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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
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精神年齢が低い人の見分け方 空海の思想

2022年11月19日 2022年12月01日

あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回のテーマは「精神年齢が低い人の見分け方」をお送りいたします。

橋本ユリ
羽賀さーん。

私、年の割に子どもっぽいって言われるんです。

これって、精神年齢が低いってことですか?


羽賀ヒカル
そうですね。

占い師として言うと、少し違うんです。

今回は、運命学、神道、日本仏教の観点から『精神年齢が高い人と低い人』は、ここが決定的に違う!ということをお伝えしたいと思います。


比叡山延暦寺での悟り方


先日、私たちは、比叡山へ団体参拝に行って参りました。

比叡山は、もともと聖地として日本人から愛され崇敬を受けてきた山です。


伝教大師・最澄さんが

「志を持てば誰でも悟りを開くことができる」

「人は誰でも仏になれる」(※注1)

そういう思想に基づいて、比叡山延暦寺を開きました。

※注1:「人は誰でも仏になれる」
これを「一乗の思想」と言います。

この山は、もともと大和言葉~ひらがなで「ひえの山」と呼ばれていて、のちに「比叡山」と漢字で書かれるようになりました。

叡智の「叡」という漢字になったのですが、これは谷と目という漢字が融合しています。


この「叡」の字にはどのような意味があるのでしょうか?

「深い谷をかき分けて真理を見通す目」

深い深い谷の中をかき分けるかのごとく、ずっと真理を探求し、物事の真相・真実を見極める力です。

実際に比叡山延暦寺のお坊さんは修行の過程を経て、谷底の中から真理を見つけ出すかのように悟りを開かれました。


そして、そこで育ったお坊さんたち、例えば道元さん、親鸞さん、法然さん、日蓮さん…

そういうお坊さんたちが日本独自の仏教、多くの方たちを幸せにしていく仏教思想を作っていきました。

負の側面もありますが、今でも私たちの中に根付く考え方の多くが、比叡山延暦寺から生まれたのです。

空海が説いた心のステージ


さて、今回のテーマは精神年齢です。

やはり「どれだけ真理を知っているか」が大きく関わってくると思います。

そこで、今回紹介したいのは空海さんの思想です。


十住心論と言って、人間の心には十のステージがあると考えました。

普通に生活をしていたら、小さなことで苛立ってしまったり、ついつい人の気持ちを無視して自分勝手になってしまったり、自分のエゴを押し付けてしまったり…

そんなことがありますよね。

もしくは、自分の家族や友だちや職場の人間関係の中に、「精神年齢が低いのでは?」と思う人がいて、関わり方を迷っている、悩んでいることもあるでしょう。

このブログをご覧になっている方は多分、自分自身がもっともっと精神的なステージを上げていきたいという方が多いと思います。


では、自分自身の精神年齢を上げていくにはどうすれば良いのでしょうか?

また、精神年齢が低い人たちとどう関わっていけば良いのかについてのヒントをお伝えすることができればと思います。


空海さんが生きた、今から1200年ほど前の時代にも、おそらく私たちが抱えるような悩みはあったと思います。

その答えを、空海さんは「十住心論」という本の中で示しました。

「なぜ神社チャンネルで空海さんなのか?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

確かに、空海さんは中国に留学し、真言密教・仏教の思想を日本に持って帰ってきた人物です。


ただ、根底にあるのは神道の思想です。

それは最澄さんも同じです。

日本人の中に、連綿と脈々と縄文の時代から続いている一つの思想があります。

それを今、私達は神道という名で呼んでいますが、当時は神道という言葉がそこまで定着したものではなかったと思います。


でも、日本古来の思想をベースにしながら、そこに仏教という思想を上乗せしたのです。

そして、日本仏教~真言密教、真言宗を空海さんは高野山金剛峯寺で開いたとのことです。

先ほど、空海さんの思想は、日本古来の思想をベースに作られたものだとお伝えしましたが、日本の風土は、様々な宗教・思想・考え方を一つに統合し、より日本流に仕上げていくところがあると思います。

上下(うえした)でなく、それぞれの良いところを生かし合うのが、日本仏教の特徴だと思います。

思想と心のステージの関係


では、十住心論が実際どういう教えなのかを見ていきましょう。


下から
異生羝羊心(いせいていようしん)
愚童持斎心(ぐどうじざいしん)
嬰童無畏心(えいどうむいしん)
唯蘊無我心(ゆいうんむがしん)


心のステージが十段階に分かれていますが、空海さんは心のステージがそれぞれの思想と対応していると考えています。

結論から言うと、この分類には「空海さんのパフォーマンス」が含まれていると思います。

十段階のステージがある中で、最も高いステージに導くのが真言密教だと言います。

自分の思想を一番高いところに置いたのです。

そして、最澄さんの思想・天台宗は第八番目のところに位置づけています。

実際はやはり、空海さんの一つの方便、ものの例え、パフォーマンスであると理解した方が良いかと思います。


思想はどちらが上、どちらが優れているというものはなく、やはり一長一短あります。

だから、どちらが上下(うえした)ではないと思います。

しかし、ここでは儒教は非常に下の方になってしまうんですね。

私も儒教の研究をしてきましたが、儒教は儒教で、素晴らしいところがあります。

第三番目が道教で、これにも優れたところがあるんですね。

空海が考えた心のステージは、どんなもの?


今回のテーマは「精神年齢が低い人とは、一体どういう人なのか?」です。

それはずばり、一番下の「異生羝羊心(いせいていようしん)」という心のあり方です。

この異生羝羊心には、「羊の心」という漢字が入っています。

皆様は羊と聞くとどのようなイメージを持たれますか?


羊には、実は特徴があるんですね。

ずっと引っ張っていく羊飼いがいなければ、羊は道に迷ってしまうのです。

だから、羊飼いの代わりに、ヤギや犬が羊を先導する役割を担うこともあったそうです。

羊だけだと群れになってどこに行くか分かりません。

だから、まさに道に迷っている方々、どこに向かって良いか分からない方々が、今回のテーマ「精神年齢が低い人」になります。


そこよりも一つ上のステージに上がると「愚童持斎心(ぐどうじさいしん)」になります。

「愚かな童」と書いて、愚かですが「持斎心」~戒めを守っていこうと、善なる心が芽生えている段階と言われています。


これは儒教の教えですね。

「仁・義・礼・智・信をしっかり守っていこう」「世のため、人のために生きて行こう」という心が芽生えている人達です。

そうやって、戒めを持ちながら自分の心をコントロールしようとします。

だから、一番目と二番目では全然違うんですね。


そして、三番目は恐れがない「無畏心(むいしん)」です。

この「恐れなく生きる」「とらわれなく生きる」のは老荘思想やインド思想のテーマの一つになります。


ここから仏教思想に入ってきて、四番目は「声聞(しょうもん)」で、より良い真理の教えを聞いて学んでいきたい「無我心」ですね。


五番目は、「縁覚(えんがく)」で、より成長し世のため人のために貢献していきたい心が芽生え、悟りを開く「抜業因種心(ばつごういんしゅしん)」

そして、六番目以降はステージの違いというよりは、悟りの種類の違いと私は捉えております。

最低のステージの人とは・・・


難しい話はここまでにします。

今回のテーマは「精神年齢が低い人の見分け方」なので、異生羝羊心は一体どういう心の状態なのかをお伝えしていきたいと思います。

キリスト教で言う「迷える子羊たちよ」という言葉が面白いです。

そのように迷っている人たちをイエスキリストは導いたんですね。


そういう意味で、キリストは先ほどのヤギの役割を果たしたとも言えます。

そして、異生羝羊心(いせいていようしん)とは、仏教思想で言う「三毒」に侵された人達だと言えます。

三毒とは「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」の三つを言います。

三つの毒は、それぞれに冒される体のパーツがあるのです。

貪(とん)



これはお腹に溜まる悪いエネルギーです。

「貪」とは「むさぼる」と書いて、執着のことを言います。

例えば、「お金が欲しい、欲しい、欲しい、欲しい・・・」、もしくは「恋人と付き合いたいな」「結婚できたらそれだけで幸せになれるのではないかなー」といった、自分の欲望や執着で頭の中がいっぱいの人です。

これは三毒のうちの「貪」に冒されている状態と言えます。


周りにそういう人はいますか?

でも、自分自身もついついそのようになる時がありますよね。

執着しているつもりがなかったとしても、ものが手放せない、人に対して自分の正論をついつい押し付けてしまうことはないでしょうか?

それも一種の執着心で、三毒の中の「貪」に冒されている状態です。

瞋(じん)



これはハートの辺りに溜まる悪いエネルギーです。

イライラする、ムシャクシャするといった、ネガティブな感情に侵されている状態です。

ずーっとイライラしてる人は精神年齢が低いですよね。

また、イライラだけではなくて、過剰な感情も「瞋」です。

例えば、ずっと浮かれ気分の人はやがて、ずーんと落ち込むんですね。


精神年齢が高い人は、どちらかというと感情がフラットです。

時には怒る時もあるでしょう。

でも、怒る時も「よし、怒るぞ」と自分で決めて怒っている訳で、イライラが主ではなく、自分の思いや意志が主体となって、感情をコントロールしている状態になっています。

痴(ち)



痴呆の「痴」と書いて、これは頭のエネルギーです。

痴の状態は「分からない、分からない」という状態です。

中には最初から分かることを放棄してしまっている方がいます。


セミナーでも同じですね。

「ちょっと言ってること、なんか分かんないですけどー!」みたいな質問なら良いんですよ、

「ここまでは分かりました。でも、この辺りが分かりにくかったので、説明してもらえますか?」

それなら「あーこの辺りが分かりにくかったんですね。これはこうですね」と私も説明できます。


ただ、分からないというのは、実は分かりたくないんですよ。

それは自ら分かろうとすることを放棄しています。

でも、人生も分からないことだらけなんですよね。

「どんな仕事を選んで良いか分かりません」

「どんな人と付き合って良いか分かりません」


その分からない中で、分からないと言って逃げるのではなくて、

「よし、仮に失敗したとしてもやってみよう」

「よし、仮に付き合う人を間違ったとしても、それも学びに変えていこう」という、

分からない中でも行動して、失敗したことを自分の責任と捉え改善していくのが大人です。


「分からないからできない」「分からない、分からない」と言うのは痴の状態ですね。

それを言い出すと分からないことだらけで、分かって何か物事をしても失敗することもあります。

この三毒に冒されると、羊のように人生が見えなくなる、迷いが生じるということです。

周りの人が、三毒の状態だったら・・・


だから、今この話を聞いた方が「あー自分もネガティブなものに侵されていたな」と気づく事も大事なんですが・・・

では、自分の周りにいる方が、羝羊心という状態だったら、一体どうしたら良いのでしょうか?

羝羊心とは、まさに「低い心」で、エネルギーを上げてもらうことが大事です。

では、エネルギーを上げるとは一体、何でしょうか?

それはその人の幸せを祈る・願うことです。


「この人は嫌な人だから」「この人は苦手な人だから」「嫌い、嫌い」と思うのもまた、自分の中にある一種の羝羊心です。

そんな人の幸せすらも祈ってみて、幸せをイメージしてみることを、是非やっていただけたらと思います。


今回は「精神年齢が低い人の見分け方」ということで、空海さんの仏教思想では「異生羝羊心(いせいていようしん)」であるとお伝えさせていただきました。

橋本ユリ
精神年齢が低いってことは、心のステージが低い、三毒がある人ってことなんですね!

私も迷える子羊になってる時があります~~。


羽賀ヒカル
そういう時は、エネルギーが落ちている時なんですよ。

それが続く時の、とっておきの方法。

それは、神社の神様から応援されて、エネルギーを分けてもらう事です!

その詳細は次の記事が参照になりますよ↓
神様に応援される人ってどんな人だろう?


あなたの参考になれば、非常に嬉しいです。

あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。

神社チャンネルのこちらのYouTubeバージョンもご覧ください↓


また、こういった個人の開運方法や、私たちの実践は、ゆにわ塾というコミュニティで発信していますので、ご覧になって頂けたらと思います。

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この記事をまとめた人

橋本ユリ
橋本ユリ
神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)

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これらの記事も合わせて読むと、開運の秘訣がわかります。

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