神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

菊理媛(きくりひめ)

2017年8月5日

イザナギとイザナミの夫婦喧嘩を止めた神様。

全国に2700社以上もある白山神社の主祭神なのに、謎多いミステリアスな媛神(ひめがみ)です。

八百万の神様はそれぞれが独自のはたらきを持っていますが、キクリヒメのはたらきは「括る(ククル)・結ぶ(ムスブ)」。

これからの時代、世界中の国々がみんな結ばれた平和な地球になるのに重要な役割を持つ神様と言われています。

神話

キクリヒメにまつわるお話を、日本の歴史書である「日本書紀」、古文書である「ホツマツタエ」、祀られている白山の伝説よりご紹介します。

と言っても、有名な日本書紀では、ほんの一瞬しか登場しません。

「ああ~~。もっとあなたのことが知りたい!」と思わずにはいられない・・・罪な女神様です。

 

夫婦喧嘩を仲裁したうえ、褒められる!?その発言とは

では、どんな風にチラッとお出ましか、まず日本書紀をご紹介しましょう。


昔々、イザナギ神イザナミ女神は、夫婦の神様としてお生まれになりました。

高天原(タカアマハラ)の神様に託されて、仲良く日本の国を作り、たくさんの神々を生みます。

ところが、火の神カグツチを出産したとき、イザナミは大やけどを負って亡くなってしまったのです。

「イザナミ、愛しい妻よ! まだ国はできあがってないのに、なぜ死んでしまったのだー!」

イザナギは嘆き悲しみ、愛する妻を忘れられず、死者のいる黄泉(よみ)の国まで迎えにいきます。

しかしイザナギは、イザナミに「見てはいけない」と言われていたのに待ちきれず、イザナミの姿を覗いてしまったのです!それは虫のうごめく死者の姿・・・

イザナミの怒りは、すさまじい~~!

美しい自分だけを覚えておいてほしかったイザナミ。まったく、イザナギは、女心が分かっちゃいなかったんですね。

追いかけるイザナミと黄泉(よみ)の軍団。

逃げるイザナギ・・・


イザナギはこの世とあの世の間である黄泉比良坂(よもつひらさか)で追いつかれそうになり、

千引きの岩(ちびきのいわ:千人もの人でないと動かない大岩)で道をふさぎました。

「あー、もう死ぬかと思った~。死んだあなたを、悲しんで追い求めたのは間違いだったよ。私の心が、弱かったからだよなー。」と言うイザナギ。

それに対し、泉守道者(よもつちもりびと=黄泉比良坂の番人)がイザナミのかわりに申し上げました。

「私はもう国はじゅうぶん生んだじゃない!なぜさらに生めというの?こんな恥ずかしい思いをさせられたのだし、私は黄泉(よみ)の国から、帰りません!」

 

ここで、キクリヒメがどこからともなく登場します。

ジャジャ~~ン!

そして、何かをイザナギに言いました。

すると、イザナギはキクリヒメをほめて、夫婦げんかをやめて立ち去ったのです。

 

・・・え?イザナギ様、その急変はなぜ??

「せめて何を言ったのか、教えてくださーい!」と、古来多くの人たちが叫んだという・・・。

一言でイザナギの男心を変えた、キクリヒメ様なのでした。

※古事記ではキクリヒメは登場しません。道をふさいだイザナギが離縁を申し出て、怒ったイザナミが「お前の国の人間を1日1000人殺してやる!」と言うと、イザナギは「それならば私は産屋を建て、1日1500人の子を産ませよう」と言い返しています。

 

出会うたびに違う姿・・・もしや変身好き!?

お次は白山に伝わるお話です。

天武天皇の時代、泰澄(たいちょう)というお坊さんがいました。

幼いころから超能力少年として名高かったのですが、厳しい修行をしてさらに能力に磨きをかけます。

そうして、弟子まで托鉢(たくはつ=食べ物や銭を寄付してもらう修行)の鉢を自由に空へ飛ばす、自動托鉢ができるようになっていました。

そんなある日、泰澄の夢に、白い馬にのった女神が現れます。

私は白山に住んでいる女神です。名前を知りたい?私の真の名前、真の姿を知りたければ、白山山頂までいらっしゃい。


その昔、白山は高く険しく、人が足を踏み入れることがなかった山でした。

しかし、泰澄はお弟子さんと共に、大変な苦難の末、それまで誰も成し遂げられなかった白山の山頂にたどり着きます。36歳の時でした。


寒さと疲れのままで祈っていると、火山湖の翠ヶ池(みどりがいけ)から九つの頭を持つ九頭竜神(くずりゅうじん)が出てきたのです!

「ひい~、怪獣だ! ここまで来て、こんなの嫌だ~~~!」

弟子が慌てて怖がるなか、泰澄は龍をじっと見つめると、一喝しました。

「こんな恐ろしいお姿が、白山の本当の神様とは思えない。お約束どおり、真の姿をお見せください!」

すると、九頭竜は美しい十一面観音に変化して

「よくぞ、見破った!私は、白山妙理権現(はくさんみょうりごんげん)である」

と名乗られたのです。のちに泰澄はここに奥宮を作って、女神を祀りました。

この観音様が、シラヤマヒメ(キクリヒメ)が仏に変身した姿だと伝えられています。

真の姿すら、変身後の姿だったんですね。

 

赤ちゃん自身に名前を聞ける!?霊力ピカイチの巫女姫

偽書という説もあるホツマツタエでは、日本書紀や古事記とは登場人物の設定が少し異なります。

キクリヒメ(ホツマツタエではククリヒメ)が最初に出てくるのは、トヨケ神の娘イザナミと、優秀な若者であったイザナギが結婚して男の子を産んだときのお話です。

なかなか子どもが生まれなかったイザナミは、お父さんのトヨケ神に相談しました。

「お父さん、どうしよう。子どもが生まれないの。このままだと国が荒れてしまう」

トヨケ神は身命を賭して、太陽の神霊の子どもを授かりたいと決死の願掛けをします。

そのかいあって、イザナミは、なんと・・・

卵を産みました!

 

卵の殻を慎重に割ると・・・

 

おぎゃ~~~!

卵から、玉のような男の子が生まれました!

これがアマテル神(ホツマツタエでは天照大神は男性)です。

アマテル神の産湯を用意したのが、イザナギの兄弟であったシラヤマ姫でした。

実は、シラヤマ姫はピカイチの霊力を持っていたので、赤ちゃんともお話しできたのです。

「名前をどうおつけしようか、聞いてみてください」と集まった神々に頼まれたシラヤマ姫が、御子に聞いて答えました。

「ウヒルキという名にしてほしいのですって。ウは、『大いなる』の意味で、ヒは『日輪』、ルは『日の霊魂』、キは『熱』を表しています。本当に太陽の子、太陽神ですわね。これから世の中が明るくなることでしょう」

このときの「聞き切る」から、「キクキリ姫」の名がついたと言います。

そこから「菊桐」をイメージして、菊をココともいうので・・・

「ココキリ姫」→「ココリ姫」→「ククリ姫」になったのですね!

 

系譜

まったくの謎です。

名前の由来

菊理媛=キクリヒメ・ククリヒメ(ホツマツタエでの呼び名)
「括る(くくる)」
対立するもの、異質なものをつなぐ意味があります。人と人をくくる縁結び。
「潜る(くぐる)」
イザナギは菊理媛の言葉を聞いた後、水に潜って禊(みそぎ=ケガレを清めること)をしました。

ゆかりの地

富士山・立山と並ぶ日本三名山のひとつ「白山」

(白山は、御前峰(ごぜんがみね)・大汝峰(おおなんじがみね)・別山(べつさん)の総称です。)

祀られている神社

白山比咩神社(石川県白山市)
白山神社の総本社
平泉寺白山神社(福井県勝山市)
白山を開いた名僧泰澄が神託によって建てた神社
長滝白山神社(岐阜県郡山市)
山麓の村人が農閑期に白山信仰を全国に広げる御師として活躍した。
その他、2700社あまりの白山神社が全国にあります。

ご利益

和合の神 縁むすびの神

その他、「ムスビ」の働きで得られる功徳全般

五穀豊穣・大漁満足・開運招福・家内安全・交通安全・生業繁栄・学業成就

身体健全・夫婦円満・福徳長寿・家運長久・神人和楽

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