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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
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狛犬に隠された宇宙の神秘

2021年9月19日 2021年09月19日

東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回は「狛犬(こまいぬ)に隠された宇宙の神秘」についてお話をさせていただきます。

橋本ユリ
羽賀さん、私、神社参拝に行くと狛犬を見るのが楽しみなんです。

色々な狛犬がおられますね。


羽賀ヒカル
何気なく目にされている方も多いでしょうね。

実はこの狛犬は、とても歴史が古く、そこには色々な秘密が隠されているのです。


狛犬のルーツ


狛犬のルーツは、海外の影響という説が濃厚で、起源は今から5000年ほど前、古代エジプト紀元前約3000年であると言われています。

元々は一般的な狛犬のイメージよりも、ライオンのような風貌で狛獅子(こましし)と言った方が近いかもしれません。


古代エジプトにおいて、ライオンは神様を守るための生き物であり、神様の使いであるとされていました。

エジプトには、このライオンを形取った建造物があり、それが「スフィンクス」です。

スフィンクスは、古代エジプトにおいて神を守る象徴で、東へ伝わり、中国にまでやって来たのです。


当時の中国には、ライオンはあまりいなかったそうで、中国人にとっても、西の方にいる伝説の生き物だったようです。

そして、その伝説の生き物の置物などを作るようになり、それが奈良時代の日本に伝わってきます。

日本にはライオンはいませんから、当然、日本人はライオンを見たことがありません。

そこでその置物の形がどうも犬に似ているところから狛犬になったという流れではないかと想像されます。


今でこそ、ライオンと獅子のイメージは繋がりますが、当時の人たちは写真も画像もない時代ですから、「神様の使いで、神様を守る生き物がいるらしい、この置物はその存在を模ったもののようだ」と聞き伝い、神社の前に狛犬が祀られるようになったのではないでしょうか。


世界的に見ても、ライオンというのは「特別な生き物である」と言われていたようです。

例えば、ブッタの獅子吼(ししく)という言葉があり、お釈迦様を例えるのにも使われる生き物でした。

これは、ブッダ(お釈迦様)は、まるでライオンが吠えるように説法をしたことを例えた言葉です。

反論されても、物怖じすることなく正々堂々と吠え続けたその様は「まるでライオンが咆哮(ほうこう)するかのごとくであった」という話があります。


古代のエジプトやインドにいたとされているライオンが日本に伝わり、伝説の生き物となって狛獅子になり、最終的に日本で狛犬になったのです。

日本では、主に鎌倉もしくは江戸時代から、全国の神社やお寺において狛犬が祀られるようになりました。



狛犬が示すものとは?


狛犬は「あ・うん」というように、「口を開けている狛犬」と「口を閉じている狛犬」が対になって祀られています。

この「あ・うん」の意味することが狛犬のポイントになります。

実は、ここが狛犬の凄いところで、「あ・うん」とは、サンスクリット語における「宇宙の始まりと終わりを示す言葉」だということです。


日本では「あ・うん」と言われますが、サンスクリット語の起源で言うと「あ・うん」ではなくて「あーうん」だったと思われます。

「あーうん」の意味するのは、これは宇宙の始まりのめでたき音で、日本語的に解釈するとオウムなのではないかと思います。

オウムというと少し印象が悪いのですが、オウム真理教のオウムというのは、サンスクリット語の宇宙の始まりという言葉で使われており、それが日本に伝わって「あ・うん」になりました。


つまり、神社の門の前にいる狛犬とは、宇宙の始まりと終わりを示しているのです。

神社参拝の時、神様の門に入り狛犬の前を通ること、それは、宇宙の始まりと終わりに繋がるような神聖な儀式の象徴と言えます。


また、サンスクリット語で「あーうん」と言う真正な音の言葉が、西洋の方に伝わってアーメンになりました。

ちなみに、日本の古文献の一つ「ホツマツタエ」において、宇宙の始まりの音は「あうわ」で、何となくシンクロして共通していると感じるところがあります。

宇宙の始まりというのは、実際そういう音から始まったのかもしれないかもしれません。


狛犬が「あ」と「うん」の形をすることによって、私たちは宇宙の根源と繋がります。

神社参拝というのは、そんな神聖なる儀式だということです。

そんな思いを持って狛犬を眺めてみると、感じ方や神社参拝の心構えも変わってくるのではないでしょうか?


後に、狛犬は日本の独自の文化として発展していきましたが、狛犬以外にも神様の使いとなる動物がいます。

京都に大豊神社という神社があり、この神社では「狛鼠(こまねずみ)」「狛猿(こまざる)」「狛鳥(こまどり)」など、様々な動物の神様がいます。

私も何度か参拝させて頂いたことがありますが、色々な動物が神様となり、非常に面白い神社です。

音から読み解く狛犬


音的な解釈をすると、この狛(こま)という漢字自体は、中国語では色々な意味があり、「神様の使い」の意味を含んでいるという説もあります。

もう一つは、「海外の」や「外の国」などの意味があります。

ライオンが模られた造形物が中国に伝わった時、あまり見かけない海外の生き物だったことから、この漢字がつけられたという話もあります。

そこから日本に伝わり、「狛(こま)」という音が、「駒(こま)」の漢字と繋がったことで、「神様の使い」「神様の駒」として生き物の形態になっていきました。

そして、それらの様々な神様の使いが神社の中に建てられるようになったということです。

橋本ユリ
狛犬の「あ・うん」の口には、そんな壮大な意味があったのですね。

知らなかった・・・。


羽賀ヒカル
狛犬は宇宙の始まりであり、神社参拝は宇宙の根源に繋がるための儀式なのですね。


今回は「狛犬に隠された宇宙の神秘」というテーマでお伝えしました。

あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。


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この記事をまとめた人

やまちゃん
やまちゃん
2人の娘を持つ父親。ゆにわ塾歴3年。ゆにわと出会って、娘との関係が激変しました。神社chの記事を読んでくださる方々が、羽賀さんやゆにわのみなさんの温かみを感じられるような素敵なサイトにしていけたらと思っています。

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