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神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、架空のキャラクターの
新米巫女の橋本ユリが、神社に関する知識をわかりやすく解説します。

一途な女神・須勢理毘売命(スセリビメ)は愛と嫉妬の女神!?

2019年12月9日

こんにちは!北極神社の新米巫女、橋本ユリです。

橋本ユリ
日本神話に登場するオオクニヌシの妻・須勢理毘売命(スセリビメ)はどんな女神だったか知っていますか?


英雄と呼ばれる神様・須佐之男命(スサノオ)の愛娘で、荒ぶる女神として嫉妬深さでは有名な神様です。

本記事では、そんなスセリビメとオオクニヌシの出会いから結婚生活にまつわる様々な話までを詳しくご紹介しています。
一途に1人の男性を愛した女神の生き様は、女心をストレートに表現していて清々しさを感じることでしょう。

恋愛話が好きな方や女心を知りたいという方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

それでは参りましょう!

須勢理毘売命(スセリビメ)とは

スセリビメは古事記の「根の堅州国」「八千矛の神の歌物語」に登場するオオクニヌシの正妻の女神です。

正妻といっても日本神話のなかは一夫多妻制なので、オオクニヌシには他にもたくさんの妻と子供たちがいました。
そんななかで、ひときわ目立っていたのが荒ぶる女神の異名を持つスセリビメです。

スセリビメは、とても嫉妬深いことで知られていますが、その反面、オオクニヌシを一途に愛した健気な部分も注目を集めています。

800人もいる日本神話の神様から自分の守護神を見つける守護神鑑定という占いでは、スセリビメを守護神に持つと「依存からの脱却」が必要だといわれるほどです。

須勢理毘売命(スセリビメ)名前の由来

  • 須勢理毘売命(スセリビメ)
  • 須世理姫(スセリビメ)
  • 和加須世理比売命(ワカスセリヒメノミコト)
などスセリビメは様々な漢字や呼び名で表現されることがあります。

基本的にはスセリビメと呼ばれることが多いようですが、「スセリ」には「進む」または「荒ぶ」と言う意味があるため「荒ぶる女神」として嫉妬深く激しいイメージが定着しているようです。

しかし、スセリビメには「意思をもつ女神」という意味もありますので、自分の意見をハッキリと示すことができた真っ直ぐな女神だったともいえます。
そのため、英雄として知られる父・スサノオが、夫になるオオクニヌシに数々の試練を与えた際は、父親にバレることを恐れることもなく、手助けをして守り続けました。

須勢理毘売命の夫・大国主神(オオクニヌシノカミ)とは

スセリビメのことを語るには、夫であるオオクニヌシのことを知っておく必要があります。

オオクニヌシは国造りを成功させたので、日本神話では知らない人はいない神様ですが、忙しく国造りをしながらも、スセリビメを含む多くの妻を持っていたことでも有名です。

そして、妻たちに生ませた子供の数は180人に及ぶという桁外れな偉業も成し遂げています。

もともとは男兄弟の末っ子に生まれ、あまり身体の強い神様ではなかったオオクニヌシでしたが、整った容姿のおかげで女性たちからは人気があったようです。
そのせいで、兄たちから嫉妬され2回にわたり、暗殺されますが、母神の力で生き返っています。

スセリビメが登場するのは、兄たちからの3度目の暗殺を恐れて、オオクニヌシが身を隠した死者の国・根堅洲国で出会うところからです。

須勢理毘売命の父・須佐之男(スサノオ)とは

スセリビメの父親スサノオはアマテラスオオミカミの弟にあたり、のちにヤマタノオロチを退治して英雄となります。
しかし、高天原では姉のアマテラスオオミカミに子供のような粗暴を働き、怒りをかうなど多面性のある性格で注目されている神様です。

スサノオはヤマタノオロチを退治して助けたクシナダヒメと結婚し、8人の子供を授かりました。
その8番目にあたるのが、本記事で登場するスセリビメです。
末っ子ということもあり、スセリビメは溺愛された娘だったようで、勝手にオオクニヌシと結婚したことを知ったときは、スサノオが大激怒しています。

そして、なんとか娘との結婚を辞めさせようと、高天原でみせたような粗暴で幼稚な一面をのぞかせ、オオクニヌシを追い詰めようとします。

須勢理毘売命(スセリビメ)の神話

絶世の美女であるヤガミヒメと結婚したことから、彼女を好きだった兄たちから、執拗に命を狙われたオオクニヌシは2度も殺されてしまいます。
しかし、母神の力でなんとか蘇生してもらったオオクニヌシは3度目の暗殺を恐れて、死者の国・根堅洲国に身を隠すことにしました。

そこで、スサノオという英雄の神様に助けてもらうつもりだったオオクニヌシでしたが、根堅洲国で美しい女神・スセリビメにひと目惚れしてしまいます。
スセリビメはスサノオの8番目の娘で溺愛されて育てられた女神です。

お互いのことはまったく知らないオオクニヌシとスセリビメでしたが、出会ってすぐに互いに好意を持ちます。

そして、その場でオオクニヌシがスセリビメにプロポーズして結婚してしまうのでした。
そのため、事後報告で娘とオオクニヌシとの結婚を知らされた須佐之男(スサノオ)は大激怒してしまいます。

オオクニヌシにかせられた試練

スセリビメの父・スサノオは愛娘の突然の結婚が受け入れられず、オオクニヌシに試練を与えて追い返そうとします。
まず、スサノオは蛇だらけの寝室を準備してオオクニヌシを入れますが、夫を守りたいスセリビメがこっそり蛇除けを渡して助けてあげました。

次の試練ではハチとマムシのいる寝室に入れられてしまったオオクニヌシでしたが、これもスセリビメの手助けのおかげでクリアすることができます。
しかし、諦めないスサノオはオオクニヌシを火責めにして殺そうとしますが、この時はネズミの助けを得られ、なんとか生き残ることができました。

スサノオからの嫌がらせの試練はまだまだ続き、我慢の限界に達したオオクニヌシはスセリビメを連れて駆け落ちをすることにします。
そして、スサノオが眠っているあいだに2人で根堅洲国を逃げ出しました。

そのことに気がついたスサノオは2人を追いかけますが、追いつけず逃げられてしまいます。
最後には諦めたスサノオがスセリビメとオオクニヌシの結婚を許すしかなくなりました。

オオクニヌシの妻・八上比売(ヤガミヒメ)の存在

スサノオを振り切って駆け落ちを成功させたオオクニヌシとスセリビメは宮殿で暮し始めます。
しかし、オオクニヌシには最初に結婚した八上比売(ヤガミヒメ)という妻がすでにいて、子供が生まれる寸前でした。

もともと溺愛されて育ったスセリビメは嫉妬深い一面があり、ヤガミヒメは彼女を恐れるようになります。
そのため、ヤガミヒメは出産した後に子をおいたまま実家に逃げ帰ってしまいました。

日本神話にはスセリビメがヤガミヒメに何をしたのかは書かれていませんが、ヤガミヒメがスセリビメをとても恐れていたことから、2人の妻のあいだで問題が起こったのは確かなようです。

そして、その後はヤガミヒメが宮殿にやってきてもスセリビメが追い返していたといわれています。

スセリビメとオオクニヌシがお互いに贈った歌

オオクニヌシの正妻として暮していたスセリビメでしたが、一夫多妻制により夫は次々と新しい妻をめとります。

もともと嫉妬深いスセリビメの怒りは募るばかりでしたが、そんなある日、オオクニヌシが大和の国へ出陣することが決まりました。
これにはスセリビメの嫉妬心にうんざりしたオオクニヌシがわざと留守をすることにしたともいわれています。

しかし、宮殿に残されるスセリビメがとても悲しそうにしていたことから、オオクニヌシは彼女に歌をつくって贈りました。

僕の愛しい妻よ
僕が大和の国に出かけて行ったら、君は泣かないなんて強がるけど本当は泣いてしまうんだろうね・・・。
その悲しみは朝の雨が霧になって、立ち込めるほどだろう・・・。

オオクニヌシからの見送る側の寂しさに共感した歌を受け取ったスセリビメは感激して、お返しの歌をオオクニヌシに贈りました。

私のオオクニヌシ様
あなたは男性なのだから、出向く先でも若い妻を持つのでしょう。
でも、私は女なので、あなた以外に男性はいません。
あなたの他に夫はいないのよ。
綾織(アヤオリ)の幕がふわふわ垂れているした、やわらかなカラムシの寝具のした、タクの寝具がざわざわと鳴るしたで、私の白くやわらかい胸や白い腕に触れたり、撫でたりして、腕枕でゆっくりと休んで下さい。

歌を伝えたスセリビメはオオクニヌシにお酒を勧め、2人で盃を交わし、夫婦の愛を約束します。

いろいろあったものの、素直な気持ちをうたった、この歌がきっかけで夫婦は和解し、今も一緒に仲良く神社に祀られることになりました。
しかし、後日談として、立派に国造りを終えたオオクニヌシはアマテラスオオミカミの命令で国を譲ることになります。

そのとき、出雲の女神が正妻では信用できないと言われ、オオクニヌシは高天原からきた三穂津姫神という女神と政略結婚させられました。
かなり強引な婚姻だったようですが、そのとき、前正妻となったスセリビメはオオクニヌシと別居させられています。

晩年はオオクニヌシと会うことさえも許されなかったとされ、一途なスセリビメは苦しい日々を耐え忍んだようです。

須勢理毘売命(スセリビメ)を祀る神社

スセリビメは「荒ぶる女神」と称されることがありながらも、一途に夫を思い、必要なときには手を差し伸べるしっかりした女神だったようです。
そのため、オオクニヌシの正妻といえばスセリビメといわれるようになり、今でも神社では夫婦共に祀られているところが多くあります。

橋本ユリ
下記ではスセリビメを祀っている神社とご利益をご紹介していきます。

関東

・出雲大社(大神大后神社)
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
公式サイト:http://www.izumooyashiro.or.jp/

・那売佐神社
住所:〒699-0823 島根県出雲市東神西町720
公式サイト:なし

國魂神社
住所:〒979-0141福島県いわき市勿来町窪田馬場72番地
公式サイト:http://www.kunitamajinja.com/

・唐王神社
〒689-3333 鳥取県西伯郡大山町唐王725
公式サイト:https://www.kojinazo.net/kodai-izumo/tounou-jinja/tounou-index.html

夫婦円満で知られるスセリビメとオオクニヌシでしたが、その仲は最終的に国譲りによって引き離されてしまいます。
2人の別居には政治的な意味合いがあったようですが、夫に一途だったスセリビメにとってはつらい出来事だったはずです。

その後、夫に会うことも許されなかったスセリビメが最期の地に選んだのが唐王神社のある鳥取県だったといわれています。
また、唐王神社にはスサノオからオオクニヌシを守った“虫除けの砂御守”があるそうです。

 

関西

・八坂神社
住所:〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625
公式サイト:http://www.yasaka-jinja.or.jp/

・春日大社(末社 夫婦大国社)
住所:〒630-8212 奈良市春日野町160
公式サイト:http://www.kasugataisha.or.jp/index.html

・備中国総社宮
住所:〒719-1126 岡山県総社市総社2丁目18-1
公式サイト:http://www.soja-soja.jp/

春日大社の末社である夫婦大国社では日本で唯一オオクニヌシとスセリビメを共にお祀りしています。
ご利益では夫婦円満、家内安全、縁結び、金運などが有名です。

またスセリビメは手に杓子を持って描かれることから、神社では絵馬の代わりに杓子を奉納する習慣があります。
多くの有名人が奉納した杓子もありますので、眺めるだけでも楽しいかもしれません。

お守りでは「福之種子(ふくのたね)」という金運のお守りが人気です。

 

須勢理毘売命(スセリビメ)のご利益

  • 金運アップ
  • 厄除け
  • 家内安全
  • 縁結び
  • 夫婦和合
  • 毒虫・蝮よけの守り神
スセリビメは嫉妬心から離婚危機を迎えますが、自分の素直な気持ちを歌にしてオオクニヌシに贈ったことから和解することができました。
そのため、スセリビメは縁結びや家内安全、夫婦和合のご利益で知られています。

また、縁結びは男女の仲だけでなく、あらゆる良縁を結んでくれるそうです。
ビジネスや人間同士、お金まで何でも引き寄せる縁を結んでくれることから、スセリビメが祀られる神社は金運神社として人気を博しています。

まとめ

橋本ユリ
スセリビメについて詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


嫉妬深いために荒ぶる女神とまで呼ばれるスセリビメでしたが、夫に対しては一途な気持ちを持ち続ける健気な一面を持っていたことが分かってもらえたと思います。

そして、英雄の父・スサノオから夫を守り、駆け落ちをするなど自分の意思をしっかり突き通す強さも持った女神です。
一夫多妻制のために苦労することも多かったようですが、現代女性からしてみてもスセリビメの強さや真っ直ぐさは共感できる部分が多かったのではないでしょうか。

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