知らないと恥をかく宗教と神道 吉野敏明先生
あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。
今回のテーマは、神社チャンネルということで「神社と神道」です。
この神社チャンネルでも、神社や神道に関する発信はずっとさせて頂いてましたが、今回お医者さんという観点から、神社・神道について語って頂く良い機会となりました。
私もなるほどと繋がる対談となりましたので、ぜひご覧になって頂けたらと思います。
羽賀ヒカル
それでは、今回も東京誠敬会クリニック銀座院長の吉野俊昭先生をお招きしてお届けしていきます。
よろしくお願いします。
この「ドクターと牧師との対話」という本ですが、宗教や神道にも言及されています。
神社チャンネルですし、神社・神道や宗教などについてのお考えをお聞きしたいと思います。
吉野敏明
僕は、特定の宗教を信じている訳ではないのですが、決して無神論者ではないです。
結論から言えば、「信仰心の熱さは誰にも負けないぐらい強い」という自負があります。
神道や日本の神はちょっとほかの宗教の神と違うと思うんですけども、キリスト教、もっと言うとユダヤ教ですよね。
三大宗教が言ってるのは「創造主」という意味なのです。
日本書紀や古事記にも出てきますよね。
「創造主」という分類で、その後いろんな神って出てくるということです。
その日本語の「神」と、ヨーロッパ人が言う「神」は違う定義なので、これを一緒にしてること自体が、まず僕はごっちゃまぜでいかんと思うんですよね。
それからもう一つ。
僕のご先祖が、ずっと鍼灸漢方をやっている一族で、僕は分家で11代目なんですが、その仕事だけじゃなくて、ずっと修験をやってたんですね。
羽賀ヒカル
ああ、そうなんですか!
吉野敏明
おじいさんは本当に虚無僧(こむそう)でしたし、ひいおじいさんは御嶽山(おんたけさん)の行者で阿闍梨(あじゃり)だったんですよ。
その辺りから、例の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で分けられて、神道を取ったり、仏教を取ったりでした。
当然、神道の方が優遇されて、仏教の方は壊滅的にやられたわけですよね。
うちは、そんなに立派な家じゃないので、仏教の方を取った訳ですけど、医者は捨てなかった訳です。
だから、ひいおじいさんがそうですけど、本当に籠(かご)かぶって尺八(しゃくはち)を吹いて街を闊歩(かっぽ)し、「あんた具合が…」と言って、ブスッと針刺したりなどをやっていた人ですから。
羽賀ヒカル
そうなんですか!
吉野敏明
自分のところにも、当然クリニックと言うか診療所があって、患者さんが来ていました。
それこそ、ガン患者さんなどもいたのです。
僕が見ていると、うちのお袋が「敏明ね、あの患者さんの乳がんをひいおじいちゃんが治してるんだよ」なんて言ってる環境だった訳ですよ。
明治になってから、神道と仏教は別のものと認識されているけど、それまでは日本人の中に、あまり神道や仏教という概念はないんですよね。
もともとというか、あえて言うなら「日本教」でしょう。
羽賀ヒカル
そうですね。
吉野敏明
日本人が自然崇拝の中で考えているという概念は当然、私にもあって、普通に神々と一緒にいて、創造主である神もまたいるという生活をしていました。
朝、犬の散歩に行くんですが、うちのすぐ近所に神社があって、ほんとちっちゃい神社なんですよ。
そこに行って、必ずお参りするわけですよ。
二礼二拍手をし、ワンちゃんも抱っこして、「おまえもパンパンやりなさい」と言って、そこで毎朝、神とお話をしてくるんですね。
私がその神様とお話をするのを、この本に書いてある真理さんに、
「ちょっとおこがましいかもしれませんけど、僕、神様とよくお話しするんですが、どうなんですかね」と言ったら、
「それは素晴らしいことだよ。英語ならインクアットと言うんだけど、『私は神の中にいる、私自身が神だ』という言い方をよくするんだ」と答えがきました。
それを例えるのであれば、僕が神だとしますよね。
そうすると、僕の中に赤血球や白血球、リンパ級、皮膚、脳だけでも六十兆ほど細胞があるのです。
もう数えきれないぐらいあって、さらにそこから外から来たものいる訳です。
例えば、ウイルスや腸内細菌などそんなものもいたら、もう兆や京(けい)、垓(がい)ほどの生き物がここに住んでるんですよ。
それは私というものが、お袋の卵子と親父の精子が合体して、始めは一個の細胞だったものが、ワァァ~と大きくなったら、外来の細胞や微生物の方が住み着いて、この身体が宇宙になってる訳ですよ。
それで、この細胞が一つ一つ機能するためには、私が幸せでなければ動きませんよね。
ただ、僕が泣きはらして暮らしていて、それでお酒を飲んだくれていたら、肝臓が壊れたり、高血圧になるなどで、細胞がみんな不幸になります。
そうすると、この細胞や赤血球、リンパ球などがどう思うかと言ったら、「僕が幸せにさえなってくれていたら、我々も幸せになれるのに」という概念のはずですよね。
だから、我々は神を拝んで神に幸せになってもらいたいのです。
そうすると、フッと湧いてきて、我々も幸せになる訳ですね。
だから、そういう意味では「神社と共にある暮らし」を私は毎日している訳です。
必ず朝、散歩に行ったら、神社に立ち寄って祈りますし、神社がなくても祈ります。
あるいは、オペをする前でも、今日もすでに手術したんですけども、始まる前に創造者である神様に、
「今日もこれから神様を幸せにするための、責任ある行動をとります。これが私の契約です」と言ってから行ないます。
昔、靖国神社に、うちの次男を連れて行った時のことです。
次男が、「何とかレンジャー」みたいなヤツですが、「お父さん、デカバイクロボを買って」と言いました。
「良い子にしたら買ってあげるよ」と言ったら、次男は「良い子にする」と言いました。
そこで私は「本当に良い子にするの?見てごらん」と言いました。
神社の絵馬があるじゃないですか?
みんなメチャクチャなことを書いてあるんですよ。
一番ひどいのは、例えば「AくんとB子さんが別れたら、私が付き合えるからAくんと別れるように」と書いてあったりして、これは呪いのレベルですね。
いやー、ここは靖国神社ですよ。
靖国の神様はそういう神様じゃないんだけどね。
他にも「明治大学と中央大学のどちらかが受かりますように」もありました。
一番ひどかったのが「ヒロシがパクられませんように。もしパクられても罪が軽くなりますように」です。
息子には、それを全部読んでやりました。
「どうだ、神様は、忙しいだろう?おまえのこんなお願い聞くのを、いちいちやってられないでしょう?」
「じゃあどうしたらいいの?」と言うから、
「じゃあどうしたら幸せになる?ここにいる僕ら、日本人みんなが幸せになれたらどうなるの?」と言ったら、
「えっとー、天皇陛下が幸せになる」
「そうだね。天皇陛下だけ幸せになっても、日本と韓国が仲悪くなってね、北朝鮮が悪くなってミサイルを打ち込んできたらどうするんだ?」
「えー、じゃあ日本と韓国と朝鮮と仲良くなれば良い」
「日本と韓国と朝鮮が仲良くなっても、中国が侵略してきて尖閣諸島にちょっかい出して来たら、どうするんだ?」
「えーっと、じゃあ日本と中国と韓国とアメリカと・・・。」
「要するに地球が良くなることでしょう。でも、地球だけ良くなっても、太陽が消えちゃったらどうなるの?」
「暗くなるの?」
「ちがう、我々が滅亡してしまう。太陽系も銀河系も銀河団も良くなって…、最後はどこなんだ?」
「宇宙?」
「そう、宇宙を作ったのは誰なんだ?」
「お父さんがさっき言った、精子と卵子から、お父さんができたのと同じで、私たちが宇宙の細胞の一個一個だとすると、創造者があるから幸せになる。だから、誰に祈れば良いのかというと、神様が幸せになりますようにと祈りなさい」と言ったら
「そしたら、デカバイクロボ買ってくれる?」と言ったんです。
「順番が違う。神が幸せになると、デカバイクロボは買ってもらえるかもしれないけど、デカバイクロボを買ってもらうために神に祈ってはいけない」
だから、僕はこういうのが自然な感情で起こってくるので、本当に日本人で良かったんだと思います。
羽賀ヒカル
なるほど~。
吉野敏明
日本人は、何でも祈るでしょ?
太陽見てもそうだし、水たまりにもお金をチャリンと投げちゃったりなど、何でもするじゃないですか?
だから、祈ることが当たり前で、祈りという波動をかけることで良くなることをやっている祭司の最高の方が天皇陛下でしょう?
だから、僕にとっての神道は、本当に毎日のように生活の中にある世界なんです。
羽賀ヒカル
そうですね。
吉野先生は、いつからそういう考え方に目覚めたんですか?
もともとなんでしょうか?
吉野敏明
これを言うと怒られてしまうんですけど、もともとなんです。
羽賀ヒカル
あー、もともとなんですね~。
吉野敏明
本当に、上から目線で恐縮なんですけど、幼稚園の入園式の時に「何でこんなことも分かんないのかな?」と思って、全員バカに見えた瞬間があったんです。
例えば、今で言うなら、マスクつけてる人が馬鹿に見えちゃいました。
失礼ですよ、本当に。
でも、本当に分かっている人で、分かっていても、みんなのためにマスクを付けていたり、いやルールだからと分かっているんだったら、全然良いんですけれども。
そうじゃなくて、踊らされたり、洗脳されてる人たちがいるように、僕が四歳で幼稚園の時の概念は、みんな世間のルールに侵されてるんだと思ったんですよ
僕は同じ年の奴が、そんなに集まるのは生まれて初めてだったんですよ。
羽賀ヒカル
幼稚園児で、それは大変ですね。
吉野敏明
いや、僕はそれまでずっと、十二歳ぐらいの近所のお兄ちゃんや、ある人はクリーニング屋さんの息子で、ある人は安田不動産屋の娘だ、この人は病院の息子さんなど、近所に本当にドラえもんじゃないですけども、学年が違って男も女も違って商売も違うという、そういう家庭環境で育ったのです。
子どもの時から、不動産屋さんの契約を隣で見ていたり、美容院でずっとパーマかけているの見ていたり、中華料理屋さんが隣だったんですけど、料理してるのを見ていたり、自分の親父が家で治療してるの見ていたりしていました。
だから、いろんな人がいて、いろんな考え方があって、いろんな年の子がいると思っていたのに、生まれて初めて全員同じ学年の子がガッと集まるのを見た時に、「うわっ!こいつらバカだ!」と思ったんです。
こういう言葉はないですよ。
四歳だからそんな語彙がないから分かんないけど「何かわかってないな、みんな」というのがありました。
だから、幼稚園を卒業して、小学校になったらみんな分かるのかと思ったら、何かあまり変わってないな。
中学校に入学しても、何かあまり変わってないな。
高校・大学行って、こういう医師の仕事しても、みんな変わってないなと思って、今日に至ってるわけだからね。
羽賀ヒカル
あー。
吉野敏明
さっきの神の話もそうなんですけども、例えば「サンタクロースにお願いすると叶う」というのが僕はおかしいんじゃないかと思っています。
「善行をしてたら戻ってくるのに、なんでそういう言い方するのかな?」というのは、本当に子供の時から思ってましたからね。
そういう意味では、僕は永遠の5歳児なんですよ。
変わってないですから。
羽賀ヒカル
僕は、サンタクロースに、困っていたタイプでしたからね。
そうでもやっぱり、修験などの家系の流れはあるんでしょうね。
吉野敏明
そうかもしれません。
こうしなさいと押し付けられたことはないんですけれども、ある意味それが普通だったんでしょうね。
羽賀ヒカル
うーん、なるほど。
すいません、聞いても良いですか?
どこか好きな神社がありますか?
もちろん、ご近所の神社や、聖地でも何でも良いんですけど。
吉野敏明
好きな神社ね~。
いや、僕はね、それこそ靖国が良い、ここの神社が良いなど、あまり思っていなくて、家の周りにある小さい神社が好きなんですよ。
一番小っちゃいのが、よく子供が3~4歳ぐらいの時に行ったけど、本当に鳥居が畳一つぐらいしかないんです。
もう、茶臼山みたいな標高三十メートルほどの小山ですよ。
そこは、ずっと行くと最後の方にもう本当30センチ四方くらいの小っちゃい狛犬がいて、置いてあるのか分からないようにお祀りしてあるんですよね。
そこに自分も子供の時によく行ってたし、自分の子供たちが3歳~4歳ぐらいだった時、「あそこはお化け屋敷だよ、行こうね」と言って、ずっとかき分けて行って、こうやってお祈りするんだよと教えたんです。
だから、祈ること、そういう場所があることが大事なのであって、パワースポットや〇〇神社じゃないといけないというのは、あまりないんです。
子どもの時は、神社はどこにでも普通にあったじゃないですか?
小学生ぐらいの時は、それもまた近所の子どもたちとよく遊ぶ神社がありました。
そこに当然、宮司さんたちもお住まいになっているんですよね。
そこを自転車でグルグル回るんですよ。
「いい加減にしなさい」とよく怒られました。
そこに行っても、最後帰るときには「ありがとうございました」と手を合わすなども普通にあったんですよ。
元々そうだと思うんですよね。
だから、自分の心の中に神社があるように、どこにでもあって、今40万社くらいありましたか?
羽賀ヒカル
細かく数えると、それぐらいありますね。
吉野敏明
コンビニのだいたい10倍ほどあるくらい、どこにでも神社はあります。
だから、それこそ自分が好きな神社で良いんじゃないかなと思いますけどね。
羽賀ヒカル
お伺いしていて、もともと日本人の中にある感覚だったんでしょうね。
「自分と神様は何か繋がってるんだな」「家の近くにある神社と繋がってるんだな」というのがあったのではないかなと思いますね。
吉野敏明
それが色々と戦争に負けたことで、色んな思想が入ってきて壊れてきています。
これがコロナ禍のせいで、完全に壊れる寸前なんですけれども、それがきっかけで目覚めている人たちも出てきているんだと思うんですよね。
羽賀ヒカル
なるほど。
この記事をご覧になって、目覚めて頂くきっかけになればな、と思いながら発信させて頂いております。
本当に良いお話・内容だったと思います。
今回もご出演頂きまして、ありがとうございました。
吉野敏明
こちらこそ、光栄でございます。
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この記事をまとめた人
- 2人の娘を持つ父親。ゆにわ塾歴3年。ゆにわと出会って、娘との関係が激変しました。神社chの記事を読んでくださる方々が、羽賀さんやゆにわのみなさんの温かみを感じられるような素敵なサイトにしていけたらと思っています。
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