神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
神社に関する知識をわかりやすく解説します。

禊(みそぎ)と祓(はらえ)の違い

2022年5月6日 2022年05月05日

あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回は、神道において最も重要で、幸せに開運するためには絶対に必要となる、禊祓(みそぎはらえ)の考え方についてお話させて頂きます。

橋本ユリ
羽賀さん、巫女見習いの私がいまさら聞くのも恥ずかしい質問なので、こっそり教えてほしいのですが、「禊ぎ」と「祓え」ってどう違うんですか?


羽賀ヒカル
それは世界的にコロナが流行っている今、タイムリーな質問です。

今思っていることも含めてお話しますね。


日本人らしさの一つ「綺麗好き」


この記事をご覧になっている方のほとんどが日本人だと思います。

このうち、「日本人らしさ」と言った時に、様々なものが出てくるでしょう。

例えば、東京オリンピックを東京で誘致(ゆうち)する際に話題になった「お・も・て・な・し」という言葉は、日本人らしさの一つですね。


他には「もったいない精神」です。


「もったいない」という言葉に当たる英語がないという話がありますが、この他にも様々な日本人らしさがありますね。


そして、この日本人らしさの一つに「綺麗好き」が挙げられます。

例えば、毎日お風呂に入ったり、掃除や断捨離をするなどといった、日本人の中でブームになるような習慣や考え方があります。

新型コロナウィルス感染拡大に関しても、日本において死者の数が少ないのは「綺麗好きの精神」が由来しているのではないかという説があるのです。

家に帰ってきたら手洗いをしたり、靴を脱いで家に入ったり、毎日お風呂入るなどといった日本人の習慣が、コロナウィルス感染拡大防止に繋がっているという話もあり、これが長所と言えます。

しかし、この長所の裏には短所があるんですね。


では、「綺麗好きの精神」が、短所になるとどうなるのでしょうか?

例えば、アメリカ前大統領はドナルド・トランプさんでしたが、日本ではこのようなスキャンダルの多い方が国のトップになるのが難しいのです。

なぜなら、日本人からすると、穢(けが)れているように見えるからです。

だから、日本では内閣総理大臣になるのは難しいのですが、アメリカだと大統領になれる可能性があります。

これは「穢れを嫌う」という日本人の性質なのです。


他には、芸能人の不倫のニュースも、日本人はみんな好きで話題になりますよね。

なぜなら、日本人は「コイツは穢れている」といった様に、叩きたいからです。

もちろん「叩きすぎだ」という話もありますが、一度炎上すると、元の芸能界の仕事に戻ることが難しくなることがあります。

これも日本人の「綺麗好きの精神」に由来するものと言って良いでしょう。


「綺麗好きの精神」については、今に始まったことではなく、昔からそういった習慣・風習といったものがあって、それを「村八分(むらはちぶ)」と言います。

つまり、「コイツは穢れている」といった人を見つけて、みんなで叩くことがあるんですね。

しかし、それは実は「叩く」というよりも、神道的には「禊祓」をしていると言い換えることもできるのです。

古事記で描かれる最初の禊祓


今回は「禊祓とは一体何なのか?」についてお伝えします。

神道の重要な考え方の一つに「全ては神様」という考え方があるのです。

特に、山・樹木・岩・木々・星・太陽・月・海といった、自然物は神様だということです。

また、人間も神様であり、私もあなたも神様という考え方です。

しかし、それを普段、忘れてしまうことが問題なんですね。


では、なぜ「全ては神様」という考えを忘れてしまうのでしょうか?

それは、人間は罪や穢れ(けがれ)を、心の世界に背負ってしまっているからなのです。

ここで神社参拝が重要になってきます。

なぜなら、神社参拝することによって、罪・穢れを禊祓(みそぎはらえ)をして、私もあなたも神様であることを思い出すためです。


日本で最初の禊祓は、古事記に登場するイザナギ・イザナミ神話の中で語られています。

古事記の中で、イザナギノミコトの奥様である、イザナミノミコトが死んでしまいました。

イザナミノミコトは死んだ後、黄泉(よみ)の国(死者の国)に行ったので、イザナギノミコトがそれを追いかけました。

イザナギノミコトは、黄泉の国で見つけたイザナミノミコトの姿が想像していたものとは違っていたので、「どうしてこんな姿になってしまったんだ」とショックを受けて逃げ帰ってきます。


黄泉の国に行ったイザナギノミコトは、そこでたくさんの罪・穢れを背負ってしまったので、その後に小戸(おど)の阿波岐原(あわぎはら)という場所で「禊祓」をしたことが、「禊祓」の起源とされています。

ちなみに、イザナギノミコトは「禊祓」をしながら様々な神様を生んでいったので、ここが神道らしいところですね。

ここにも深い神意があるので、それはまた別の機会でお伝えしていきます。

今回は、「禊祓」という言葉の解説です。

禊(みそぎ)と祓(はらえ)の違いについて


皆様は「禊(みそぎ)」と聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?

例えば、滝に打たれることやお風呂に入ることは、「禊ぎ」ですね。

言霊(ことだま)で紐解くと、「水で注ぐようなイメージ」が「禊ぎ」となります。


では、「祓(はらえ)」とは何でしょうか?

例えば、サッサッサと掃除したり、神主さんに御祈祷で祓ってもらうのが、「祓え」のイメージとしてあります。


では、「禊」と「祓」について、どのような違いがあるのかを簡単にお伝えします。

禊において、滝に打たれたり、お風呂に入るのを、自ら進んで行います。

このように「自ら進んで削ぐ」、つまり「自力的」なのが「禊ぎ」です。


逆に、「祓え」は「他力的」であるという違いがあります。

例えば、神社参拝した時に神主さんに唱えてもらう祝詞です。

この時の祝詞を「大祓祝詞(おおはらえのりと)」と言って、神主さんに唱えてもらったり、神様に祓ってもらうのは「他力的」ですよね。


では、「禊ぎ」を言霊で紐解くと、「身を削ぐ(みをそぐ)」といった意味に繋がっていきます。

例えば、政治家が、何かスキャンダルを起こして、世間から叩かれるとします。

その後、謹慎期間を経て復帰をする時に「禊ぎは済ませてきました」といったことを発言する政治家の方が昔いました。

こういった光景は、芸能界でもあったのです。


「禊ぎ」という言葉には、「身を削ぐような痛みを伴ってきました」「差し出すものを差し出したから許してくださいよ」といった意味があります。

それに対して、「祓え」というのは「神様どうか祓ってください」とお祈りをするようなイメージがあります。


では、何のために禊祓をして浄化するのでしょうか?

これは、私たちが元々、神様からの「分け御霊(わけみたま)」を授かっていることを忘れないようにするためです。

なぜなら、私たちはこの世の「禍事・罪・穢れ(まがごと・つみ・けがれ)」を背負ってしまうからです。

それを忘れないようにするために、「禊祓」の習慣を作っていきましょうということなのです。

だから、神社参拝も「禊祓」の習慣の一つなのです。


お手水をしたり、神主さんに祝詞を奏上してもらうことによって、心をクリアにすることで、「人生を幸せにしていきましょう」「開運していきましょう」ということです。

身を削ぐとは、痛みが伴うことでもあります。

これからの時代に重要な禊祓の習慣


新型コロナウィルス感染拡大においても、様々な痛みを伴う現象が、日本のみならず、世界において起こっています。

今回一つお伝えしたいことが、そういった痛みを伴う現象が起こった時に、日本人は昔から「禊祓」の現象だと考えていたことです。

実際に、私はそのように感じています。


もちろん、政府のミスや、政治家が良くないといった点も多くありますよ。

しかし、それも今まで日本人が抱えてきた問題点があぶり出されているということです。

あぶり出されたことによって、どのように変わっていくかが問われているように思います。

それも「禊祓」の一つなのです。


令和に入って、時代は大きく変わろうとしています。

変わろうとする時には、必ずこういった「禊祓」の現象が起きるということなんですね。

そして、その時には私たちの心も変わっていかなければならないので、是非この「禊祓」の習慣を大事にしていきましょう。

ただ、「禊祓」がよく分からないという方は、その方法の一つに「言葉による浄化」があります。


言葉によって浄化するためには、「大祓祝詞」や「天津祝詞(あまつのりと)」といった祝詞を奏上します。

今は「大祓祝詞」や「天津祝詞」もインターネットを検索すれば出てきますし、私の「伊勢の神様」や「神社ノート」といった本にも、これらの祝詞が書いてあります。

神主さんだけが祝詞を唱えて、禊祓するような時代ではなくて、一人一人が神主のような気持ちになって、全員が自分で大祓をしたり、誰かの心を祓っていくことが大切です。

橋本ユリ
羽賀さん、ありがとうございます。禊ぎと祓いって違っていて、どちらも大切。。

そして、毎朝祝詞を唱えていますが、もっと時代の穢れを祓う気持ちでやります!


羽賀ヒカル
そういった人たちが一人でも多く現われることが、新型コロナウィルスのような禊祓現象を早く鎮めることにも繋がってくるのではないかと思い、このような発信をさせて頂いています。


今回は、日本人において非常に重要な神道の考え方である「禊祓の精神」についてお伝えさせて頂きました。

あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。


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この記事をまとめた人

ひろき / 30代前半
ひろき / 30代前半
ゆにわ塾歴7年、ライター歴2年で、普段はメーカーで人材教育・採用の仕事をやってます。ゆにわに出会って人生観が大きく変わったので、記事を読んで下さる方々にも、ゆにわの皆さんからいただいた「あたたかみ」をお届けしたいです。

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