神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
神社に関する知識をわかりやすく解説します。

日本人が知らない言霊学の歴史と神秘

2022年4月15日 2022年04月17日

あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです

今回は「言霊学の神秘」というテーマでお話させて頂きます。

橋本ユリ
羽賀さーん、教えてください!

「言霊」って、なんですか?


羽賀ヒカル
言霊は「言霊学」という学問にもなっていて、天皇も研究されるくらい深いものです。

呪術や祈りの力とも関係して、天地を動かすくらいのパワーがあるともいわれています。


99%の日本人が知らない言霊学


去年の年末から、呪術廻戦という映画が流行っています。


今後2022年の大ヒット映画となり、歴代映画のランキングでもかなり上位に入るのではないかと言われていて、去年、秋山眞人先生と呪術についての対談(※1)をさせて頂きました。

※1:日本のリアル呪術廻戦 秋山眞人先生


呪術の中には「呪」という言葉がありますが、この「呪」には元々そういった悪い意味はありませんし、祈りもある意味、呪いなのです。

「呪」の中には「口」という言葉が入っていて、やはり言葉・言霊が使われています。

私も呪術廻戦の漫画を読んでいますが、狗巻棘(いぬまきとげ)というキャラクターがいて、呪言氏という家系の一族のメンバーなんです。


呪言(じゅごん)と言って、言葉によって現実を動かすといった技術を使いこなします。

他にも、さまざまな呪術が呪術廻戦の中には出てきます。


この言霊について、実は私たちが普段、当たり前のように日本語を使っている中で、99%以上のほとんどの日本人が、日本語がどういう言語で、どういう性質を持っているのかを知りません。

そのような中で、人生・生涯をかけて日本語を研究してきた方たちがいました。

しかし、その方たちが探求してきたことが、大半の日本人にほとんど伝わっていないのが現状です。

日本語の文字数の不思議


例えば、「あいうえお かきくけこ」と普段使う、日本語の文字数は46文字です。


この46という数が、何とも不思議な数なんですね。

地球の歴史は、今の科学で分かっている範囲では46億年とされています。

もう1つ、不思議と繋がる数字として、人間の細胞の中にあるDNAの染色体の本数が46本です。


このように46という数字はすごく不思議な数で、染色体の本数や地球の歴史、そして日本語の音の数が全て同じなんです。


あと46がつくものに「乃木坂46」がありますが、これは少し冗談が入っています。

乃木坂46のプロデューサーの秋元康さんは、そのことを分かっていて名前に付けたのかは分かりません。

でも、非常に不思議な数霊(かずだま)が46です。

今回は特に、この日本語を深く考えていきます。

言霊学の歴史


私の専門分野は神道です。

神道が、1つの研究したジャンルとなって学問となっていく過程で、重要なキーマンとして挙げられるのは間違いなく、本居宣長(もとおりのりなが)と平田篤胤(ひらたあつたね)です。


本居宣長が「古事記伝」という書物を記したので、古事記が注目されるようになりました。

この本居宣長の弟子と言えるのが平田篤胤です。

この二人は、平田篤胤の夢で出会っただけなので弟子と言えるかどうかは分かりません。

しかし、平田篤胤は本居宣長を師として仰いでいました。


実は本居宣長の前には、さらに師匠がいました。

彼らを「国学四大人(こくがくしうし)」と言います。


左から、荷田春満(かだのあずままろ)、賀茂真淵(かものまぶち)、本居宣長(もとおりのりなが)、平田篤胤(ひらたあつたね)で、この潮流で引き継がれていきました。

この流れが、いわゆる日本の神道が1つの学問体系として形作られていった流れになります。

これを最終的に、神道を学問として体系化し完成させたのは平田篤胤です。

本居宣長と平田篤胤がいたからこそ、神道が生まれて、神道研究家も成り立ったのです。

平田篤胤の師匠は、夢の中で出会っただけの本居宣長です。

賀茂真淵と本居宣長の繋がりは、実は有名な「松阪の一夜」という話があります。


これは、たった一晩の間に教えを乞うただけなのです。

その一瞬でも霊的に目覚めたり、もしくはイニシエーション(通過儀礼)が行われることはあり得ると思います。

本居宣長は賀茂真淵と出会ったことによって、その瞬間に間違いなく悟るものがあったのです。

そして、この賀茂真淵の師匠が荷田春満で、ここから神道の潮流が作られていきました。

日本語の言霊の中で最も重要なこととは?


今回のテーマは「言霊」です。

その言霊の研究をしたのは、国学四大人の中では平田篤胤です。

だから、この言霊を考える時に平田篤胤を欠かすことはできません。

この平田篤胤からの流れを受けて、それを学問として体系づけた方たちがいました。


その方たちは、山口志道(やまぐちしどう)と大石凝真素美翁(おおいしごりますみおう)です。

山口志道さんは千葉県の安房国出身の学者で、国学者というより神道研究家です。

この山口志道さんが書かれた「水穂伝(みずほでん)」という書籍があります。

私も読んだことがあります。


この水穂伝とは一体何なのでしょうか?

「水」はその言葉通りの「水」の意味で、「穂」は「炎」のことです。

つまり、「水」と「火」を表しています。

火と水で、この言霊を紐解いていくのが水穂伝という書籍なんですね。


そして、大石凝真素美がいて、実は「真素美の鏡」という神道の言葉があるんです。

日本語の言霊を、この「真素美の鏡」で示しました。

これは分かりにくくて難しいかもしれませんが、大石凝真素美の「素」の文字は「す」と言います。

大石凝真素美が作った、言霊学の考え方で最も重要なことは「す」なんです。

物事・宇宙の中心を「す」と捉えるといった言霊学の学問体系を作り上げていきました。


そしてある時、大石凝真素美が滋賀県に行った時に湖を眺めていると、湖に波立っているものがフワッとして何か特殊な文字に見えたんですね。

「この文字は何か?」と思って、その文字を書き止めました。


これを「水茎文字(みずくきもじ)」と言って、全部で七五文字あります。

このように、インスピレーションを受けたものから言霊学を作っていったんですね。

宗教界の巨人・出口王仁三郎


このように平田篤胤⇒山口志道⇒大石凝真素美という流れがあり、言霊学の教えを一つの実践体系として時代を変える人物となる、出口王仁三郎(でぐちおにざぶろう)が現れます。


今まで神社チャンネルではお伝えしてきませんでしたが、彼は精神世界を語る上で欠かせない、京都の綾部に本部がある「大本教」を作った人物です。

私たちも今、綾部の町でおそば屋さんをやっています。

これらはかなりの田舎にあります。

そこから日本を変えるような大きな宗教団体を作り、一つのムーブメントを起こしたのです。


それだけではなく、出口王仁三郎の影響を受けて、大本教から生まれた様々な有名な方たちがいます。

例えば、「世界救世教」の岡田茂吉(おかだもきち)さん、その流れから始まる「生長の家」の創始者である谷口雅春(たにぐちまさはる)さんですね。

他にも、この流れを受けた宗教団体はかなり多いのです。

今もなお、政治や芸能界に強い影響がある「神慈秀明会」や「真光教」は、この出口王仁三郎の影響をかなり受けています。

そして、有名な日月神示の岡本天明(おかもとてんめい)もまた、大本教の出身者です。


出口王仁三郎も言霊の妙力や言霊学の研究をしていたと言われています。

言霊学は、平田篤胤から始まり、山口志道や大石凝真素美、他にも中村孝道(なかむらこうどう)という方がいました。

江戸から明治にかけて生まれた、天理教や黒住教など様々な宗教団体の流れを一点に汲み取りつつ、1つのムーブメントを作ったのが出口王仁三郎なんです。

そういった意味で、大正から昭和にかけての宗教界の巨人と言っても良いと思います。

もしくは、精神世界の巨人と言っても良いと思います。

言霊を研究された天皇陛下の想い


出口王仁三郎はどこに巨人性があるのかについては、今回の言霊というテーマから大きく逸れてしまうので、また改めてお伝えしたいと思います。

他にも言霊を研究してきた方たちがいました。

実は、明治天皇と皇后(昭憲皇太后)さまのお二方も言霊を研究されていました。


「なぜ天皇陛下なのか?」と驚かれるかもしれません。

以前に、保江邦夫先生との対談動画(※2)で伯家神道(はっけしんとう)の中で「明治天皇と昭憲皇太后も伯家神道の研究をしていた」という話を聞いています。

※2:衝撃!今、明かされる令和の天皇の秘密 物理学者・保江邦夫


つまり、「祈りの力によって世の中を変えることはできないのか?」を、ずっと研究されていたのが明治天皇と昭憲皇太后なのです。

「天皇の霊力とは、まさに祈りである」と言われていますし、祈りと言葉はセットなので、そこでお二方はずっと研究されていたのです。


私たちは、今の日本語の「あいうえお」から「あかさたなはまやらわ」という日本語の並びが当たり前だと思っていますよね。

しかし、実はこの「あいうえお」「あかさたなはまやらわ」の順番を変えたのは、実は平安時代の天台宗の明覚(みょうがく)というお坊さんです。


あいうえおの五十音図になる前は別のもので、最古の五十音図が出てくるのは平安時代の文献です。

その時のものは、今のような完全な「あいうえお」の図ではなくて、順番が少し違っています。


今使われている五十音図のように、この形に完全に落ち着ついて、庶民に定着するようになるのは、江戸時代まで遡ります。

どちらかと言えば、「いろは歌」の方がこの時、一般的に広まっていました。


この五十音図は平安時代の頃に作られて、江戸時代に民衆にまで完全に定着したと言われています。

言霊学とは一体何なのか?


しかし、ここにポイントがあります。

言霊学とは、一体何なのでしょうか?

これは音図と言って、この「あいうえお」「あかさたなはまやらわ」という順番があり、これ以外の順番として、様々な音図を作られています。

つまり、「あいうえお」ではない順番が存在するのです。

例えば、この精神世界でも言われる様々な「あいうえお」以外の順番に繋がってきます。


そこには、言霊学の非常に深い学問の世界があるのです。

この「あいうえお」以外の順番とは、祈りの一つの言葉であり、その音図を学ぶだけでも意識が変革していきます。

この研究をしていたのが、明治天皇と昭憲皇太后なんですね。

明治天皇の御製を読み解く


最後に、明治天皇の力はすごいということで、明治天皇の御制(ぎょせい:文書のこと)について紹介させて頂きます。

「地も動かすばかり言の葉のまことの道をきわめてしがな」

つまり、「この天地を動かすほどの言霊のパワーがあり、そんな真の道を極めてみたいものだ」という意味です。


「真」とは一体何なのでしょうか?

一つは「真理」のことで、もう一つが「心に真がある」ということです。


では、「心に真がある」とはどういうことでしょうか?

「心に愛がある」、もしくは「心に誠実さがある」、「言ったことは必ず行う仁義がある」ということだと思います。

もしくは、「この真理を知っている」ということです。


今回は、ざっと言霊学の流れについてお話をさせて頂きました。

これは伝え出すと、切りがないような内容ではあります。

そのような少し実践的なエッセンスや、より言霊を学ぶことによって人生がどのように変わるのかといったことは、言霊学の継承者たちのように「一子相伝」という形で伝わっています。

もちろん、私も師匠・北極老人から教わりました。

それを神社参拝のイベントやゆにわ塾などでも、お伝えさせて頂いています。

今回は、「言霊学とは一体何なのか?」「どういう方たちが歴史的に存在したのか?」といったところをお伝えさせて頂きました。

橋本ユリ
ふええ~。

言霊学って、ちゃんと学問になってるんですね。

でも、本を読んでもさっぱり意味が分からないです~~。


羽賀ヒカル
それを学んでいくと面白さや深さがあるんですよ。

まあ、より実践的に使っていくことが大事なので、神社チャンネルやゆにわ塾の方でもそれらをお伝えさせて頂いていますから、ゆりちゃんはそこから始めたら?


今回は言霊学の話をほんの少しの触りの部分をお伝えさせて頂きました。

あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。


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この記事をまとめた人

ひろき / 30代前半
ひろき / 30代前半
ゆにわ塾歴7年、ライター歴2年で、普段はメーカーで人材教育・採用の仕事をやってます。ゆにわに出会って人生観が大きく変わったので、記事を読んで下さる方々にも、ゆにわの皆さんからいただいた「あたたかみ」をお届けしたいです。

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