神社参拝の仕方~神様に喜ばれる参拝作法~

こんにちは、北極神社の新米巫女、橋本ユリです。
今回は、神社へお参りに行く際に「絶対に押さえておきたい礼儀とマナー」に関するお話です。
あなたはこれまで、さまざまな神社へ参拝したことがあると思いますが、その際、参拝マナーや礼儀に関して、どのくらい勉強されましたか?
もしあなたが「参拝にマナーや礼儀なんているの?行くことが大事だし・・・」と思っていたら要注意!
なぜなら、参拝の仕方によっては、不運・不幸な方向へ行ってしまう可能性があるからです。
神様の多くは、山積みの課題を抱えて厳しい状況。
なので、キラッと光る人や、強い思いのある人でなければ、相手にしてもらえません。
たとえば、服装一つにしても、もし、あなたが「ジャージ」や「スウェット」で行ってしまうと「それだけの気持ちなんだな」と思われてしまうでしょう。
神様とのご縁に溝を作らないよう、ぜひ、今回の礼儀とマナーを押さえておいてくださいね。
目次一覧
神社参拝の正しい方法
橋本ユリ
今回は基本中の基本である『神社の正しい参拝方法』について知っていきたいと思っています。
同じ神社を訪れても「ご利益があった」とする方もいますし、「ご利益が得られない」と悩む方もいますよね。やはり参拝方法に差があるのでしょうか?
同じ神社を訪れても「ご利益があった」とする方もいますし、「ご利益が得られない」と悩む方もいますよね。やはり参拝方法に差があるのでしょうか?
みなさんは神社へ参拝する際、きちんとした手順でお参りできていると自信を持って言えるでしょうか。
最近は海外の方向けに分かりやすく参拝方法がイラストで書いてある神社も増えていますよね。
手順に沿って拝殿・本殿に行く準備を整えて神様の前に立ち、コツを押さえて祈ることでご利益が得られる可能性がぐんと高まります。参拝の手順から順番におさらいしておきましょう。
ステップ1.まずは、参拝に行くことを決める
まず初めに大事なのは、「参拝に行く!と決めること」です。
実は、神社参拝は行くと決めた日から始まっています。

デートを考えてみてください。
あの人とデートに行こう!と心で決めたときから、「どうやったらあの人は喜ぶかな?」と思いを巡らせますよね。そうすると、なぜか直感や閃きから最適な答えが出てきます。
つまり、いいデートになるかどうかは、行くと決めたその日からの準備によって変わるわけです。

神社参拝も、デートと同じです。
どんな心構え・準備で行けるかどうかで、参拝した時にいただける運のエネルギー量が全く変わります。
参拝に行くことを決めたら、毎日神様にご挨拶するような気持ちで過ごすことが大切です。
主祭神(デートに行く人)が誰かわからない、なんて論外。
「すごい人に会いに行くんだ」と思って、しっかり調べてくださいね。

ステップ2.服装は正装で!
神道には、「こうしなければならない」というルールはありません。なので、前提としてはどんな服装でもいいんですね。
ただ、想像してみてください。
パジャマのような適当な服装の人があなたに会いに来たら、あなたはどう思いますか?
反対に、スーツや着物など正装で会いに来てくれたら、あなたはどう思いますか?
正装の方が、誠意や真心が通じやすいんです。それは、人も神様も同じ。

心は形に宿り、形は心に宿ります。
自分の気持ちもそこから変わるはずです。
ぜひ、正装を準備して行ってください。
ステップ3.鳥居をくぐる
鳥居には2つの役割があります。
- 神様の世界の入り口
- 結界(=邪気・邪霊の侵入を防ぎ、穢れのない神聖な空間を保つ)
鳥居の前では一礼し、「ここから先は神聖な空間だ」と思って入りましょう。

ステップ4.参道を歩く
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と言って、神様の通り道です。
左もしくは右に寄って歩きましょう。
横切るときは、会釈するなどして、敬意を表すのもいいですね。

ステップ5.手水舎で御手水をする
神様と人の違いは、穢れがあるかどうかです。神道では、神域に入るのはみな神と考えます。
心身の罪穢れを手水舎(てみずや、ちょうずや)で祓い清めてから神域に入りましょう。

具体的な流れを説明します。
- 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をすくって左手にかける
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手に水をかける
- 柄杓を右手に持ち替えて、左手で水を受け、その水で口をすすぐ
- 左手に水をかけて清める
- 柄杓を立てて柄に残りの水をつたわせて清め、もとの位置に戻す
このとき、大事になるのがイメージです。
御手水をしながら、心の中のネガティブなものがクリアになるのをイメージしてみてください。
視覚的には、黒いモヤがクリーニングされているところを想像するとわかりやすいと思います。
ステップ6.参拝する
実は、参拝方法は一つではありません。
必ず本殿や拝殿に近づかなければならないわけでもないんです。
人が多かったり、よくない感じを受けたりした場合は、参道や本殿の脇で祈るのもOK。
天を仰ぎ見て、神様と繋がっているのをイメージすることが大切です。
基本の参拝方法
- 拝殿に来たら、軽く一礼する
- お賽銭をそっと静かに入れる
- 鈴があれば鳴らす
- 二礼二拍手一礼
心を静め、呼吸を深くしてから、2回深いお辞儀をします。
手を合わせ、一呼吸おいてから両手を少しだけ斜めにずらし、パンパン!と、よく響くように2回柏手(かしわで)を打ってお祈りください。
最初に神様の名前、次に自分の名前とどこで何をしているかを伝えます。
お願い事はできるだけ具体的に心の中で述べましょう。
最後は「かむながらたまちはえませ(あとはすべて神様にお任せします)」と言って締めくくります。
1回深いお辞儀をして下がりましょう。
お賽銭について詳しくは、
5円10円入れてない?正しいお賽銭の作法とマナー
お願い事については、
「神社で願い事をしてはいけない」は嘘!叶う・叶わない願い事の違いとは
を、お読みください。
神社参拝に適した時間
橋本ユリ
神社参拝の方法、勉強になりましたね。続いて参拝時間についての疑問を解消しましょう。
神社参拝は夜に行ってはダメ!と言われているのを聞いたことがないでしょうか。
夜に参拝するのは神様に失礼に当たる、神様がいらっしゃらない時間がある、良くないものが増える時間帯だから・・・など理由は様々ですが基本的に夜は参拝に向いていない時間帯だと言われています。
夜の参拝は決して縁起が悪いから避けた方が良い、と言う訳ではありません。ただ、参拝をしてしっかりとご利益を得たいのなら夜ではない、最適な時間があるのです。
神社参拝に最も適した時間帯は午前中です。
午前中や早朝の時間帯であれば静かな境内を落ち着いて散策もできますし、参拝者が少ない時間帯に訪れるとご利益を得やすくなるとも言われているんですよ。
この午前中の参拝が良いと言うのは陰陽道の考え方から来ています。
陰陽道とは日本で独自に発展した古代科学のひとつ。現代のイメージでは占い師に近い存在のように思えますが、れっきとした職業であり国が管理していた学問でした。
この陰陽道自体は明治維新後に廃止されなくなってしまいましたが、神道はこの陰陽道と影響を与えあった存在です。
神社は午前中に参拝するのが一番良いと言うのも陰陽道の考え方に基づくもの。
陰陽道では、午前中は「陽」のパワーを持つ時間帯と考えられていました。
この「陽」のパワーは良い気が満ち溢れている時間帯。神社の境内も明るくさわやかなエネルギーで満たされるのです。
逆に夜は「陰」のパワーが強くなる時間帯。悪いエネルギーと言う訳ではありませんが、「陰」は静寂のパワーとされているので祈りには向かない時間帯です。具体的には18時から午前0時の間ですね。
夜、神社に参拝したいと言う場合は境内に入らず鳥居の外から参拝するのが良いとされています。帰り道に神社がある場合などは鳥居の外などから手を合わせるだけで十分気持ちが伝わることでしょう。
神社参拝のお賽銭のお金
橋本ユリ
参拝した時にお賽銭をあげますよね。
私はいつも「良いご縁がありますように」と願いを込めて5円玉を入れているのですが、お賽銭の額にも意味があるのでしょうか。それとも、日本人の得意な言葉遊びなのでしょうか?」
私はいつも「良いご縁がありますように」と願いを込めて5円玉を入れているのですが、お賽銭の額にも意味があるのでしょうか。それとも、日本人の得意な言葉遊びなのでしょうか?」
神社のお賽銭、いくらあげるのか迷ってしまいますよね。たまたまその時お財布の中にある小銭をあげる、特に決めていないと言う方も多いでしょう。
お賽銭の金額に特に決まりはありませんが、紙幣の方が硬貨よりも気持ちを込めやすいとされています。
特に、今の自分にとって「ちょっと痛い!けれどこれでどうか開運の手助けをお願いします!」と思える金額が最適。1000円、5000円と人によって金額は異なりますが、「神様の元へ思いが届くのならこのくらいは!」と思い切るくらいの金額がちょうど良いでしょう。
紙幣を使う場合は、他人の手に渡っていない新札が良いと言うことも覚えておきましょう。
新品の紙幣に思いを込めて奉納しましょう。
生理の時の神社参拝はどうなの?
最近は女性を中心に御朱印集めが流行していますよね。皆さんの中にも以前より神社に参拝する回数が増えた、と言う方もいらっしゃるでしょう。
神社に参拝するようになると色んな言い伝えを耳にします。「女性は生理の時に神社に参拝してはいけない」と言うのもそのひとつ。子供の頃からそう教えられたと言う意見もありますね。
この「生理の時に参拝は控えるべき」と言うのは正しい面もありますが、一方で少し誇張された表現でもあります。
結論から言うと、生理中に普通に参拝するのは問題ありません。禁止されてもいませんし、縁起が悪いわけでもありません。
しかし、神社で最も神聖な本殿へと上がるのは控えた方が良いとされています。
神社にいらっしゃる巫女さんたちも、生理中は本殿へは足を踏み入れなかったりお神楽には参加しないなどの気遣いがあるんですよ。
生理中に足を踏み入れない方が良い場所がある、と言われるとなんとなく「不公平だな」なんて思ってしまいませんか。「生理は大切なものなのに」と反発を覚える方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はこれ、男尊女卑や不公平とは真逆の、女性を大切に思う神道だからこそこうなったと言う経緯があるんです。
神様にお会いする前に「穢」を落とす、と言う話を先ほどしましたね。鳥居や手水舎での御手水がその役割を果たしています。
この「穢」、実は「気枯れ」と同じ意味だとされています。「気」が「枯れる」、すなわち元気のない疲れた状態になることを表します。
生理の時は万全の体調とは言えませんよね。そんな「気枯れ」た状態でわざわざ参拝するよりも、元気な時に参拝をすれば良いですよ、と言う意味で「生理の時に参拝してはいけない」と言われるようになったとされています。
巫女さんたちが聖域に入らない、神楽を行わないのも全て女性の身体を気遣ってのことなのです。
現代では生理中に体調を整えるお薬もありますし、昔と比べて交通の便も遥かに良くなっています。何時間も歩いて参拝に出かけていた頃とは違いますよね。
ですから神社に行くのは控えなければいけない、なんてことはありません。ただ、巫女さんたちにならって本殿への昇殿は見送った方が良いでしょう。
喪中の神社参拝はどうなの?
もう一つ、神社に参拝してはいけないと言われる期間が「喪中」です。こちらも耳にしたことのある方が多いでしょう。
「喪中」とは、身内が亡くなってから約1年の間、故人を偲んで残された家族の心の回復を図る期間のこと。身内でも自分との関係によって喪に服す期間が異なります。
この「喪中」に神社に参拝してはいけないと言うのは、正確に言うと間違い。神社を訪れてはいけないのは「喪中」ではなく「忌中(きちゅう)」と呼ばれる期間の間だけなのです。
この「忌中」は神道の考え方で、身内が亡くなってから50日間を指します。その昔この忌中の間は家に篭り、人との接触を避け亡くなった身内の冥福を祈る期間でした。
今現在は全く外に出ないわけにはいきませんが、結婚式などのお祝い事や神社への参拝は避けるべきとされています。
ご自宅に神棚を設置している方でもこの忌中の期間は神棚に半紙などをかけ、日々の習慣であってもお祈りをしたり、手を合わせたりするのも避けるのが正解です。
神道において「死」は「穢」と考えられています。この「穢」も先程と同じ、「気枯れ」を元にした言葉。近しい身内が亡くなってパワーを削られない人などいませんよね。
この「気枯れ」を神様は嫌うので、半紙で遮ったり、祈ったりしないことで距離を置く必要があります。この忌中の期間の50日だけ、神社への参拝は避けましょう。
忌中が明け、約1年間続く「喪中」に入ったら神社へ参拝しても大丈夫です。
雨の日の神社参拝はどうなの?
橋本ユリ
御神水に手水舎、境内に池があったり川が流れていたり、湧き水が流れ込んでいたりと神社と水は切っても切れない関係の様に思えますよね。
空から水が降り注ぐ「雨の日」に神社を参拝するのは良いことに思えるのですが本当のところはどうなのでしょうか?
空から水が降り注ぐ「雨の日」に神社を参拝するのは良いことに思えるのですが本当のところはどうなのでしょうか?
雨の日の参拝については賛否両論があります。
手水舎があるように水には穢を取り払う力があるりますよね。
そのため、天から降り注ぐ雨によって穢が取り払われる「禊の雨」と考えることができます。一方で、陰陽道の視点で見ると雨の日は夜と同じ「陰」のエネルギーを持つ日なので神社への参拝はおすすめしないとの見方もあります。
雨の日の参拝に関しては、どちらが正しくてどちらが誤っていると言うことはなく、自分の感覚に従うのが吉。例え雨の日であっても「今日参拝したい」と感じるのなら、土地や神様に呼ばれている証拠ですからぜひ出かけましょう。
反対に「今日は雨の日だから止めておこう」と思ったのならまた次の機会に参拝すれば良いのです。
まとめ.大切なのは神様への熱い思い
橋本ユリ
今回は神社参拝にまつわる基本マナーから、誰もが感じる疑問までをご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
いかがだったでしょうか?
細やかなマナーや決まり事もありますが、全ては神様に対する「熱い思い」と「心遣い」から生まれたもの。
昔から日本人の心を支えてきた神様のことを思えばこそ、しっかりと正しい方法で参拝しようと自然に思えるはずです。
正しい方法で参拝ができるようになれば、神社に参拝するご利益を強く感じられるようになるでしょう。
神社参拝に訪れる際には、ぜひ一度きちんと手順を思い出し、感謝の気持ちを忘れずに祈りを捧げましょう。