日本最古の神話『ホツマツタエ』の教え【Road to ISE Final vol.8.5】
あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。
「Road to ISE Final」
今回は2017年の伊勢参拝セミナーから一部をお届けしていきます。
前回までの記事はコチラ↓
★破られる日本の結界 ROAD to ISE FINAL vol1
★封印された歴史!伊勢と天照大神の謎 Road to ISE Final vol.2
★『かごめかごめ』と伊勢神宮の秘密とは!?Road to ISE Final vol.3
★天照大神の象徴・太陽に隠された功徳とは?【Road to ISE Final vol.4】
★ホツマツタヱ・セオリツヒメの教え【Road to ISE Final vol.5】
★伊勢 外宮の神様からひも解く霊的覚醒の秘訣【Road to ISE Final vol.6】
★究極の開運法「食は運命を左右する」ちこ【Road to ISE Final vol.7】
★伊勢神宮と白山ひめ神社の秘密【Road to ISE Final vol.8】
目次一覧
お伊勢さんの功徳とは?
毎年12月になると伊勢神宮のセミナーを行うのが、私達には恒例になっています。
自分が天命の道を歩む、まさに道を歩んでいく時に、大元からズレる、根本からズレている時に糺す神がお伊勢さんなのです。
例えば、功徳という面に関して言うと、目に見えてハッキリすぐ結果が出た方も中にはいらっしゃいます。
しかし、どちらかと言うと、直ぐに結果が出るよりは、後々振り返った時に、何かすごく自分の人生に影響を与えていたんだな、と分かるのが伊勢の神の導きです。
太陽の周期はだいたい10年です。
昔から、お伊勢さんは10年スパンで、その人が天命や、世のため、国のため、日本のために生きる道を糺すというお導きだと言われています。
そもそも伊勢とはどういう土地・場所なのかを表しているのが「伊勢の道」・「鈴明(すずか)の道」です。
実は、元々この辺りの土地の名前は伊勢ではなくて、この辺りをザックリとまとめて全て伊勢なんですよ。
いわゆる“伊勢”の中に伊勢市はもちろんあるんですけど、鳥羽や宇治山田、志摩の国もあって、伊勢という名前は、実は後から付いたのではないかという話があります。
「伊勢」に隠れている“本当の幸せ”の意味
実はこの“伊勢”というのは、元々の語源では、「妹背(いせ)」と書いて、“夫婦”という意味なんですよ。
「妹背(いせ)」の〝妹(い)〟が、妹(いもうと)の「いも」。
「妹背(いせ)」の〝背(せ)〟が「おせ」と言って、男性のことなんですよ。
伊勢というのは、妹背(いもおせ)です。
つまり、女性と男性なんですね。
要は夫婦和合、夫婦仲睦まじく2人でやっていく道が、実は伊勢の道なのです。
実は日本の神話のホツマツタエという神話の中に「伊勢の道」が説かれています。
ホツマツタエ 伊勢の道
<原文>
いせおこふ かすかとくなり
いもをせは やもよろうちの
わかちなく みなあめつちの
のりそなふ きみはあまてる
つきひなり くにかみはその
くにのてり たみもつきひそ
<訳文>
カスガは質問に答えて講義を始めると、参集した誰もが、男と女の深遠な意味合いに引き込まれて時の経つのを忘れて聞き入ってしまいました。
妹背(いもおせ)の道は、八百万国民(やおよろたみ)の貴賎の別なく、皆天地の法則に従い平等に備わっています。
中心に坐す君は中宮と共に天下を隈無く照らす日月です。
意味が分からないかもしれませんが、簡単に言うと、例えば、王様が太陽とすれば、それを照らす家臣(かしん)や民たちは月に当たる、ということなのです。
夫婦関係も同じで、一方が太陽とすれば、もう一方が月に当たります。
太陽と月のどちらになるのかは、状況や場合によって変わってきます。
例えば、師弟関係では、「師匠が太陽で、弟子が月」という感じで、「師匠が照らして、弟子が照らされる」となるでしょう。
でも、時には弟子が前に出て輝いている時や、師匠が後ろに引っ込んで隠れて輝いている場合だったら、逆になりますよね。
このように、「師弟」「仲間」「夫婦関係」といった「陰と陽」「プラスとマイナス」「表と裏」という相反する二つのエネルギーが力を合わせて協力してやっていく道のことを「妹背(いもおせ)の道」と言うんですね。
(瑠璃の星☆彡より掲載)
伊勢とはまさに名前が示す通り、「パートナーシップ」「夫婦関係」「仲間との関係」を学ぶ場所なんです。
私も過去の参拝セミナーの振り返りを行なっていて、やっぱり毎年のエネルギー・空気感が違うのを、本当に思い出しながら聞いていました。
その中で言っていましたが、「本当の幸せ」とは何かということなんですよね。
「力ではないよ」みたいなことを昔の自分が言っていましたが、例えば、たくさんお金を手にすることは悪いことではないんですけども、一人でお金を手にして、一人で贅沢に美味しいもの食べて、それで幸せではないんですよね。
仲間や友達やパートナーと分かち合ってこそなんですよ。
幸せは自分で独占するものではなくて、分かち合ってこそ、ということなんですが、まさにそれが「伊勢の道」なんですね。
夫婦で、仲間同士で、師弟で、幸せを分かち合うことです。
そういう意味では、私は今まで北極老人から占いを教わってきて、ずっと一人で実践してきました。
それを相原君に伝えて、実践してもらっています。
今までのセミナーでは、こうして私が北極流一門として前に立って喋っていたという感じでしたけれども、相原君にも前に立って喋ってもらっているという意味では、それが伊勢の道だと思っています。
だからそうやって、仲間と、夫婦と、誰かと、力を合わせて協力して幸せを作っていく道、人を幸せにしていく道、世の中を繁栄発展に導いていく道というのが、まさに伊勢の道であるということなんですね。
古事記よりも古い?ホツマツタエ神話
では、どうしたら良いのでしょうか?
それがホツマツタエという本の中に書いてあります。
「ホツマツタエとは一体何だろうか?」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
日本の神話で有名なのが、古事記という神話なんですけど、実は古事記よりもっと古いのではないのかと言われているのが、このホツマツタエという神話なのです。
例えば、古事記は全部漢字で書かれています。
漢字は中国から入って来ていますが、漢字が入ってくる以前にも文字があったのではないかと言われていて、漢字が入ってくる以前の古代文字で書かれているのが、ホツマツタエという文献なのです。
ホツマツタエに関してはほとんど本が出ていないのですが、ホツマツタエのことを学びたかったら若干オススメなのが、「はじめてのホツマツタエ」という書籍ですね。
これはホツマツタエの本としては一番分かり易いと思います。
ちなみに、時系列がバラバラなのでストーリーも転々として読みにくいのですが、「神話としては、実は古い歴史があるのではないか」という面と「いや、これは偽書だ。江戸時代に書かれている」と言う方もいらっしゃいます。
でも、江戸時代に書かれているわりには「なんでこんなことが分かるんだろうか?」みたいなこともたくさん書かれています。
元々縄文から伝わっているような神話がありつつも、江戸時代に書き換えたり、加えられているところもあるのでしょう。
その中に「伊勢の道」という章があります。
この伊勢の道の冒頭部が、先ほどの「ホツマツタエ 伊勢の道」です。
カルマを積んでしまう生き方とは?
もう1つ大事なのが「鈴明(すずか)の道」なんですね。
つまり、人生幸せになっていくために、より誰かを幸せにしていくために大事なことが「伊勢の道」で、夫婦和合の道、仲間と和合していく道、陰陽和合の道と、もう1つが「鈴明(すずあか)の道」なんですね。
この「鈴明の道」とは、涼しく明るい道です。
涼しく明るい人生を歩むことの反対が、暗く重い道です。
そういう人生を歩まないようにするために、涼しく明るい道を歩むためにはどうしたら良いのでしょうか?
相原君のパートで紹介した、過去の伊勢セミナーで私が話していた「カルマが溜まると別人格を形成する」という話です。
例えば、分かり易く言いますと、言いたいことを言わない、本音を言わないことです。
自分はこうしたいな、ああしたいな、本当はこれ嫌だなと思っていることがあったとします。
でも、例えば、八方美人的に無理に自分の本音を押し込めて、我慢して、嫌々、隠しつつ、表面では笑顔を作りつつ、にこやかに対応しつつも、ただ言いたいことを言っていない、やりたいことをやっていないのです。
こういう人生はカルマを積みます。
腹に抱えている自分がいるから、だんだんと「作っている自分」と「本音の自分」の区別が分からなくなっていって、別人格を形成し出します。
別人格か自分の人格かが分からなくなっていくことで、天命ややりたいこと、自分の心の潜在意識の本音などが、分からなくなっていくのです。
よくある話なんですが、良い人の方が不運だったり、空気がどよーんと重いといったことがあるんです。
それは我慢し過ぎなんですよ。
我慢し過ぎて、腹にいっぱいものを抱えているから本音が見えなくなってしまうのです。
これは鈴明(すずあか)ではなくて、鈴暗(すずくら)の道なんですよ。
だから、涼しく明るい道歩んでいこう、本音で嘘偽りない本当の自分で生きていきましょう、というのが「鈴明の道」なんですよね。
カルマを積まない生き方とは?
鈴明の道とは、カルマを積まない生き方なんですよ。
人に迷惑をかけない、人を誰も不幸にしていない、でも自分も幸せに生きていることが「鈴明の道」なんですよね。
自分は誰かを幸せにしている、かつ、人に迷惑をかけていない、カルマ積んでいない、悪いことをしていない、でも本音にも正直に生きていることが、鈴明の道という状態なんです。
「では、どうしたらそんな鈴明の人生が歩めますか?」が、ホツマツタエの中で書かれているのです。
ホツマツタエ 鈴明の道
<原文>
こすゑおもふに いましめの
なけれはみたる はたれまの
たからあつめて すゑきゆる
これすすくらそ いきのうち
ほしおはなるる これはすすかそ
<訳文>
子孫の繁栄を思えばこそ、夫妻に奢る心の戒めが必要で、もし無ければ生活を乱して一家離散の憂き目を見ます。
仮にハタレ(邪気)魔のように財宝を集めても末路は消滅する運命となる如く、これを称してスズクラ(鈴暗)と言います。
人生は生なる内に我欲を離れて過ごせる様になれば、これをスズカ(鈴明・鈴鹿)と言います。
つまり、我欲を離れなさいと言っているんですよ。
涼しく明るい道に生きようと思ったら、欲を離れて生きなさいよということです。
少しぐらいあっても良いかもしれませんが、欲望丸出しで生きてはいけませんよ。
でも、それは誰かの幸せに貢献し、誰かを幸せにするための欲望であって、良い車乗りたい、良い時計持ちたい、良い家住みたい、たまに旅行行きたい、というのはあっても良いのです。
しかし、それはあくまでも誰かを幸せにするための蓄えとして持つのであって、自分のためと言ったら、これは鈴暗の道になっちゃうよ、だから気を付けましょうね、とホツマツタエでは説かれているのです。
まさにこのあたりの土地の名前は、鈴鹿・伊勢です。
だから、ここに来ることはまさに「鈴明の道」と「伊勢の道」を学びに来るんだ、と言っているんです。
伊勢に吹く神風
それを言っている「ホツマツタエ 神風の伊勢」という章があります。
<原文>
このみちお まなふところは
かんかせの いせのくになり
ちちひめも のちにはいせの
をんかみに つかゑすすかの
みちおゑて いせとあわちの
なかのほら すすかのかみと
はこねかみ むかふいもをせ
ほしおさる すすかのをしゑ
ををいなるかな
と書いてあります。
意味が分からないと思いますので、簡単に言いましょう。
つまり、「伊勢の道」「鈴鹿の道」は、伊勢の土地を中心にして広まっていったのだと言っているのです。
この伊勢から、日本が繁栄発展していく、みんなが幸せになっていく道、伊勢の道・鈴明の道が広まっていったから、この国のことを神風の吹く伊勢と言うのだそうです。
昔から和歌を詠む時に、「枕詞(まくらことば)」というのがあります。
“伊勢”には“神風の”という枕詞が付くことが多いのですが、「何をもって神風なのか?」ですよね。
それは伊勢の土地から「鈴明の道」の教えと「伊勢の道」の教えが広がっていったことなんです。
お伊勢さんの真の功徳とは?
伊勢の功徳とは何でしょうか?
これは色々あります。
例えば、太陽神界には、太陽光線エネルギーがあります。
自分が明るく前向きに発展的に成長していく道、これもまさに太陽神界の功徳です。
でも、そのために大事なのは「伊勢の道」ですよ。
夫婦、パートナー、仲間との協力があってこそです。
一緒にいるけど、一致団結してなくてバラバラ、現実的には上手くいっているかもしれないけども、一体感を感じれていないなど、お互いに何か腹に抱えていて本音を打ち明けられてないのは「伊勢の道」ではないのです。
「向いている方向がバラバラですよ」と一致団結できていないことを糺されるんですよね。
私達も伊勢神宮参拝セミナーを毎年やっていますが、何か色々と事件が起こるんですよ。
この事件というのは、別にネガティブなものではないんですが、何か起こるんです。
その中には「一致団結してないよ」ということがあるんですね。
自分たち的には、もちろんやっているつもりだったとしても、神様・潜在意識・無意識から見た時に、きちんと出来ていなかったことは多くあるんです。
この時、鈴明の道ですよね。
我欲に偏っている時、自己中心的になっている時、糺されることが起こるのです。
2016年の伊勢セミナーでも、親鸞聖人(しんらんしょうにん)の話をしていました。
「私が」「私の」「自分はこうだ」と可能性を限定するなと言っていました。
「私はあくまでもこうなんだ」というのはエゴ・我欲なんです。
これが鈴暗の道に当たるんですね。
だから、自分が我欲に走っている、仲間やパートナー、友達を見れていない時に、「きちんと見ないといけない」「それはズレているよ」と道を糺してくれるのが伊勢の神の導きで、それこそがまさに“伊勢の神風“です。
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この記事をまとめた人
- 2人の娘を持つ父親。ゆにわ塾歴3年。ゆにわと出会って、娘との関係が激変しました。神社chの記事を読んでくださる方々が、羽賀さんやゆにわのみなさんの温かみを感じられるような素敵なサイトにしていけたらと思っています。
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