なぜ出雲は四拍手の作法なのか?
あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。
今回のテーマは「なぜ出雲は四拍手の作法なのか?」について、考えてみたいと思います。
橋本ユリ
羽賀さん、出雲大社は拍手を4回するのですね。
なにか意味があるのですか?
なにか意味があるのですか?
羽賀ヒカル
「邪馬台国論争」と同じで、「なぜ四拍手なのか?」も、確実な文献はないのです。
だから、
諸説を見て一体何が正しいのか?
出雲大社に参拝した時はどのような思いで二礼四拍手すれば良いのか?
についてお伝えしたいと思います。
だから、
諸説を見て一体何が正しいのか?
出雲大社に参拝した時はどのような思いで二礼四拍手すれば良いのか?
についてお伝えしたいと思います。
二礼二拍手一拝の意味
私たちは神社参拝すると二礼二拍手一拝をしますが、意外なことに一般に広まったのは平成からのようです。
昭和の時代はあまり誰も二礼二拍手していなかったと聞いたことがあります。
二礼二拍手の習慣自体は、戦後に神社本庁ができて全国の神社が神社本庁の傘下に置かれて広まった習慣で、それが全体に浸透したのが平成になります。
例えば1940年代、戦前に神社参拝している映像がありますが、拍手をしていなくて、合唱して祈っているだけです。
二礼二拍手は神主さんが行うことで、一般人はしていなかったという話があります。
しかし、玉串奉奠(たまぐしほうてん)という、ご祈祷を受けると榊を回して捧げるという儀式では、一般人も二礼二拍手一拝の作法でお祈りをします。
この玉串奉奠の場合は、通常二礼二拍手一拝までが一連の流れで、祈る時間がありません。
神社チャンネルでは、二礼二拍手をした後にお祈りをして最後に礼をすることをお勧めしています。
「なぜ二礼二拍手一拝なのか?」という意味について、確実にこの通りという答えはありませんが、神社チャンネルで過去にお伝えした内容では、次の通りお伝えしています。
礼をするというのは「恐れ、畏(かしこ)み、敬(うやま)い」の気持ちの現れであり、神様に対してそういう気持ちで、二回礼を行います。
そして、礼を二回する意味は、天津神(天の神)・国津神(地の神)それぞれに礼をすることです。
次の二拍手は、天津神(天の神)・国津神(地の神)それぞれと繋がるためで、その状態でお祈りをするということなのです。
神社で神主さんが行っていた二礼二拍手自体は戦後の神社本庁からで、もともとは神社によって違い、「三礼三拍手」という説もあります。
三礼三拍手の意味は、神社チャンネルで伝えた「三位一体」の話で、どちらかというと三の方が合っているのかもしれません。
理由は「三の数霊」が古事記における「はじまりの神様」
・アメノミナカヌシ
・タカミムスビ
・カミムスビ
あるいは「三貴神」
・アマテラスオオミカミ:太陽神
・スサノオノミコト:地球神
・ツクヨミノミコト:月の神様
それぞれ三つの神様とつながるという意味では、三礼三拍手の方が良いのかもしれません。
ただ、「今、礼儀礼節、作法を尽くすということが大事」という意味での二礼二拍手でも問題ありません。
その場合は天津神(天の神)・国津神(地の神)へのご挨拶、そして繋がるという意味となります。
出雲大社が二礼四拍手である理由
今回のテーマ「出雲」は二礼四拍手です。
出雲以外にも四拍手の神社は代表的なところが二社あります。
それは、新潟県の「弥彦神社」と大分県の「宇佐神宮」です。
「なぜこの三社なのか?」についても諸説あって、実は「三種の神器にまつわる」という説があります。
出雲はもともと「剣」、弥彦は「玉」の原産地で、宇佐は「鏡」が伝わっているという場所でした。
当時の大和朝廷の政権は、この三つの地域から「三種の神器」を奪ったので、鎮魂(ちんこん)の意味での四拍手だという説です。
これは公式見解ではなく、そのような説があるということです。
ポイントは、もともとこの地方で神社本庁以前から四拍手だったことから、唯一そこが守られたということです。
四拍手である理由を以下に紹介します。
・四方説
四つの方位に神様がいて、風水では四神(朱雀、白虎、玄武、青龍)と言います。
出雲の場合は「国津神」で、地球・場所の神様です。
だから、四つの方位に神様がいて、「全ての方位の神様にご挨拶する」、あるいは「四つの方位の神様と繋がる」という意味での四拍手となります。
・大国主命の四魂(しこん)と繋がる説
神道における考え方に「四魂」(人間の魂の四つの構成要素)があります。
・和魂(にぎみたま):
人とつながる、和合、融合していく魂
・幸魂(さきみたま、さちみたま):
人の幸せを願う魂
・奇魂(くしみたま):
頭の良さや、直感力
・荒魂(あらみたま):
メンタルの強さ、根性
「この四つの魂が目覚めること」、そして神様にも四魂があって、「大国主命の四魂と繋がる」という意味での四拍手です。
・黄泉の国を治める神
大国主命には様々な異名があり、「死者の世界を治める神」という意味で、「幽世大神(かくりよのおおかみ)」とも言われています。
冥界の「冥」は冥王星の「冥」と書き、幽世の狼という話もあります。
そういった黄泉の国を治める神だから、黄泉の国の「よ」から取って四拍手というのも一説です。
しかし、四拍手をすることは、四つの神なる働きをたたえて繋がるものなので、この説に関しては少し強引だという話もあります。
出雲系民族の聖なる数とは?
今回のテーマは出雲です。
ポイントはもともと出雲系民族がいて、その人たちの間で聖なる数として信じられてきたのが「四」や「八」で、特に「八」にまつわるものが多いのです。
例えば、日本最古の和歌と呼ばれているスサノオの詠んだ和歌がある、出雲系の「八重垣神社(やえがきじんじゃ)」も「八」という数字が出てきます。
「八重事代主神(やえことしろぬしかみ)」にも「八」という数字が付いています。
これはやはり出雲族にとって「八」という数字は特別な数字であったことを表しています。
また、「八」と親和性が高いのは「四」で、「八」の簡略化として「四」という一説もあります。
出雲のお祭りでも特別な儀式の時は「八拍手」、もしくは「八回礼」が行われるという話もあります。
今回はこれらが正解というよりも、諸説あるものをご紹介させていただきました。
ポイントは「大国主命」です。
出雲大社に参拝する時は、「大国主命の四つの働きと繋がる」・「四つの神なる部分と繋がる」という意識を持って四拍手をすると良いと思います。
やはり、出雲・弥彦・宇佐で四拍手が伝わるのは意味があり、そういった「しきたりを守ること」によって、より繋がりやすくなるのは間違いありません。
そして「宇佐八幡宮」も非常に深い場所です。
この秘密については、北極流ゆにわ塾としても、この10月の参拝セミナーのテーマとなってきます。
橋本ユリ
こんなにたくさんの説があるんですね。
四拍手の、出雲大社・弥彦神社・宇佐神宮にお参りしたくなりました!
四拍手の、出雲大社・弥彦神社・宇佐神宮にお参りしたくなりました!
羽賀ヒカル
普段の神社参拝の時は二礼二拍手でいきましょう。
この時は天の神、地の神に対するご挨拶、繋がるという意識でお祈りしてみて下さい。
この時は天の神、地の神に対するご挨拶、繋がるという意識でお祈りしてみて下さい。
このような四拍手をする特別な神社もあるという内容でした。
あなたの開運をお祈りしております、羽賀ヒカルでした。
こちらの神社チャンネルのYouTube動画バージョンも是非ご覧ください ↓
この記事をまとめた人
- 2人の娘を持つ父親。ゆにわ塾歴3年。ゆにわと出会って、娘との関係が激変しました。神社chの記事を読んでくださる方々が、羽賀さんやゆにわのみなさんの温かみを感じられるような素敵なサイトにしていけたらと思っています。
最近の投稿
- 神社参拝2023.01.01日本最古の神話『ホツマツタエ』の教え【Road to ISE Final vol.8.5】
- 神社参拝2022.10.10【神回】世界を変えるにはコレしかない! 天龍寺マコト(三枝誠)先生
- 神社参拝2022.08.12発達障害!?これからの時代の子育て 石川真理子先生
- 神社参拝2022.08.07封印された神話~出口王仁三郎と宮下文書~ 山口隆之さん