語になっています。

このことから真の皇祖神(皇室の祖とされる神)はアマテラスではなく、タカミムスビではないか?という考え方もあるそうです。

いずれにせよ、タカミムスビは高天の原において非常に大きな力を持つ神様でした。

 

キリストとの関係

「国生み」の神話でも触れましたが、この世で最初に現れた三柱の神様たちは「造化の三神」と呼ばれます。
  • アメノミナカヌシ
  • タカミムスビ
  • カミムスビ
この三柱の神様は、キリスト教の「三位一体信仰」が元になっているのではないかと言われています。

三位一体とは「御父」「御子」「御霊」の三つが一体となり、それを唯一神とする考え方です。

造化の三神が三位一体を元にしているという考え方に基づくとするならば、造化の三神はそれぞれ
  • アメノミナカヌシ→御父
  • タカミムスビ→御子
  • カミムスビ→御霊(精霊)
に相当するということになると考えられます。

このように『古事記』と『聖書』を読み比べてみると、類似する点がいくつか見受けられることがあります。また、日本各地には、三位一体を象徴すると言われる「三柱鳥居(みはしらとりい)」というものが存在する神社がいくつかあります。

三柱鳥居は、鳥居を三基組み合わせ、それを三本の柱が支えており、上から見たら三角形のようになっています。

三柱鳥居が存在する神社は、
  • 木嶋坐天照御魂神社(京都)
  • 成子天神社(東京)
  • 三囲神社(東京)
などがあり、中でも京都の木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)が三柱鳥居がある神社としては最も有名です。

 

タカミムスビ(高御産巣日神)を祀る神社

高木神社

高木神社は一四六八年から続く由緒正しい神社です。

もともとは「第六天社」という名前で呼ばれていたのですが、明治時代初期に「高木神社」と名前を改めました。

名前の由来はタカミムスビの別名が「高木神」であることからだと言われています。

住所:〒131-0045 東京都墨田区押上2-37-9
アクセス:東武スカイツリーライン「曳舟駅」より徒歩5分程

ご祭神:高皇産靈神
ご利益:万物生成、心願成就、交渉・相談事がまとまる

 

高天彦神社

社名の「高天」は神話における「高天の原」の伝承地とするという説があります。

社務所のない小さな神社ですが、山中にそびえる荘厳な雰囲気からパワースポットとしての人気も高いです。

住所:〒639-2334 奈良県御所市大字北窪158
アクセス:京名和自動車道 御所ICから車で20分程

ご祭神:高皇産靈神、市杵嶋姫命、菅原道真公
ご利益:創造、商売繁盛、合格祈願

 

安達太良神社

万物創造の神であるタカミムスビとカミムスビをはじめ、地域開拓の祖神等を祀っています。

また、神社の拝殿には戊辰戦争時の弾痕が残っており、古い歴史を感じることもできます。

住所:〒969-1121 福島県本宮市本宮舘ノ越232
アクセス:JR東北本線本宮駅から徒歩15分程

ご祭神:高皇産靈神、神産巣日神、飯豊和気神、飯津比売神、陽日温泉神、禰宜大刀自神
ご利益:商売繁盛、家内安全、産業発展、縁結び、厄除け

 

四柱神社

この神社では社名の通り四柱の神様が祀られています。
  • アメノミナカヌシは神様の神様
  • タカミムスビは物事を結ぶ神様
  • カミムスビは人と人を結ぶ神様
  • アマテラスオオカミは縁を結ぶ神様
だとそれぞれ言われており、このように御神徳の高い神様を四柱も主祭神として祀る神社は全国的にも珍しく、全ての願いが叶う「願いごとむすびの神」として知られています。

住所:〒390-0874 長野県松本市大手3丁目3-20
アクセス:JR松本駅から徒歩15分程

ご祭神:天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神
ご利益:商売繁盛、縁結び、五穀豊穣、開運招福、家内安全、健康長寿

 

東京大神宮

東京のお伊勢様と呼ばれ親しまれており、縁結びにご利益があるとして広く知られていることから、良縁を願う人たちの参拝が多い神社です。

また、神前結婚式は明治時代に東京大神宮から始まったともされており、伝統ある東京大神宮での神前結婚式は非常に人気が高いです。

住所:〒102-0071 東京都千代田区富士見2-4-1
アクセス:JR飯田橋駅より徒歩5分程

ご祭神:天照皇大神、豊受大神、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神、倭比賣命
ご利益:縁結び、商売繁盛、厄除け、開運招福、家内安全、学業成就

 

赤丸浅井神社

神社の参道には樹齢四百年から二百年の杉並木が続いています。

また、境内に存在する樹齢千二百年以上の大けやきは富山県の天然記念物にも指定されているほどの立派な樹木です。

住所:〒939-0101 富山県高岡市福岡町赤丸5324
アクセス:能越自動車道 高岡ICから車で10分程

ご祭神:高御産巣日神、神産巣日神
ご利益:五穀豊穣、厄除け、家内安全

 

高牟神社

境内の井戸より湧き出ている清水は「古井(こい)の水」と呼ばれており、この水を飲むと「恋が生まれる」という言い伝えがあります。

一年を通して水の温度が変化しないことから、非常に貴重な水として地域で信仰され愛されてきました。

また、古井の水は恋愛成就だけでなく長寿にもご利益があるとされていることから、老若男女問わず人気があります。

住所:〒464-0850 愛知県名古屋市千種区今池1丁目4-18
アクセス:JR千種駅より徒歩4分程

ご祭神:高御産巣日神、神産巣日神、応神天皇
ご利益:縁結び、恋愛成就、安産祈願、復縁、延命長寿

 

宇奈多理坐高御魂神社

境内は森に覆われており、神秘的な雰囲気が漂っています。

境内に続く門は閉ざされていることがあり、日によってはお参りができないかもしれないので注意が必要です。

住所:奈良県奈良市法華寺町600
アクセス:JR近鉄奈良駅からバスで「法華寺」で下車し徒歩8分程

ご祭神:高御産巣日神、天太玉命、思兼命
ご利益:諸願成就、合格祈願

 

足立山妙見宮(御祖神社)

造化の三神を主神として祀っている神社です。

神前結婚式、七五三、成人式、初宮参りなど様々な祭祀を執り行っており地域で親しまれています。

また、健脚にご利益があることでも有名で、わらじの形をした「健脚守」は非常に人気が高いです。

住所:〒802-0041 福岡県北九州市小倉北区妙見町17-2
アクセス:北九州都市高速「足立IC」より車で10分程

ご祭神:天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神
ご利益:健脚、健康長寿、家内安全、商売繁盛

 

五霊神社

社名の通り五柱の神様が主祭神として祀られています。

岩座神(いさりがみ)と呼ばれる山奥の集落に存在し、神社は森の更に奥にあります。

人気(ひとけ)が少ないため、神聖な雰囲気を味わうことができるでしょう。

住所:〒679-1205 兵庫県多可郡多可町加美区岩座神51
アクセス:岩座神バス停より徒歩2分程

ご祭神:高皇産靈神、神皇産靈神、火産霊神、稚産靈神、津速産靈神
ご利益:病気平癒、健康長寿、交通安全、厄除け

 

まとめ

タカミムスビは万物の創造を司る非常に偉大な神様です。様々なご利益があることから、古来より人々に信仰されてきました。

「国ゆずり」でのタカミムスビの行動は、『古事記』と『日本書紀』で少し違っているので、実際に両方を読み比べてみて自分なりの解釈を考えてみるのも面白いと思います。

どちらの物語にも共通しているのは、タカミムスビは高天の原においてアマテラスと同等以上の権限を発揮していたということです。このことから神様の中でも特別視されていたことが分かりますね。

橋本ユリ
タカミムスビには創造や生成をはじめとする様々なご利益がありますので、ぜひ一度お参りに行ってみてはどうでしょうか。

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