神社参拝の仕方~神様に喜ばれる参拝作法~
こんにちは!
北極神社の巫女、橋本ユリです。
今回は、神社へお参りに行く際に「絶対に押さえておきたい礼儀とマナー」に関するお話です。
橋本ユリ
神社参拝するのに礼儀やマナーって関係あるんですか??
と思われる方もいるかもしれません。
これだけ神社がたくさんあって、身近な存在なのに、日本の義務教育では、肝心の神社参拝の正しい作法を教えてもらうことってありませんよね。
あなたもこれまで、さまざまな神社へ参拝したことがあると思いますが、、
その際、参拝マナーや礼儀に関して、どのくらい勉強されたことがありますでしょうか?
もし、あなたが「神社参拝は行くことが大事なんだから、参拝にマナーや礼儀なんていらないでしょ!」と思っていたら・・要注意!
なぜなら、参拝の仕方によっては、神様が喜んで応援してくれて、あなたの人生に嬉しいことがたくさん起こりやすくなることもあれば、かえって不運・不幸な方向へ行ってしまうこともあるからです。
たとえば・・
もし、あなたのおうちに、汚い格好で、「お邪魔しまーす」と頭は下げるけれど、ろくな挨拶もせずに、土足でズカズカと入り込んできて(一応、手洗いだけはして笑)、いろんな部屋を見て回られて、最後はあなたに向かって
「どうかお願いです、わたしを良い人生に導いてください」
「お願いします、お金を稼げるようになりたいです」
と、両手を合わせてお願いをされたら、どう思うでしょうか、、?
あなたがどれだけ器の大きな人だったとしても、さすがにこんな人は関わりたくないなぁ、と思ってしまいますよね・・。
神社参拝にしても、これと全く同じことが言えるんです。
実際に、見えない世界では、多くの神様は、山積みの課題を抱えてお忙しい状況。
なので、ちゃんと礼儀作法やマナーを守って、正しい参拝方法で、神様にご挨拶をさせていただくことが大切。
そのうえで、神様が思わず力を貸したくなるようなお願いの仕方をすれば、今までよりも遥かに、あなたの人生が良い流れへと導かれていくでしょう。
たとえば、服装にしても、もし、あなたが「ジャージ」や「スウェット」で行けば、「それだけの気持ちなんだな」と思われてしまうかもしれません。
とはいえ、そのような格好で参拝しては行けない、というわけではありません。
地元や家の近くにある氏神様には、日頃から通って、通い路(かよいじ)を作っていくことも大事なことです。
しかし、古来わたしたちのご先祖様は、神様に対する時には、白い布を使った正装をしていました。
▲浄衣(じょうえ):祭祀や神事の際に着用する衣服
もちろん、わたしたちが神社参拝をする時に、浄衣を着る必要はありません!
今の時代に生きる、わたしたちに合った「服装」がありますよね。
このような背景を学んだり、知ってから神社参拝することで、神社の神様と、もっと距離が近くなって、もっと身近で快く助けてくれるようになるのです!
むつかしい呪文を唱えるとか、そういうことはありません。
誰でも簡単に実践できることなので、ぜひ一緒に、今回の礼儀とマナーを押さえていきましょう!
*
今回の記事は、神社参拝の正しい作法や考え方についてご紹介していますが、実は、神社参拝は「参拝する前」から意識することで、もっと神様に愛され、応援されて、素敵な出会いに恵まれたり、仕事が上手くいくようになったり、今まで以上に功徳を受け取ることができます。詳しい記事はこちら↓
神様に応援される人ってどんな人だろう?
*
目次一覧
神社参拝の正しい方法
橋本ユリ
今回は基本中の基本である『神社の正しい参拝方法』について知っていきたいと思っています。
同じ神社を訪れても「ご利益があった」とする方もいますし、「ご利益が得られない」と悩む方もいますよね。やはり参拝方法に差があるのでしょうか?
同じ神社を訪れても「ご利益があった」とする方もいますし、「ご利益が得られない」と悩む方もいますよね。やはり参拝方法に差があるのでしょうか?
今日になると、神社へ参拝する際、きちんとした手順でお参りできている人は、そう多くないかもしれません。
最近では、海外の方向けに分かりやすく最低限の参拝マナーやルールを、イラストで書いて紹介している神社も増えていますよね。
手順に沿って、拝殿・本殿に行く準備を整えて神様の前に立ち、コツを押さえて祈ることで、神社の神様の功徳やご利益が得られる可能性がグーンと高まります。
それでは、参拝の手順から順番におさらいしておきましょう。
ステップ1.まずは、参拝に行くことを決める
まず初めに大事なのは、「参拝に行く!と決めること」です。
これは、ほとんどの人がゴッソリ抜け落ちている「盲点」だったりします・・
近代化が進んだ今日、車や道路、鉄道や線路など、交通の便がよくなった事で、遠く離れている神社でも、誰もが行きやすくなりましたよね。
その結果、現代に生きるわたしたちにとって、神社参拝も「気軽」なものになりました。
もちろん、神社が「身近」になることは、とても良いことです。しかし、、
それが「気軽に」「お手軽に」なってしまうと、かえって参拝しても何も変化がない、ご利益がない、むしろ不幸なことが起こる、なんていうことにも繋がるのですね。
もっとも、神社の神様のご利益を受け取る一番の方法は、旅行や観光の「ついでに」行ってみるよりも、その神社の神様へ詣(もう)でてから、その地域の名所や、名産品に触れると良いのですね。
ご存知の通り、「お土産(みやげ)」は、その土地の「産土力(うぶすなりき)」をいただいて、地元に持って帰り、家族や親戚、仲間にお裾分(すそわ)けする風習から生まれたもの。
飛行機や鉄道、車など無いむかしの人たちは、移動手段といえば、そのほとんどが徒歩か船でした。
そして、お伊勢さん(伊勢神宮)にお参りするにも、家族や地元を代表して、数ヶ月を費やして、仲間の分まで参拝していたんですよね。
つまり、〝本物の〟神社参拝というのは、実のところ、「神社に行く」と決めた日から始まっているんです・・!
よく、神社参拝はデートのようなものでもある、と言われます。
まさに「神様とデート」するようなものですよね。
例えば、あなたが片思いを寄せる、あの人とデートに行く!と決まったとします。
そうしたら、きっと「どうやったらあの人は喜ぶかな?」「どうしたら振り向いてもらえるかな」と、たくさん思いを巡らせますよね。
もし、なにも予定を考えず、当日になって行き当たりばったりで考えていたら、そのデートはきっと惨憺(さんたん)たる結果になるでしょう。
(もう長年連れ添った相手だったら、行き当たりばったりでも、いいかもしれませんね^^)
素敵なデートになるかどうかは、行くと決めたその日からの準備によって全てが決まるのです!
神社参拝も、デートと同じです。
どんな心構え・準備で行くのかで、参拝した時にいただける運のエネルギー量が全く変わるのです。
とくに、古くから伝統のある、格式の高い、由緒正しい神社に参拝するのであれば、参拝する日を決めたら、毎日神様にご挨拶するような気持ちで、丁寧に過ごすことが大切です。
いく前にも、派手な遊び方などで自分のエネルギーを発散したりせず、静かに過ごして、自分のエネルギーを高めていくこと。
そして、なんと言っても、参拝する神社で祀られている神様(主祭神)がわからないなんて、話にもなりませんよね。
「誰でもいいからデート行ければいいや!」なんてバチ当たり。
ですから、「すごい人(神様)に会いに行くんだ!」という畏(かしこ)みの気持ちを持って、しっかり調べてから参拝しましょう。
ステップ2.服装は正装で!
神道には、「こうしなければならない」というルールはありません。
なので、前提としてはどんな服装でもいいんですね。
ただ、ここで想像してみましょう。
パジャマのような服装の人が、あなたとの初めてのデートに来たら、あなたはどう思うでしょうか?
反対に、身なりを綺麗に整えて会いにきてくれたら、どうでしょうか。
それは、神様も同じです。
そして神様には、スーツや着物など、正装で会いにいく方が、誠意や真心が通じやすいんです。
▲ゆにわ塾神社参拝セミナー講師の川嶋さん
〝心は形を求め、形は心をすすめる〟
親鸞聖人の言葉です。
自分の気持ちも、そこから変わっていきます。
今日、神社に行くと、正装で参拝に来られている方は、非常に少なくなりました。
でも、だからこそ、ぜひ、正装を準備して行ってみてください。
間違いなく、神様も「お、やる気のある人が会いにきてくれた」と、喜んでくださいますよ^^
ステップ3.鳥居をくぐる
鳥居には2つの役割があります。
- 神様の世界の入り口
- 結界(=邪気・邪霊の侵入を防ぎ、穢れのない神聖な空間を保つ)
神社は女性器(神聖なもの)に見立てて建てられています。
鳥居は、女性が股を広げているところに当たります。
これから、大事なところへ入っていく入り口になります。
ですので、鳥居の前では一礼し、「ここから先は神聖な空間だ」と思って入りましょう。
ステップ4.参道を歩く
鳥居が女性の股に当たると、参道とは「産道」になります。
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と言って、神様の大切な通り道です。
その神社によって、変わることもありますが、左もしくは右に寄って歩きましょう。
横切るときは、会釈するなどして、敬意を表すのもいいですね。
また、参道を歩いている最中は、なるべく駄弁(ムダ話)などせずに、奥に続く神聖なお宮に気を向けながら歩くと、なおいいですね。
まもなく、ずっと会いたかった神様にやっと会える、という神聖な気持ちで。
ステップ5.手水舎で御手水をする
お手水は、別名「手水舎(てみずや、ちょうずや)」と言われることもあります。
こちらは、鳥居の前にある場合、あるいは、鳥居を潜ってすぐ、お宮の前など、場所は神社によって異なります。
どこにあったとしても、意味は同じになります。
先ほど、「神社そのものは神聖な女性を見立てて作られている」というお話をしましたが、お手水は「濡らす」ことに当たります。
また、神社の境内(けいだい)は、〝聖なる空間〟でもあるので、「俗世界の穢れを清める」という意味があります。
このお手水、今でこそお手水になっていますが、いにしえでは、お手水などなく、自然の海や川などに入り、身を清めてからお参りしていました。
そのルーツを知ったうえで、自分の心身を祓い清める気持ちを込めて行うと良いですね。
具体的な流れは、以下になります。
- 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をすくって左手にかける
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手に水をかける
- 柄杓を右手に持ち替えて、左手で水を受け、その水で口をすすぐ
- 左手に水をかけて清める
- 柄杓を立てて柄に残りの水をつたわせて清め、もとの位置に戻す
このとき、やはり大事になるのが「イメージ」です。
お手水をしながら、心の中のネガティブなものがクリアになるのをイメージしてみてください。
視覚的には、黒いモヤがクリーニングされているところを想像するとわかりやすいと思います。
ステップ6.お宮で参拝する
いよいよ、お宮でのお参りです。
お宮とは、女性器でいうと「子宮」に当たります。
命が生まれる、神聖な場所です。
多くの人は、お賽銭を入れて、その場で手を合わせますが、じつは、必ずしも本殿や拝殿の目の前でなくてもいいのです。
人が多かったり、よくない感じを受けたりした場合は、参道や本殿の脇でお祈りしても大丈夫。
天を仰ぎ見て、神様と繋がっているのをイメージすることが大切です。
基本の参拝方法
- 拝殿に来たら、軽く一礼する
- お賽銭をそっと静かに入れる
- 鈴があれば鳴らす
- 二礼二拍手一礼(神社により異なる)
心を静め、呼吸を深くしてから、2回深いお辞儀をします。
手を合わせ、一呼吸おいてから両手を少しだけ斜めにずらし、パンパン!と、よく響くように2回柏手(かしわで)を打ってお祈りしましょう。
最初に神様の名前をお呼びし、次に自分の名前と、どこで何をしているかを伝えます(心の中で大丈夫)。
ここで、ほとんどの人は、ただお願い事をするのですが、〝本物の神社参拝〟の方法を知っているあなたは、少し違います。
まず、日頃、休まず、弛(たゆ)まず、お働きになり、わたしたちみんなのことをお守りくださっている神様に対して、心からの感謝の気持ちをお伝えします。
それから、もしも、願い事がある場合は、かしこみ、慎みの気持ちを持って、お願いするといいでしょう。
ただし、大切なのは、個人的なお願いよりも、
「人々の役に立てるような人間になれますように導いてください」
「どうか、関わるすべての人がしあわせになっていただけますように」
など、大義を持ったお願い事だと、最高のお願いですね。
そして、最後の最後に、個人的なお願い事があれば、
「どうか、あわよくば…」
とお願いしてみるといいですね。
そして、最後は「かむながらたまちはえませ(あとはすべて神様にお任せしますので、どうか良きようにお取計(おとりはから)いくださいませ)」と言って締めくくります。
1回深いお辞儀をして、一歩足を後ろに引いて下がってから、振り返りましょう。
お賽銭について詳しくは、
5円10円入れてない?正しいお賽銭の作法とマナー
お願い事については、
「神社で願い事をしてはいけない」は嘘!叶う・叶わない願い事の違いとは
を、参考にしてください。
ちなみに、「かむながらたまちはえませ」は、いにしえの日本で、わたしたちのご先祖さまたちが日常的に使っていた言霊(ことだま)です。
意味としては、似ている言葉として「人事を尽くして天命を待つ」に当たります。
なにもかも全て神様任せで無責任に生きる、という意味ではありません。
自分で出来ることは最善を尽くして、その上で、あとは結果がどうなろうとも、神様にお任せしますから、どうか良きように導いてください。
どうなろうとも、甘んじて受け入れ、それを糧(かて)に、さらに精進していきます、という意味合いのほうが適切です。
そして、何よりも「かむながらたまちはえませ」という音霊(おとだま)の響き、波動がとても重要です。
「かむながらたまちはへませ」と声に出して唱えていると、明らかに自分の状態が良くなっていくことがわかります。
そして、古くから日本人は、そのような「かむながらの精神」で生きることを〝かむながらの道〟つまり〝神道〟と呼びました。
神社参拝に適した時間
橋本ユリ
神社参拝の方法、勉強になりましたね。続いて参拝時間についての疑問を解消しましょう。
神社参拝は、夜に行ってはダメ!と言われているのを聞いたことがありますか?
夜に参拝するのは神様に失礼に当たる、
神様がいらっしゃらない時間がある、
良くないものが増える時間帯だから・・・
など理由は様々ですが、基本的に夜の参拝は、あまりオススメとは言えません。
もちろん、夜の参拝は縁起が悪いから避けた方が良い、という訳ではありません。
しかし、多くの場合、夜の神社や池などには、あまり近づかないことをオススメします。
夜は特に、それらの霊的存在が集まってきやすい、と言われています。
もし、神社参拝で、功徳やご利益を得たい、と思われるなら、最適な時間があります。
そう、神社参拝に最も適した時間帯は「午前中」です。
とくに、午前の中でも早朝の時間帯であれば、日の出によって浄化された新しく清らかな空気が境内に満ちみち、その静かな空気に触れながら落ち着いて参拝することができます。
どの時間にも共通して、参拝者が少ない時間帯に神社へ訪れると、その神社の純粋な状態に触れることができるので、より功徳やご利益を受け取れるようになるでしょう。
ちなみに、この午前中の参拝が良いと言うのは、陰陽道の考え方からも言えます。
陰陽道とは、日本で独自に発展した、非常に優れた古代の自然科学思想のひとつ。
現代のイメージでは、(厳密には違いますが)占い師に近い存在のように思えますが、れっきとした職業であり、国の権力者によって、厳格に管理していた学問でした。
この陰陽道は、明治維新前後に、西洋的な思想が流れ込んできた中で、廃止されなくなってしまいましたが、神道はこの陰陽道と影響を与えあった存在です。
陰陽道では、午前中は「陽」のパワーにあたり、この「陽」のパワーは、まるで春に草花がいっせいに芽吹くように、発展的な気が満ち溢れている時間帯。
神社の境内も明るくさわやかなエネルギーで満たされるのです。
逆に夜は「陰」のパワーが強くなる時間帯。悪いエネルギーと言う訳ではありませんが、「陰」は静寂のパワーとされているので祈りには向かない時間帯です。具体的には18時から午前0時の間ですね。
夜、神社に参拝したいと言う場合は境内に入らず鳥居の外から参拝するのが良いとされています。帰り道に神社がある場合などは鳥居の外などから手を合わせるだけで十分気持ちが伝わることでしょう。
神社参拝のお賽銭のお金
橋本ユリ
参拝した時にお賽銭をあげますよね。
私はいつも「良いご縁がありますように」と願いを込めて5円玉を入れているのですが、お賽銭の額にも意味があるのでしょうか。それとも、日本人の得意な言葉遊びなのでしょうか?」
私はいつも「良いご縁がありますように」と願いを込めて5円玉を入れているのですが、お賽銭の額にも意味があるのでしょうか。それとも、日本人の得意な言葉遊びなのでしょうか?」
神社のお賽銭、いくらあげるのか迷ってしまいますよね。たまたまその時お財布の中にある小銭をあげる、特に決めていないと言う方も多いでしょう。
お賽銭の金額に特に決まりはありませんが、紙幣の方が硬貨よりも気持ちを込めやすいとされています。
特に、今の自分にとって「ちょっと痛い!けれどこれでどうか開運の手助けをお願いします!」と思える金額が最適。1000円、5000円と人によって金額は異なりますが、「神様の元へ思いが届くのならこのくらいは!」と思い切るくらいの金額がちょうど良いでしょう。
紙幣を使う場合は、他人の手に渡っていない新札が良いと言うことも覚えておきましょう。
新品の紙幣に思いを込めて奉納しましょう。
生理の時の神社参拝はどうなの?
最近は女性を中心に御朱印集めが流行していますよね。皆さんの中にも以前より神社に参拝する回数が増えた、と言う方もいらっしゃるでしょう。
神社に参拝するようになると色んな言い伝えを耳にします。「女性は生理の時に神社に参拝してはいけない」と言うのもそのひとつ。子供の頃からそう教えられたと言う意見もありますね。
この「生理の時に参拝は控えるべき」と言うのは正しい面もありますが、一方で少し誇張された表現でもあります。
結論から言うと、生理中に普通に参拝するのは問題ありません。禁止されてもいませんし、縁起が悪いわけでもありません。
しかし、神社で最も神聖な本殿へと上がるのは控えた方が良いとされています。
神社にいらっしゃる巫女さんたちも、生理中は本殿へは足を踏み入れなかったりお神楽には参加しないなどの気遣いがあるんですよ。
生理中に足を踏み入れない方が良い場所がある、と言われるとなんとなく「不公平だな」なんて思ってしまいませんか。「生理は大切なものなのに」と反発を覚える方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はこれ、男尊女卑や不公平とは真逆の、女性を大切に思う神道だからこそこうなったと言う経緯があるんです。
神様にお会いする前に「穢」を落とす、と言う話を先ほどしましたね。鳥居や手水舎での御手水がその役割を果たしています。
この「穢」、実は「気枯れ」と同じ意味だとされています。「気」が「枯れる」、すなわち元気のない疲れた状態になることを表します。
生理の時は万全の体調とは言えませんよね。そんな「気枯れ」た状態でわざわざ参拝するよりも、元気な時に参拝をすれば良いですよ、と言う意味で「生理の時に参拝してはいけない」と言われるようになったとされています。
巫女さんたちが聖域に入らない、神楽を行わないのも全て女性の身体を気遣ってのことなのです。
現代では生理中に体調を整えるお薬もありますし、昔と比べて交通の便も遥かに良くなっています。何時間も歩いて参拝に出かけていた頃とは違いますよね。
ですから神社に行くのは控えなければいけない、なんてことはありません。ただ、巫女さんたちにならって本殿への昇殿は見送った方が良いでしょう。
喪中の神社参拝はどうなの?
もう一つ、神社に参拝してはいけないと言われる期間が「喪中」です。こちらも耳にしたことのある方が多いでしょう。
「喪中」とは、身内が亡くなってから約1年の間、故人を偲んで残された家族の心の回復を図る期間のこと。身内でも自分との関係によって喪に服す期間が異なります。
この「喪中」に神社に参拝してはいけないと言うのは、正確に言うと間違い。神社を訪れてはいけないのは「喪中」ではなく「忌中(きちゅう)」と呼ばれる期間の間だけなのです。
この「忌中」は神道の考え方で、身内が亡くなってから50日間を指します。その昔この忌中の間は家に篭り、人との接触を避け亡くなった身内の冥福を祈る期間でした。
今現在は全く外に出ないわけにはいきませんが、結婚式などのお祝い事や神社への参拝は避けるべきとされています。
ご自宅に神棚を設置している方でもこの忌中の期間は神棚に半紙などをかけ、日々の習慣であってもお祈りをしたり、手を合わせたりするのも避けるのが正解です。
神道において「死」は「穢」と考えられています。この「穢」も先程と同じ、「気枯れ」を元にした言葉。近しい身内が亡くなってパワーを削られない人などいませんよね。
この「気枯れ」を神様は嫌うので、半紙で遮ったり、祈ったりしないことで距離を置く必要があります。この忌中の期間の50日だけ、神社への参拝は避けましょう。
忌中が明け、約1年間続く「喪中」に入ったら神社へ参拝しても大丈夫です。
雨の日の神社参拝はどうなの?
橋本ユリ
御神水に手水舎、境内に池があったり川が流れていたり、湧き水が流れ込んでいたりと神社と水は切っても切れない関係の様に思えますよね。
空から水が降り注ぐ「雨の日」に神社を参拝するのは良いことに思えるのですが本当のところはどうなのでしょうか?
空から水が降り注ぐ「雨の日」に神社を参拝するのは良いことに思えるのですが本当のところはどうなのでしょうか?
雨の日の参拝については賛否両論があります。
手水舎があるように水には穢を取り払う力があるりますよね。
そのため、天から降り注ぐ雨によって穢が取り払われる「禊の雨」と考えることができます。一方で、陰陽道の視点で見ると雨の日は夜と同じ「陰」のエネルギーを持つ日なので神社への参拝はおすすめしないとの見方もあります。
雨の日の参拝に関しては、どちらが正しくてどちらが誤っていると言うことはなく、自分の感覚に従うのが吉。例え雨の日であっても「今日参拝したい」と感じるのなら、土地や神様に呼ばれている証拠ですからぜひ出かけましょう。
反対に「今日は雨の日だから止めておこう」と思ったのならまた次の機会に参拝すれば良いのです。
まとめ.大切なのは神様への熱い思い
橋本ユリ
今回は神社参拝にまつわる基本マナーから、誰もが感じる疑問までをご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
いかがだったでしょうか?
細やかなマナーや決まり事もありますが、全ては神様に対する「熱い思い」と「心遣い」から生まれたもの。
昔から日本人の心を支えてきた神様のことを思えばこそ、しっかりと正しい方法で参拝しようと自然に思えるはずです。
正しい方法で参拝ができるようになれば、神社に参拝するご利益を強く感じられるようになるでしょう。
神社参拝に訪れる際には、ぜひ一度きちんと手順を思い出し、感謝の気持ちを忘れずに祈りを捧げましょう。
この記事をまとめた人
- 神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)
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