神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

レイラインで繋がる日本の神社と聖地

2017年6月30日

こんにちは、羽賀ヒカルです。

日本の神社の不思議。
今回は出雲-玉前レイラインについてお伝えいたします。

とその前にレイラインという言葉をご存知でしょうか。
まずはここからお話しますね。


レイラインとは


レイラインとはですね、古代の遺跡や神社、仏閣、巨石群、
を地図上で線で結んでみるとなぜか直線状になる。

そのラインのことをレイラインと言うわけなんですよね。

なぜそうなるのかということに関してなんですが、
これは人為的にやったという説や、
自然とそうなったという説がございます。

人為的にやった説

人為的にやったとみなす説をとりますと、
例えば自分たちの領土はここまでですよというラインを示す説、
さらには地形的に仕方がなかったという説、
さらには、天体や星の動きを示すという説や
諸説あるわけなんです。

ただ、なんで直線状になるのかという、
はっきりしたことは、まだ分かっていません。


 

日本の有名なレイラインというのは、
この出雲日御碕神社と千葉県玉前神社を結ぶこのラインなんですよ。

西の日御碕神社は、海に沈む夕日が美しい神社。
東、千葉県玉前神社は、海から昇ってくる
朝日が美しい神社なんですが、ここをラインで結ぶと

なんとその上に乗る聖地が
富士山、七面山、金華山、伊吹山、琵琶湖竹生島、大山
と言ったような、名だたる聖地がその上にのっているわけなんです。

 

自然という説の考え方

なんと、春分の日と秋分の日の太陽の通り道となっているわけなんですね。

だから、またの名をこのレイラインのことを
ご来光の道とも言われたりするわけなんです。

さらに言いましょう、ちょうどこの中間くらいにくるのが
白山と伊勢を結ぶラインなんです。

このライン上にも、名だたる聖地が
たくさん並んでいるわけなんですね。

なぜそうなるのかということなんですが、
人為的にやったというよりも自然とそうなってますよね。

つまり、そこにおられるのは神様の意思ということなんです。

「自然は神なり」という言葉もありますけれども、
「あっ、そうなんだ、こうやって神様は聖地を作っているんだ」
というエネルギーの流れを感じる。

そういった事でもあります。

これを分かった上で、日本の神社、聖地をめぐってみると、
また感じ方が変わってくるはずです。

 

日本の有名なレイライン

実は、日本列島には他にもいくつか有名なレイラインが存在しています。少し紹介しましょう。

(鹿島-富士山)
まずは、富士山と茨城にある鹿島神宮を結ぶ直線です。

このラインのちょうど真ん中には皇居があり、もっとも昼が長くなるという夏至の日の太陽の通り道になるようです。ちなみにスカイツリーはこのライン上にあります。

鹿島神宮は神武天皇元年を創建としており、まさに日本の歴史とともにある神社といえます。神武天皇が大和朝廷を開いた奈良地方と関東地方はかなり遠く、日本武尊命が東征したのもずっと後の話ですから、どのような関係性を持っていたのでしょう。そのあたりの歴史を学んでみるのも面白いかもしれません。

第12代・景行天皇の御代では、鹿島神宮の神「鹿島の天の大神」のご神託により舟3隻が奉納されました。これは現在でも毎年9月に行われる「御舟祭」として継承されています。

(五芒星)
レイラインは直線だけではありません。

変わり種としては、伊勢神宮の内宮(三重県)・伊吹山(滋賀県)・伊奘諾神宮(兵庫県・淡路島)・熊野本宮大社(和歌山県)・皇大神宮(京都府)を結ぶと星型いわゆる「五芒星」のレイラインが知られています。五芒星とは陰陽道における木・火・土・金・水の五つの働きを表したもので、魔除けの象徴として使われていたものです。

有名なところでは、平安時代の陰陽師・安倍晴明が五芒星を紋として用いており、京都にある安倍晴明神社でも神紋はこの五芒星が使われています。

この巨大な五芒星の中心には、平城京が位置しています。朝廷の守護となるようにあえてこの場所を選んだ可能性があるのです。

(伊雑宮)
最後にもう一つ紹介します。

三重県の伊勢神宮には、周辺地域にいくつか「元伊勢」を名乗る神社があります。現在の伊勢神宮は、第11代・垂仁天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神のご神託を受けたことで決められた場所です。それまでに近畿周辺を14箇所も転々としています。

伊勢志摩にある伊雑宮(いざわのみや・いぞうぐう)は、神様に捧げるお供えものを採る場所として定められました。江戸時代から、伊雑宮が伊勢神宮にとっても特別な存在であるという論争が続いてきたようです。たくさんあるレイラインの中でも、なぜかこの伊雑宮を中心にして、10個以上のあらゆる方向へ線が引けるのも、伊雑宮の存在感を感じさせる由縁です。

伊雑宮を中心としたレイラインが多いのは、古代においてこの地域は海岸で、南九州から関東までの各地の岬や、富士山を含む様々な霊山、あらゆる祭祀場からのエネルギーが交わる場所であったことが、地図を俯瞰するとわかります。

橋本ユリ
いかがですか、レイラインの不思議がご理解いただけたでしょうか。
では、はじめに紹介した出雲-玉前レイラインについて、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。


 

出雲日御碕神社について

出雲日御碕(ひのみさき)神社は、島根県の半島西端にある神社で、御祭神は日沈宮(ひしずみのみや)に天照大御神が、神の宮(かみのみや)には素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られています。

元々は、素戔嗚尊の子孫である天葺根命(あめのふきねのみこと)が、天照大御神のご神託を授かったことから、近くの海岸にある経島(ふみしま)に建てられていたそうです。太陽神である天照大御神ご自身が、太陽の沈む西の果ての地を指定したことに大きな意味があるのです。

神社の紋は「三ツ柏」です。素戔嗚尊が自分の住まいを選ぶ占いとして柏の葉を投げ、その柏の葉が日御碕神社の後にある隠ヶ丘(かくれがおか)にとまったのだそうです。

 

千葉県玉前神社について

千葉県にある玉前神社は、平安時代にはすでに朝廷や幕府からの信仰も厚く「明神大社」として延喜式に記されているほどです。江戸時代の火災により、多くの宝物が焼失したため、神社の由緒について詳細はわかっていません。

御祭神は玉依姫命(神武天皇の母)で、女性的な御神徳(子宝、養育など)があるとされています。

神社の名前にもなっている「玉」とはこの九十九里の海に現れる「明る珠(あかるたま)」を指し、かつて旧暦8月12日の夜に御神託がくだり、海岸にあった錦の袋の中にあった12個の珠を祀ったのだそうです。これが玉前神社となり、現在でも12社の神輿が海岸に集まる房総最古の浜降り神事として、1200年以上続いています。

 

富士山

言わずと知れた日本人の心のふるさと、左右対称の綺麗な稜線が非常に美しい御霊山です。

富士宮口からの山上には浅間大社の奥宮が鎮座しています。御祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)です。
河口湖の方から昇ると、その頂上には久須志神社が鎮座しています。御祭神は、大名牟遅命(おおなむちのみこと)、少名彦命(すくなひこのみこと)です。

富士山は2013年6月にユネスコ世界文化遺産に登録されました。登録内容としては、「富士山と神仏の関連性をはじめとする火山への信仰」および「多くの美術作品に描かれる日本を象徴する記号としての役割」などが評価されたためです。

富士山が最後に噴火したのは、1707年の宝永大噴火とされていて、90年代までは富士山は休火山とされてきました。しかし、現在はその内部活動が確認されており、活火山扱いとなっています。静岡などの地元付近では、富士山が活火山である認識を持って登山にあたるような啓発も行われています。

また、富士山には「ゴミ問題」があります。日本中にあるご神体として信仰がある山々は、いずれも神聖さを保つために飲食禁止であったり、石ひとつ持ち帰れないといった節度が保たれています。日本の象徴ともいえるほどの富士山にそのような悲しい話題があるのは、これから私たちが考えていくべき課題です。

 

七面山

法華経を広めたひとりである日蓮聖人が、1274年に山梨県の見延山に拠点を構えたことで、見延山の西方に位置するこの七面山(しちめんさん)も法華経の聖地と呼ばれるようになりました。山梨県の南部に位置する標高1,989mの山で、日本二百名山にも数えられています。

七面山の山頂付近にある敬慎院には見延山を守護する七面大明神が祀られています。現在も険しく苦しい山道を登る人たちで賑わっています。

七面山は、富士山の真西にあたるため、春と秋のお彼岸には富士山の山頂から太陽が昇るいわゆる「ダイヤモンド富士」を拝むことができるおすすめスポットです。

 

金華山

金華山は、岐阜県南部に位置する標高329mの山です。比較的平野である岐阜市の真ん中にあり、夜景を観に来る市民の憩いの場所にもなっています。

金華山という名前は、5月上旬にツブラジイ(ブナ科)という黄色い花が咲き、山が黄金色に染まることに由来しているそうです。それ以前は稲葉山と呼ばれていました。

歴史的には13世紀以降、武人の拠点として城が築かれた歴史があり、1567年には織田信長が城主となって岐阜城と呼ばれます。明治時代には、皇室財産である「御料林」となりました。

金華山には水源もあり、水の流れは長良川などのいくつかの川となり、伊勢湾へと流れていきます。この地域に水や金に関する地名が多く見られるのは、水に恵まれた土地である反面、洪水なども多かったため、陰陽五行の観点から、「水」を制するために「金」をあてたためです。

そんな金華山周辺の土地の持つ諸問題に尽力した人物として、第十二代・景行天皇の兄である五十瓊敷入彦命(いにしきいりひこのみこと)がいます。地域の政治、土木、農業、軍事関係で活躍したそのご神徳を讃えて、伊奈波(いなば)神社の御祭神として祀られています。

 

伊吹山

伊吹山は、滋賀県と岐阜県にまたがる標高1,377mの山です。

古事記では日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が伊吹山の神と戦う場面が出てきます。神は白い猪とされています。伊吹山の山道・三合目には、日本武尊が白い猪に出会った場所とされる場所として、像が設置してあります。はるか昔には、伊吹山に白い猪が生息していたのでしょうか。

滋賀県の伊夫岐神社、岐阜県の伊富岐神社は、創建不明の古い神社で、ともに伊吹神を祀っていたと延喜式にも記載されており、現在も祭祀は続いています。

 

琵琶湖

琵琶湖は滋賀県の日本最大の湖です。縄文時代の丸木舟も発掘されており、古代から海上交通路として利用されていたようです。

10万年とも言われる琵琶湖の歴史の中で、生物たちは独自の固有種が多様に確認されています。119本の周辺の河川が流れ込んでいることからも、人間を含めた生き物たちにとって大切な水のハブと言えます。

かつての発掘調査で、海底に神社跡が発見されました。そこから、1185年に発生した津波の被害が確認されています。

琵琶湖には、沖島・沖の白石・竹生島・多景島の4つの島があります。沖島は日本で唯一淡水湖に浮かぶ人の住む島で、沖の白石(おきのしらいし)は、大小4つの岩で成り立っています。多景島(たけしま)は、島内に竹がたくさん生えていたため「竹島」と呼ばれていたそうです。

そして竹生島(ちくぶじま)は日本三大弁財天に数えられている神社がある島です。

 

竹生島

竹生島は琵琶湖内の北側に浮かぶ島です。島全体が火成岩の一種である花崗岩(かこうがん)でできており、かつてこの周辺で凄まじい大噴火があったとの調査報告もあるようです。竹生島の港付近の土産物店の店員さんも島外から通っているので、夜は無人島になります。

古代から、島自体が信仰の対象になっていたことが知られており、日本三大弁財天のひとつに数えられている都久夫須麻(つくぶすま)神社には、御祭神の市杵島比売命のほかに浅井姫命という神様が祀られています。実は、竹生島誕生の秘話には、この浅井姫命という神様が関わっているのです。

前述の伊吹神が、伊吹山地のひとつである金糞岳(かなくそだけ)の化身である浅井姫命との高さ比べに負けた時に、伊吹神が怒って浅井姫命の首を切ってしまったという伝承があります。浅井姫命の切り落とされた首が琵琶湖に落ちて、竹生島になったのだそうです。

たしかに伊吹山は標高1,377m、金糞岳は1,317mと僅差であることがわかります。

 

大山

鳥取県の大山(だいせん)は、標高1,729mで鳥取県のシンボルとしても有名な日本百名山に数えられる山です。

基本的には火山なのですが、現在は活火山ではないようです。やはり古代よりこの大山をご神体とした信仰があったようで、大山の古い呼び名である「大神山(おおがみやま)」を冠した大神山神社の奥宮がご鎮座しており、その創建は不明で、仏教の影響で社殿が建てられ始めたのが平安時代頃からとのことです。

「出雲風土記」では国引き神話と呼ばれる逸話の中に、「火神岳(ほのかみだけ)」としてその名が登場しています。

 

……………国引き神話………………
国引き神話は古事記などには記載されておらず、出雲地方周辺に伝わる神話。はじめに創られた出雲国は小さかったので、近隣地域さらには新羅(朝鮮半島南部)から土地を網で引き寄せて縫いつけ国を大きくした。それでできあがったのが、現在の島根半島と言われる。
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まとめ

橋本ユリ
さて、いかがでしたでしょうか。

今回は、日本列島の遺跡同士が結ばれる不思議なレイラインや、そのひとつである出雲-玉前ラインのそれぞれのポイントを紹介させていただきました。


「偶然じゃないの?」と訝る方もいらっしゃると思いますが、その遺跡や神社の環境を掘り下げることで、そう簡単に一蹴できるものではないことがわかります。

もともと神社とは、豪華絢爛な建物に意味はないと言っても言い過ぎではありません。神社はそこにお宮が立つ前から、その土地や山などの神様の依り代が先にあるのです。派手なお宮は仏教の影響だと言われています。

私たちのご先祖である古代の人たちは自然のエネルギーを読み、またとても大きな視点でもエネルギーの繋がりを捉えていたようです。それによって祭祀場としてよりよい土地を見極めてきたのです。

橋本ユリ
読者の皆様も、神社を訪れる際には、もちろん社殿の美しい彫刻なども堪能しつつ、「なぜこの場所なのか」という視点で考えてはどうでしょうか。


また、感覚を研ぎ澄ませて都会では感じられない自然のエネルギーを感じる努力をしてみると、また違った学びがあるかと思います。そして、地図を覗いてみた時、もしかするとそのレイラインは日本列島だけに留まらず、世界中の遺跡と繋がっている場合だってあるのです。


これらの記事も合わせて読むと、開運の秘訣がわかります。

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