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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
神社に関する知識をわかりやすく解説します。

稲荷神社でお祈りする時はコレ気をつけて!

2022年10月14日 2022年11月27日

あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回は「本当は怖い?怖くない?稲荷神社のお参りの仕方、最大のポイント」についてお伝えしていきます。

橋本ユリ
羽賀さん、お稲荷さんってちょっと怖いんですよね。

狐(きつね)の神様って、化かされたりしませんか?


羽賀ヒカル
いや、狐は神様でなくて、神様のお使いなんですよ。

お稲荷さんの正しいお参りの仕方をお話しましょう。


よく聞かれる質問


今まで神社関係で頂いた質問の中で、1番多いと思われるのが稲荷神社についてです。


「祖父や祖母の代から稲荷神社に参拝してきました。どうお参りしたらよろしいでしょうか?」

もしくは、

「自分の実家に稲荷神社があります。どう祀ったらいいでしょうか?」

そういった質問を頂きます。

その度に「これがポイントですよ」ということをお伝えしています。

今までは少し怖い側面を伝えてきましたが、単純に「怖い神」ではなく、しっかりと祈り、祀っていく事、そして祀り方が重要で、そのことについて今回はお伝えしていきます。

稲荷信仰の始まり


そもそも、稲荷信仰とは一体何なのでしょうか?

稲荷神社は全国に登録されている限り、3万2千社あるとされていて、その次に多いのが八幡神社です。

八幡も稲荷も登録されていない小さな社があり、そうしたものを含めると、どれだけの数になるかは分かりません。

ただ、稲荷神社に関して言いますと、家庭や会社でも祀られているところが多いので、1番多いのは稲荷神社ではないかと思われます。


では、始まりは一体いつなのでしょうか?

記録に残っている限りは711年、京都の伏見にある山城国・稲荷山をご神体とする、伏見稲荷大社が始まりです。

和歌山県にも「ここが稲荷の始まりだ」といわれる社はあるのですが、公式な記録では、伏見稲荷大社が始まりとのことです。


伏見稲荷大社を作った人たちは、秦氏(はたうじ)と呼ばれる方たちです。

秦氏はどこからやって来たのか?


秦氏に関して、この神社チャンネルや結び大学をご覧になっている方の中には、「ユダヤ人ではないのか?」という話を聞いた方もいると思います。

ただ、これは正式な学術的な世界で認められている話ではありません。

記録に残る限り、明確なものとしては「弓月君(ゆづきのきみ)という方を祖とする」ということです。

弓月君が百済(くだら)、つまり朝鮮半島からやってきたことは明らかなのです。

では、それ以前はどこにいたのでしょうか?

これは日本の文献にも載っていまして、弓月君(秦氏)は元々、アニメや漫画で連載されている「キングダム」でも描かれている、秦の始皇帝の末裔であるという説があります。

その一方で、権威付けで、そのように言っているだけではないのかとも言われています。

もう一つの説はかつて中央アジアにあった「弓月の国」からやって来たのではないかとも言われています。

今も弓月という地名が新疆ウイグル自治区の辺りにあるからです。

稲荷信仰はキリスト教なのか?


では、弓月君の人たちが何を信仰していたのでしょうか?

それはユダヤ教、もしくは景教ネストリウス派であるという話があります。

ただ、景教ネストリウス派だとすると、時代が合わないので、ユダヤ教という説が有力です。

秦氏たちが伏見稲荷大社を作り、京都の町を開いたという説は、間違いないラインだと思います。

ではなぜ、秦氏がユダヤ教徒、もしくは景教ネストリウス派と言われるようになったのでしょうか?

景教ネストリウス派はキリスト教徒なのですが、イエスキリストの十字架のシンボルの上には『INRI』と書かれています。



これは「イエス 偉大なるナザレの王」という意味です。

『INRI』は「インリ」と読みますね。

しかし、当時の日本語には「ん」という音がありませんでした。

だから、「ん」ではなくて「な」と呼んだのです。

「『INRI』は『いなり』と読めるよね。つまり、キリスト教徒だった彼らは、稲荷信仰をしていたから、稲荷になったんだ」という、ぶっとんだ都市伝説的な話もあります。

一般的な「稲荷」説


秦氏は、水田耕作(稲作)や養蚕技術や製鉄技術など、様々な技術や知恵を持っていました。

稲作技術を持ち、「五穀豊穣」稲が実ることを祈ったところから「稲荷」になったことが一般的な説と言えるでしょう。


また、伏見稲荷大社で祀られる神様は、宇迦之御魂大神様だけではありません。

・宇迦之御魂大神(中央)
・佐田彦大神(北座)
・大宮能売大神(南座)
・田中大神(最北座)
・四大神(最南座)

以上の五柱の神様が中心的に祀られています。

他にもたくさんの神様が祀られていて、単なる狐の神様や稲荷の神様ではなく、こうした神道の神様が祀られているのです。

ちなみに、古事記において宇迦之御魂大神様のお父さんは誰か分かりますか?

答えは有名な、スサノオノミコトです。

スサノオノミコトの妻神様で有名な方はクシナダヒメノミコトですが、実は宇迦之御魂大神様のお母さんはクシナダヒメではありません。

母神様は、カムオオイチヒメです。

そして、スサノオとの間に生まれたのが宇迦之御魂大神様とされています

これは古事記の場合で、日本書紀では違っています。

五穀豊穣の神


宇迦之御魂大神様はいわば、五穀豊穣の神様で、ウガノミタマとは一体何なのでしょうか?

これは伊勢神宮外宮で祀られている、豊受大神様の異名とされています。

「豊受=豊かに受け取る」

つまり、豊かに作物の実りを受け取る神様だと言えます。

元々は伏見稲荷も同じく、稲荷大神は五穀豊穣の神様でした。


しかし、それがだんだんと願望成就の神様に変わっていったきっかけは、空海さんなのです。

空海と伏見稲荷大神


空海さんと伏見稲荷大神様は、関係が深いです。

空海さんが遠く和歌山に留学していた時、2メートル40センチぐらいある大男に出会います。

「私は稲荷大神だ。お前とは唐にいた時に出会ったな」

空海さんは「はい、出会いましたね。私はいつか京都に東寺というお寺を開くでしょう。その時はご協力ください。」

そんな会話があったという伝承が残っています。

そして、実際に空海さんは、京都伏見稲荷の近くに東寺を開きました。


それだけでなく、元々別の場所にあった伏見稲荷大社を、今の場所に移してきたのは空海さんだという伝承も残っています。

ちなみに、今の社は応仁の乱の時に燃えて、その後に建てられたものです。

京都は応仁の乱の時の戦火がかなり激しく、その時に燃えた神社が多くあり、太平洋戦争の時よりも被害が大きかったとのことです。

だから、京都の人たちは「先の大戦では」や「先の戦では」と言う時は、太平洋戦争ではなく、応仁の乱のことだという話があります。

密教の仏様と稲荷信仰


空海さんが中国から持ち帰った密教には様々な仏様がいます。

その中に胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)に描かれている、荼枳尼天(だきにてん)という仏様がいらっしゃいます。


元々、中国では荼枳尼(だきに)だったのが、日本に渡ってきて、荼枳尼天(だきにてん)という仏様になりました。

この仏様は、狐に乗って現れるんですね。

また、日本の稲作で害をもたらすのがネズミであり、ネズミを食べてくれるのが狐だったのです。

もしくは、狐の色と稲が実った時の色が似ているところから、狐が五穀豊穣の神様としての象徴になっていきます。

そして、荼枳尼天と稲荷信仰が習合していくのです。

稲荷信仰の新しい流れ


鎌倉時代には神仏習合して、荼枳尼天と稲荷信仰が一体化したような神社が現れます。

例えば、愛知県にある、豊川稲荷ですね。


荼枳尼天はどんな願いでも叶えるという仏様で、女性の姿で人肉を食べるといった伝承も残っています。

だから、空海さん以降、荼枳尼天信仰が少し危険な信仰に変わっていったという歴史的側面もあるとは思います。

この辺りは少し怖い話になってきます。

今回のメインテーマは稲荷信仰です。

稲荷信仰は、荼枳尼天信仰の影響もあるでしょうが、江戸時代から商売繁盛の神様として流行ります。

また、「流行り神」と言われたという伝承も残っています。

こうして、家庭や農家の方、商売をされている方もみんな稲荷信仰をするようになっていきました。

この時、お稲荷さんをお参りする時は油揚げを持ってお参りするといった習慣も増えていきます。

稲荷信仰の中心となる宇迦之御魂大神


ここが今回のポイントなのですが、元々の稲荷信仰の始まりは五穀豊穣の神様です。

つまり、“自然の恵みよ、ありがとう“の神様なのです。

これを御神名だと、宇迦之御魂大神様と言います。

ちなみに、伏見稲荷大社の北座には、佐田彦大神様が祀られています。

昔は田んぼのことを「佐田」と言ったから佐田彦という説、もしくは猿田彦の別名という説があります。


また、南座に祀られる大宮能売大神様は巫女の女神で、五穀豊穣は巫女さんが祈ったところから来ています。

最北座に祀られる田中大神様も田んぼの神様で、最南座に祀られる四大神様は四季の神様です。

様々な神様が祀られていますが、中心となる神様は宇迦之御魂大神様です。

電気的エネルギーを授かる


面白いのが、「稲」という漢字が入りますね。

稲がつく言葉に、「稲妻」があります。


稲妻は「電気的エネルギー」で、「雷が落ちた田んぼには美味しいお米が実りやすい」といった伝承もあります。

だから「稲の妻」なんですね。

そして、宇迦之御魂大神様も稲荷大神様も、やっぱり電気的なエネルギーなのです。

「開運する人、運が良い人は、電気的なエネルギーが高い人」という言い方ができると私は思います。

今、世界で権力を握っている国も、電気的エネルギーを作り出すことができる国で、やっぱりお金持ちになりますよね。

宇迦之御魂大神様は、エネルギーの神様とも言えます。

稲荷信仰で大切なこと


祈り方、祀り方のポイントをお伝えします。

家や実家に稲荷の神社や祠や社がある方は、伊勢神宮外宮の豊受大神様、もしくは京都伏見稲荷の宇迦之御魂大神様の御札を、しっかりと祀るようにしてください。

先祖代々、家系代々、稲荷信仰をずっとして来られた方は、年に1回はご挨拶に行くのが良いでしょう。


その時はやはり、宇迦之御魂大神様にお祈りをするようにしてください。

五穀豊穣エネルギーの根源の神様、自然エネルギーの根源の神様と言えますので、是非お参りするようにしてください。

今回は稲荷信仰のポイントについてお伝えさせて頂きました。

大切なことは、稲荷神社にお参りする時に、宇迦之御魂大神様へ「自然の恵みを与えてくれてありがとうございます」という感謝のお祈りをすることです。

橋本ユリ
うわー、全然知りませんでした!

お稲荷さんの神様は、狐さんではなく、宇迦之御魂(うがのみたま)大神様なんですね!


羽賀ヒカル
そうなんですよ。

狐さんでなく本来の神様に感謝の祈りをして、応援してもらいましょう。


この記事をご覧になった、あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。

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この記事をまとめた人

橋本ユリ
橋本ユリ
神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)

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