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封印された神話~出口王仁三郎と宮下文書~ 山口隆之さん

2022年8月7日 2022年08月28日

日本人の心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回のゲストは、日本語・日本文化の研究者の山口隆之さんをお招きしてお届けしていきます。


今回のテーマは、この神社チャンネルをご覧になられている方の中には、マニアックな精神世界に興味がある方も多いと思いますが、「宮下文書と出口王仁三郎」というテーマでお伝えします。

今回は、山口先生との対談で、ぜひ注目していただきたいのが、対談中に目の前に置かれている王仁三郎の焼いた「耀盌(ようわん)」です。


今回、たまたま東京出張に行った時に偶然ご紹介いただきました。

その中で非常にシンクロニシティがあったり、またその後にも色んな出会いがありまして、本当にご縁を感じるような出会いでありました。

今回の内容は非常におもしろいと思いますので、ぜひ、最後までお読みください。

宮下文書と古代王朝


【羽賀ヒカル】

今回のゲストは日本語・日本文化の研究家の山口隆之さんです。

どうも、よろしくお願いします。


【山口隆之】

よろしくお願いします。


【羽賀ヒカル】

先ほど打ち合わせさせて頂いてたんですけど、とても面白くて盛り上がりました。

山口さんとのご縁を凄く感じています。

今日は、山口さんには富士山の東北から来ていただいています。

富士の東北という場所は、分かる人は分かると思うんですけど、ものすごい聖地です。

その昔、王朝があったと言われてるような場所で、ずっと昔からいろんな宗教家や哲学者など色んな方が集まってくる場所なんですけど、今日もそちらから来て頂いています。

山口さんは、日本文化や日本語の研究をされているとのことなんですが、そういう道に入られることになった一つのきっかけが、富士古文献とも言われます「宮下文書(みやしたもんじょ)」だとお伺いしています。

この宮下文書は、一説では古事記よりも古い歴史があるのではないか、アメノミナカヌシよりも古い神様のことが書かれてるのではないかと言われるような文献です。

山口さんとその文書との出会いは、これも富士の東北という所とも関わってる文献で、非常に深い話となっています。

では、宮下文書との出会いの話からお願いします。


【山口隆之】

私は、まさに富士山の丑寅(うしとら)の方角、北東方向にある小さな公立大学の出身で、同級生に宮下という男がいまして、彼とはよく酒を飲みました。

酔っ払うと必ず「俺は本当は天皇家なんだ」みたいなことを言うわけですよ。


【羽賀ヒカル】

それはかなり信じられないような発言ですね。


【山口隆之】

ええ、信じられないですよね。

だから、彼に「何馬鹿なこと言ってるんだよ」と返したんです。

そうしたら彼は「いやいや、宮下家には由緒正しい古文書があるんだ!」とのことで、じゃあ見せてみろと言っていたら、後に実際に文書を見る機会がありました。

私は国文学科で、文学・言語など日本語を勉強していたんですけども、宮下文書を見て、どうもそういう範疇には収まりきらない古文書だなと思いました。

それで興味を持って、それからもう30年以上経ちますけれども、ずっと宮下文書を研究をしてきたんですね。


【羽賀ヒカル】

なるほど、宮下文書とは、どういった文献、古文書であるとお考えですか?


【山口隆之】

そうですね。

なかなか一言では表しにくいんですけれども、よく超古代文様とか言われることが多いです。

全体の中での量のバランスから言うと、実は南北朝期の南朝文献としての質と量がかなり高いと思います。

基本にあるのは、まさに「富士・高天原王朝」が富士山の北東にあったのです。

大和政権では、また違う国と言うか政権があったという伝説がまずベースにあって、それが富士山の噴火であるなど政治的な事によって滅びてしまいました。

でも、それを復興させたいという思いが色々な時代に起こるんですね。

そして、それを復興させようとするけどまた頓挫するみたいな、繰り返しの歴史が書かれていると思って良いと思います。

出口王仁三郎とは?


【羽賀ヒカル】

なるほど。

昔から王朝があったけれども、富士の噴火であり、諸々の事情で滅んでは復活し…と繰り返していて、今も富士の東北の聖地を復活させようという試みもあると伺っています。

多分、山口先生もそういった活動に取り組まれているんですよね。

そして、富士の東北を聖地として理解していたのが、霊能者でもある宗教家の出口王仁三郎(でぐちおにさぶろう)ですよね。


【山口隆之】

そうですね。

私も大学生の頃は、出口王仁三郎という名前は全く知らなかったです。

もちろん、教科書でも出てこないので、最初見た時はなんて読むんだろうと思っていて、始めは読み方も分からなかったぐらいです。

宮下文書に描かれている神話の中にも、先ほどヒカルさんもおっしゃっていた、アメノミナカヌシ以前の神様の名前が出てくるとありました。

その神様が火の神様であって、七柱の神様の名前が出てきます。

それがなぜか遠く離れた京都の宗教団体であった、出口王仁三郎が率いる大本(※1)なんですね。


また、出口王仁三郎が書いた「霊界物語(れいかいものがたり)」という膨大な量の書物があり、その中にそれらの神様が出てくるんですね。

一体、このミッシングリンクは何なんだろうと…。


富士山と京都

遠く離れたところで「何がそれを繋げたのか?」というのに非常に興味が出てしまいまして、それで30年ぐらいずっと研究してきたんですね。

※1:大本(おおもと)
出口なおとその娘婿出口王仁三郎が興した神道系新宗教。「大本教」と呼ばれる事が多いが、正式名称には「教」がつかない。


【羽賀ヒカル】

そうですか。

王仁三郎と富士の東北

何のつながりもないように見えるんですけども、実は繋がっていたということですか?


【山口隆之】

そうですね。

これは非常に深い世界と言いますか、高い次元での霊的なものもあると思います。

近代になって、いわゆる天皇というものが近代のシステムの中に取り込まれていった中で失われてしまった部分があって、それが民間の宗教都市ですね。

本来、それまでの日本が伝えてきたものの一部を補完するという意味で、民間の宗教が生まれてきたんだと思います。

その象徴が、やはり大和朝とは別の富士山に王朝があったのが、大和朝廷と富士山麓の朝廷という対比として意識されていたんではないかと思うんですね。


【羽賀ヒカル】

なるほど。

私も王仁三郎が歴史的・宗教的に果たした意味は、もうそれは壮大なものであると思っています。

山口さんから見て、王仁三郎はどういう方で、どういう歴史的意味がありますか?

一言では非常に言いにくいと思いますが、いかがでしょうか?


【山口隆之】

先ほど言った通りだと私は思っています。

やはり天皇という一つの形があって、それが日本の精神性や文化を象徴するものとして連綿と続いてきたわけです。

しかし、明治維新以降に西洋の文明が入ってきた時に、西洋の王朝と対比されるような形で、言いたくないですが、今の「天皇制」と言われてしまうようなシステム化されたものになってしまいました。

そこで例えば、「男系男子」と言われるようになり、殊更に言われるようになったこととして、民間の宗教である、王仁三郎の大本、あるいは天理も「女系女子」です。


【羽賀ヒカル】

中山みき(天理教の教祖)であり、出口なお(大本教の教祖)だということですね。


【山口隆之】

そうです。

やはり、バランスをとろうとして、日本人の民衆の無意識がそういった宗教を立ち上げたと思うんですね。


【羽賀ヒカル】

そうですね。

もしかしたら、古代の縄文時代まで遡ると、女系の王朝があった可能性もあるということですよね。


【山口隆之】

そういうことですね。

まさに、男女と分けてしまうこと自体がナンセンスだというのが王仁三郎の思想なんです。

王仁三郎は一応、生物学的にはたぶん男だと思いますが、自らを「変性女子(へんせいじょし)」だと言って、魂は女であると言ったり、出口なおはその逆であったりですね。

その辺の非常に高論理的なもので、合理的なもの・科学的なものとは反対の表現方法で本質を言ってくれています。

そういう宗教家と言うか、霊能者、予言者、そんな人だと私は思っています。


【羽賀ヒカル】

なるほど。

そして、古来から日本に伝わっている精神を、霊界物語や様々な宗教的活動によって蘇らせようとしたのは出口王仁三郎氏であるということですね。


【山口隆之】

そうですね。

やはり、天皇というものとワンセットで大切なお仕事をずっとされてきたと、私にはそういうイメージがあります。

耀盌(ようわん)について





【羽賀ヒカル】

すいません。

伝えられる範囲で良いんですけれども、こちらの「耀盌(ようわん)」との出会いについて、お話しを伺ってもよろしいでしょうか?

霊界物語や様々な活動など、王仁三郎が残した偉業・素晴らしいことが多くあると思うんですけれども、晩年はお椀を焼かれていたとのことですよね?


【山口隆之】

霊界物語も非常に面白い文献ではあるんですけど、そこはやはり言葉・言語(げんご)での表現です。

非常に豊かな世界なんですけれども、ある意味で王仁三郎は言葉・言語の限界を感じたと思うんですね。

本来120巻書こうとしたみたいなんですけども、80数巻で一旦を終えてしまっています。

その後は芸術活動、特にこの耀盌を焼くことに専念しているんですね。

耀盌をご覧になって分かる通り、小さな穴がポツポツとたくさん空いてますけども、ここに祝詞を唱えながら一つ穴を開けていき、ここに言語を超えた情報をインストールしたんではないかと言われてますよね。


【羽賀ヒカル】

つまり、この椀で水などを飲むことによって、祝詞をインストールして取り入れることができるということですね。

少し伝わりにくい面もあるかもしれませんけど、ものすごい数の穴が空いています。


【山口隆之】

そうですね。

それを私のような一般の信者でない人間ですけれども、このようにご縁があって手にすることができて、お預かりすることになりました。

そして、いろんな方に会って、見たり、触れたり、お水やお酒を飲んでいただいています。

それによって、王仁三郎がお椀にインストールしておいた情報が、必要な方に必要なタイミングでインストールされるような仕組みになっているのではないのかなと思っています。


【羽賀ヒカル】

これは、とても言えない話があります。

皆様がご存じの有名な方も、このお椀でお水を飲まれた時から大きな転機を迎えたというお話もありますね。


【山口隆之】

そういう方がたくさんいらっしゃいまして、先ほど羽賀さんにも飲んでいただきました。


【羽賀ヒカル】

私もいただきました。

茶色い方が「月光」、もう1つが「十和田」と言います。

分かる人には分かるんですが、十和田湖は本当に神宿る湖ですね。




【山口隆之】

こちらは、十和田湖の龍神をイメージしたものだそうです。


【羽賀ヒカル】

そして、こちらは月の光をイメージしたものとのことで、月光の方が浄化で、十和田がエネルギーアップですかね。

同じ水を、こちらの椀に入れていただきましたが、全く味が違いました。

私もこれから人生の転機を迎えるかしれませんが、まさに祝詞を音ではなく、この椀で表現したところに王仁三郎の凄みを感じるところでもあります。


【山口隆之】

そうですね。

王仁三郎は富士山を、霊界物語では天橋山という宇宙の中心の山に見立てています。

最初の話に出た宮下文書がある地域には、富士山の溶岩と言われる丸石があるんです。

王仁三郎はある時、夢の中でその石を富士山から京都の綾部の本部の方に持って来なさいと神様に言われました。

そして、信者の方々がそれを探しに行ったら実際に石があって、それが今、綾部の本宮山という聖地の頂上に富士の霊石として祀られているとのことですから、王仁三郎がどれだけ富士山を重視していたのかが分かるエピソードですけどね。


【羽賀ヒカル】

日本神話の古事記・日本書紀には、実は日本人の原点であるはずの富士山が一切書かれてないという、本当に大きな謎なんですよね。

当時もあって、どう見ても美しい山なはずなのに、全く載っていません。


【山口隆之】

これはもう意図的で、逆に目立っちゃいますよね。

無いことが目立ってしまうということは、相当意識していたんだと思うんですね。


【羽賀ヒカル】

つまり、王仁三郎が富士山を重要視していたことは、それを復活させる意味合いもあったということですよね。

そして、宮下文書と王仁三郎は無関係に見えるんですけれども、実はものすごく関係しているということですね。


【山口隆之】

かなり深く繋がっていますね。


【羽賀ヒカル】

そして、それは日本人の心の復興活動と言うか、蘇らせる為の活動であったということですね。

これは本当に少し言いにくくなってしまうところです。

まず、富士は非常に重要な聖地であり、また富士の東北も、本当に古来王朝があったような場所ではあります。

今回お伝えできるのはここまでということで、またお話しいただけたらと思います。

今日はどうもありがとうございました。


【山口隆之】

ありがとうございました。


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この記事をまとめた人

やまちゃん
やまちゃん
2人の娘を持つ父親。ゆにわ塾歴3年。ゆにわと出会って、娘との関係が激変しました。神社chの記事を読んでくださる方々が、羽賀さんやゆにわのみなさんの温かみを感じられるような素敵なサイトにしていけたらと思っています。

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