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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

七福神の紅一点。弁財天は、音楽だけでなく、カレーにも関係がある?

2019年9月16日

こんにちは!北極神社の新米巫女、橋本ユリです。

七福神といえば、ご存知のように宝船に乗った七人の有難い神様たちです。

恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋尊、福禄寿、寿老人。七福神といえば、この七柱の神様を指します。

その中で、唯一女性の姿をしているのが弁財天です。
唐服を着ており、七福神として描かれる時はほとんどの場合手が二本で、琵琶を奏でています。
七福神の中でただ1人の女性である弁財天は、しばしばゲームのキャラクターとして登場したり、物語のキーパーソンとなったり、現代の文化にもよく取り入れられています。

橋本ユリ
ですが、深く知っていけば、それだけが全ての面じゃないことがわかってきます。
今回、弁財天について纏めさせていただきました。


それでは参りましょう!

弁財天とは

弁財天は、七福神の中で、唯一の女神です。

一般的には、琵琶を持って天女の様な服を着ているというイメージでしょうか。

日本古来の神様のように思えますが、もともとはインドの聖典に出てくる、サラスヴァーティという神様です。三代女神の1つの、河の神様です。
仏教では、天部(仏教でいう、天界に住んでいる人。天上人)の1つです。

そのサラスヴァーティが神仏習合によって神道にも取り込まれたのが、広く知られている弁財天です。
七福神のメンバーで、日本でも宗像三女神の1つである市杵島姫命とも同一視されます。


王冠をかぶり、唐服で琵琶を弾いています。

 

弁財天と弁才天の違いは

弁財天と弁才天はしばしば同じベンテン様として表記されますが、厳密には全く同じ神様ではありません。

弁才天は、インドの神様を漢訳した呼び方、弁財天は日本の神様として性質が変わった日本特有の呼び方です。

弁才天は、聖なる川『サラスヴァーティ』の河神、サラスバティー(梵天の妃とも言われている)を女神の姿にし、漢語に訳した仏教の言葉です。
インドでは、水の神様としての要素の他に、インドの言葉(つまり弁)の神様であるサラスヴァーティという神と結びついて、音楽神、学芸神、戦勝神という性質も持ちました。

日本の弁財天は、そこに財宝の神としての一面がフィーチャーされて、弁「財」天となりました。
日本での弁財天は、豊かなイメージの女神様です。弁才天のご利益に加え、貧困を救い、財物を与える天女でもあるのです。

 

弁財天の歴史

元々はヒンドゥー教の最も古い聖典、「リク・ヴェーダ」に出てくる聖なる河、サラスバティーを神格化した女神です。
神仏習合によって、日本の水の神である市杵島姫命と合わさり七福神の1つとなりました。

奈良時代に伝わった「金光明最勝王経」では八臂(手が八本、それぞれの手に武器)の姿、飛鳥時代の「大日経」には二臂(手が二本、琵琶)の姿で記されています。

鎌倉時代には、源頼朝が幕府を開く際に八臂の弁財天像を作らせて、二十日間祈願をさせたと言われています。
ちなみに、その時の像は、江島神社に保管されています。

京都の白雲神社には、同じく鎌倉時代に作られた二臂の像が秘蔵として保管されています。
木像で、二臂の像にしては珍しく菩薩様のお姿をしています。

 

弁天様のスピリチュアルな話

橋本ユリ
ここでは、日本昔話に伝わる、弁財天のスピリチュアルな2つのエピソードをご紹介します。

【江の島弁天】

これは薩摩に伝わる、弁財天が人攫いから女の人たちを助けるお話です。

昔、夏の薩摩には、鱶九郎(ふかくろう)という人攫いが出たそうです。
薩摩はタバコの名産地で、人よりも背の高いタバコの畑がありました。
なので、鱶九郎はタバコ畑に紛れ、誰にも見つかることなく女を攫うことができたのです。

その日、女を攫った鱶九郎とその一味は、船に乗って海に出ました。
海は帆を立てる必要もないほど穏やかだったのに、突然周りが濃い霧に覆われました。
周りが下手に動くと岩にぶつかってしまいます。鱶九郎たちはその場でオロオロするしかありません。
気が付くと、船の先頭に、どこからやってきたのかわからない女の人が立っていました。

「どこに行くのですか?霧が濃くて見えないでしょう。案内します」

急に現れた得体のしれない女ですが、着いて行くより他ありませんので、鱶九郎たちはその女の先導で進んでいきました。

女の案内でたどり着いた島に乗り上げると、女は姿を消してしまいました。
鱶九郎たちが乗り上げた島で休憩していると、自分たちが上陸したのと反対側の岸から、船が八艘やってきました。

そこには役人が乗っており、鱶九郎たちはお縄となりました。
役人たちも、とある女の人に、人攫いが島にいると知らせを受けてやってきたのでした。

その後、その島をいくら探してもその女の人は見つかりませんでした。
しかし、その島にあった祠を開けてみると、そこには弁財天が入っていて、
船を先導し、役人に知らせてくれたその女の人と同じ顔をしていたそうです。

 

【馬方と弁天さま】

昔、尾張(今で言う愛知)に、馬引きの仕事をしているおじさん、馬方がいました。
馬方は、馬を引きながら、よく大きな声で歌を歌っていました。

それがたいそう良い声なので、村の人たちもニコニコとそれを聴いていました。

ある日、馬引きがいつものように歌を歌いながら鳥居の前を通ると、
「これこれ」
と、女の人の声がしました。

馬引きが振り返ると、そこには弁財天様がおりました。
驚く馬引きに、弁財天様は優しく声をかけます。

「いつも歌を聴いていますよ。これからも歌ってね。」

そして、鈴がついた巾着袋を手渡します。

「お礼に、この巾着袋をあげましょう。使っても中身のお金が減らない巾着袋です。
でも、これを私にもらったと、人に言ってはいけませんよ」

そういって、弁財天様は姿を消しました。

馬引きは、巾着を大切に持ち歩き、約束通り毎日歌を歌いました。
弁財天様に会いたくて、歌いながら何度も鳥居の前を通りました。

しかし一向に弁天様に会えません。
寂しくて辛くて、馬引きはだんだん、巾着のお金で酒やご馳走を食べ、ゴロゴロするようになりました。
馬引き仲間と酒盛りをしては、どんどん働かなくなります。

ある日、仲間が、「なぜ働かないのにそんなに金があるのか」と尋ねます。
酔っていた馬引きは、つい、巾着袋を弁天様にもらったことを話してしまいました。

そうすると、その瞬間に巾着袋がボロボロになり、鈴が取れて、中のお金も消えてしまいました。

弁天様にもう会えない、と絶望にくれた馬引きは、家に帰り、塞ぎ込んでいるうちに眠っていましました。

そうすると、その夢に弁天様が現れました。

「ごめんなさい、私のせいであなたを駄目にしてしまいました。
私は人間ではないから、一度きりしか会うことが出来ないのです。
でも、貴方の歌はいつも聴いていますよ」

それを聞いた馬引きは、夢から目覚めると、以前のように働きながら歌を歌うようになったそうです。

 

弁財天と神社の関係

弁財天の被っている王冠には鳥居が付いています。
弁財天の頭に白い蛇が乗っていることと、水の神様の遣いとされていることから、弁財天の化身は蛇や龍とされています。

音楽の神様としての面のほか、水の神様や財宝の神様の面がつよく祀られており、
美しい水が流れていたりする所が多いです。

 

弁財天を祀る神社

七福神、弁財天を祀るお寺や神社は全国に数多くあります。

全国の弁財天の中でも三弁天と言われているのは、安芸厳島、近江竹生島、相模江ノ島です。
古くからの神社では、弁財天を、日本神話に登場する三女神である、市杵島姫命(いちきしまひめ)と同一視する事が多いので、市杵島姫命を祀っている神社にも大変所縁があります。

多くの都道府県では、たくさんの七福神巡りのコースがあり、御朱印やグッズを戴ける場合もあります。

橋本ユリ
今回は、その中で、京都七福神巡りの弁財天の神社である『青龍妙音弁財天(通称・妙音堂)』を紹介します。

青龍妙音弁財天

京阪線の出町柳駅から徒歩4分のところに、静かに佇んでいる鳥居があります。


ここが出町の弁天様といわれる、妙音堂です。
京都七福神巡りには、弁財天の地としてよくこの妙音堂が組み込まれます。

中に入ると、御神木が佇んでいて、参拝する所があります。
弁財天への御真言が書いてあります。


青龍妙音弁財天、別名妙音堂は、相国寺の飛地境内(違う場所にある境内)となります。
四月、五月、十一月には、室町時代の絵師である土佐行広が描いたとされる弁財天の絵画が展示されます。

 

弁財天のご利益

弁財天には、手が二本ある姿の像と、手が八本ある姿の像があります。

元々の手が八本のお姿の場合は、それぞれの手に戦闘具である弓、矢、刀、矛、斧、長杵、鉄輪、羂索を持っています。

手が二本のお姿の像は、琵琶を抱えて、琵琶を弾く為のバチを持っています。

音楽や文芸の守護の他に、弁才、智慧、才能、金運、財宝、金銭、延命を与え、
悪夢、邪気、呪術、鬼神を祓ってくれると言われています。

 

まとめ

橋本ユリ
弁財天は、元はインドの河の神でした。
それが神道にも取り入れられ、財宝と水、音楽の神として七福神のメンバーとなりました。

こぼれ話

ちなみに、カレーによく合う福神漬けの名の由来も、弁天様に関係があります。
江戸時代、それまでは塩漬けが主流だったお漬物でしたが、とある店が醤油ベースの漬物を出しました。
これが大好評。

これを食べた有名な作家である梅亭金鵞が、
材料が七種の具材から出来ていたこと(ウリ、カブ、シソ、大根、茄子、ナタマメ、レンコンと言われている)と、店の近くの池に弁財天が祀られていたことから、
「こりゃ福神漬けだなあ」と呟き、福神漬けと命名されたそうです。

橋本ユリ
インドから来た女神様が、カレーのお供福神漬けの名の由来になっているとは、なんだか運命的なものを感じますね。


以上、弁財天についてでした。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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