全日本人が知るべき地方神社のリアル 淡路島・湊口神社
神道及び東洋思想研究家の羽賀ヒカルです。
今回は前回の動画(※1)、淡路島にある湊口神社の高島宮司さんに、お話をお伺いできたらと思います。
よろしくお願いします。
※1 大祓祝詞うずしおの神様・ハヤアキツ 淡路島のパワースポット
(湊口神社と神社チャンネルのご縁もこちらの動画でお話しています。)
羽賀ヒカル
こちらの神社を継がれることになったきっかけなどはありますか?
高島宮司
母の実家が、隣町で神社に奉仕してまして、母の弟のおじさんが後を継いでおられたんですけど、そのおじさんに非常に可愛がって頂きまして、高校の時からそちらのおじさんの方の神社で、何もわからないままお祭りに奉仕をしておりました。
羽賀ヒカル
この湊口神社を継ぐことになったのは、どうしてですか?
高島宮司
それは、おじさんからの繋がりと言いましょうか、紹介みたいなもので、親同士も少し繋がりがありまして。
母がここへ嫁いできたのも、実はその親というか、おじいさんが師匠と弟子の関係で、神社に嫁ぐのは嫌だったらしいのですが、嫁ぐことになりまして。
兄はもう外へ出てまして、私自身は次男なんですね。
変な話、良かったのか、悪かったのか。
私自身は、高校から大学に進学する時、特にこれをやりたいとか、そういうものがまだ芽生えてなかったので、やっぱりおじさんに可愛がられて、神様の世界へ導かれてるような感じはしてましたから、進学校を選ぶ時に、その道に行こうかと思いました。
1つは、教員になるという選択肢もあったのですが、実際に受験して合格したのは、國學院大學の神道学科というところでした。
それも、私の学力ではなかなか入れないかなと思ってたんですけど、お導きがあったのか合格することができて、それで卒業と同時に資格は取れましたので、こちらの神社に正式に籍を入れたということになります。
羽賀ヒカル
こういった地方の神社を守っていくことについてお伺いしたいんですが、いくつか複数の神社を管轄されていますか?
高島宮司
私自身は24社です。
この辺の南淡路の方で車で15分程度で行き来できるぐらいの範囲にありますけど、最近というか近年の話ですけども、皆さん生活が変わってお祭りも変わってきています。
元々の神様の日、祭日の何日というのが決まっているのですが、それを日曜日に変更してまして、それが24社全部ではなくとも多くの神社で重なってくるんですよね。
一番大変なのは、6月の田植えが終わった後に「お日待ち」という行事です。
その時期は、田植えが一斉にだいたい終わって、6月の最後の土日になると管轄している24社のお日待ち行事のほとんどがそこへ集中しまして、その行事は、同じ神社で夕方と朝と2回あるのです
実は、昔は夕方から始まって朝まで続く行事だったんですね。
こういうところに寝泊まりをして、朝の日の出を拝むから「日待ち」と言うんです。
田植え終わって豊作祈願の祭りなんですけど、そういうふうに集中してくると、もう朝の4時ぐらいから回らないとできない。
4時や5時とかからお昼までかかるというような状況になっていて、それが少し困ります。
その時に、都会の神社さんとかでしたら、応援を頼んで2人で回ったりとかすることができるんですけど、隣町の神主さんも、同じような時期にお日待ちがあったりするので、そんな時に「少し来てください」という訳には行かない状況もあるのです。
これは今、父が88歳で現役というか、ちょっとしたことはまだ勤めてもらっているんですけど、もし1人になった場合は大変なことになるかなと思っています。
羽賀ヒカル
実際、参拝される方に対して、「何かこういう風にしてもらえたらな」「こんな風に祈ってもらえたらな」「こういうことを心がけてもらえたらな」といった何か思うことはありますか?
高島宮司
毎日お参りされてる方や、1日・15日に決まってお参りされる方とか、それから何か祈願事があってお参りされる方、まあ色んな方がいらっしゃいます。
一時はお参りしてる方がぐっと減ってたんですけど、最近は若い方もお参りされてるようで。
ただ、そういう方々はよく心得てお参りをして頂いてますので、そんなにこちらからどうして欲しいとか、そういうことはありません。
今はコロナで鈴を使わないようによけてあったりとか、そういうお参りのご不便をかけてるかと思いますけれども、いずれコロナも収まってまた元に戻ってくると思いますので、その時には鈴を振ってまたお参りをして頂けますように、また、こちらもその時のために準備をしておりますので、気持ち良くお参りをして頂ければありがたいと思います。
羽賀ヒカル
地域における神社の存在や何か感じていらっしゃることはありますか?
高島宮司
若い頃は、神社の存在意義をそこまで考えなかったというか、自分のやることが精一杯でした。
よくよく年を重ねてやってますと、これはやっぱり日本の国というか、社会に必要なことで、これがなくなったら秩序が乱れたりとか、大変なことになりますね。
地域の神様なので、地域社会の1つの柱としてしっかりと立つことが大事かなと。
それで、昔は当たり前のように神社へお参りやお祭りしたりしてましたが、今はその意味が、生活が、色んなことが変わって神社の大切さが実感が湧かないような状況になっています。
神社離れというか、そういう信仰心が薄れてる状況でもありますので、こちらから発信していくような必要性も迫られてるかなと。
その中で、私が取り組んでる米作り、日本の国を支えてるお米と言う存在ですね。
他にも生命に欠かせないものがたくさんありますけれども、日本の国・日本人はお米によって、非常に国民性の高く、優れた民族であるんではないかと自負するぐらいです。
お米を食べるだけじゃなくて、実際に作ってみることによって、それがより実感するというか、その上でお祭りをすると、さらにそのお祭りの意味というのがすごく分かってくるので、これを是非一般の方にも体験して欲しいなと思っております。
お米作りから教えられるもの、それは神様の言葉として、お米作りを通して、神様の言葉を聞くことができるような気持ちというか、そういうのを実感しながら(お米作りを)していますね。
羽賀ヒカル
お米作りと、まさに神社とお祭りというのはセットであるということですね。
高島宮司
そうですね。
体は食べ物で作られていますので、より質の良いものを、神様に最高のものをお供えすると同時に、それを直会という形で我々も分かち頂きます。
神人供食 神様と共に食事をする。
それでまた、その神様を中心に集まってくる人たちと、一緒に食事をすることで連帯感を育み、良い神様の恩恵を頂いて、良い恩恵をみんなで分かち合うと、そうしたら良い社会ができていく。
そこまでなかなか持っていくのは大変かな?という風に思いますけど、羽賀さんもそういう風にして活動されてるようでございますので、日本全国で良い活動がどんどん日本に広がって、より良い社会、より良い日本の国になっていければいいかなと思っています。
羽賀ヒカル
今回は、淡路島にあります、湊口神社の宮司さんにお話を伺いました。
素晴らしいお話、ありがとうございました。
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この記事をまとめた人
- ゆにわ塾歴8年、初期から神社チャンネルのライターをやっています。これからの激動の時代、人は神様と一緒に頑張らなくっちゃ!神様と人をもっと繋いで行きたーい、と願う神社大好きっ子です。
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