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日本語を使えるだけで特殊な能力|山口隆之×羽賀ヒカル

2022年8月28日 2022年08月28日

日本人の心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回のゲストは、日本語・日本文化研究家の山口孝行さんをお招きし、お届けしていきます。


テーマは日本語の秘密です。

神社チャンネルでも、日本語は一体何がすごいのかを様々な角度から掘り下げてきました。

今回は今までにない角度から山口先生にお伝えして頂いています。

私たちが普段、当たり前のように使っている日本語には、まだまだ知らないことや分からなかったこと、他の言語と比べた時の新しい気づきの局面があるんですね。

私たちはこのスゴさを知らなかったりします。

では、一体、何がスゴイのでしょうか?

その答えは「響きにあり」という角度からお伝えして頂きたいと思います。



日本語の特徴とは?


【羽賀ヒカル】

今回は日本語・日本文化研究家の山口隆之さんをお招きし、お届けしていきます。

どうも、よろしくお願いします。

山口先生は国語の先生もされていたそうですね。


【山口隆之】

よろしくお願いします。

はい、30年以上、ずっと中学や高校で教えていました。


【羽賀ヒカル】

山口先生は教師活動をされている裏側で、宮下文書や出口仁三郎の研究をするなど、様々な日本語の研究をされてきたとのことです。

神社チャンネルでも、日本語のスゴさや大事さは伝えてきました。

「古来から日本人が守ってきた大和言葉をしっかり守っていきましょう」「これが日本を守ることにも繋がりますよ」という話をさせて頂いています。

山口さんから見て、日本語のスゴさがたくさんあると思います。

それはどういったところにあるのかをお伺いしていきたいです。


【山口隆之】

私は基本的にインターネットに載っている情報のお話はしないので、私だけが出来るお話をさせてもらいますね。

例えば、日本語は「系統的に孤立した言語である」「どの言語と親戚関係なのかが分からない」といったことがよく言われています。

これはいわゆる「日本語学会」でも色々と論議されてきたことで、結論は出ませんし、これは私からすると当然だと思うんですね。

そこには2つの考え方があります。

1つは日本語が他の言語から来たのではなくて、もしかすると日本語から外国語が発生している可能性があるということですね。

これとは反対方向の考え方も非常に面白い点があります。

やはり、日本人のまさに日本文化の特徴である「和の精神」「融合融和」「受け入れる姿勢」から、今でも本当にカタカナ言葉が氾濫するほど外国語を大量に輸入しています。

漢字が入ってきて、漢語をたくさん使っているじゃないですか?

だから、今はそれらの言葉なしでは日本語を話すことが出来ません。

そう考えると、もう1つは世界中の言語が流れ込んできて、それを完全に受け入れて融合させることが出来ているので、どこか一つの系統を探ろうということ自体が実はナンセンスの可能性も高いと考えています。


【羽賀ヒカル】

日本語の特徴として「あいうえお」の母音が色々とありますが、私が思う日本語の特徴は「音の響き」です。

例えば、「五七五」のリズムの響きが大事であることも日本語のポイントだと思います。

その考えはいかがでしょうか?

日本人が操る高次元に繋がる方法


【山口隆之】

そこは非常に重要なところだと思いますよね。

あまり指摘をしてる人はいないんですが、日本語のアクセントは「高低アクセント」で、英語などのような「強弱アクセント」ではないんですね。

高低アクセント自体が非常にメロディアスです。

あと、日本語は「開音節構造」という、基本的に「子音+母音」で一つの音韻が成り立つじゃないですか?

一拍に一つの音が乗り、これで必ず母音で終わるので、非常にリズミカルになるんですね。

例えば、洋楽だと一つの音符に単語全てが乗ることがあります。

けれども、日本語の場合は一音ずつしか載せられないので、基本的にはそういう歌い方しか出来ません。

さらに、先ほどお伝えした「高低アクセント」があるので、それに従ったメロディしか作れないという、実は非常に制限があるんです。


【羽賀ヒカル】

例えば、高低アクセントは、英語だと「CURRY」といった感じで強弱アクセントで発音するところが、日本語だと「カレー⤵」と語尾を下げたり、「カレイ⤴」と語尾が上がると「魚のカレイ」の意味になります。



このような「音の高低」で言葉を表すことがありますよね。


【山口隆之】

メロディで意味の違いを使い分けていて、さらに音の数は非常に少ないのです。

母音が5つしかないのと、子音も多く見積もっても20個ほどしかないんですね。

世界的に見ても実は非常に少ないので、同音異義語がたくさんできるんです。

それによって、例えば、ダジャレなどの独特の文化が広がりましたが、「雨」と「飴」のように、それを聞き分けるための高低アクセントが非常に発達しています。

だから、日本語は非常に音楽的なんですね。

開音節構造によってリズミカルであり、高低アクセントによって非常にメロディアスですから、日本語を語る時にやはり避けて通れないのは歌ですね。

現代で「短歌」と呼ばれている「和歌」があります。


例えば、出口王仁三郎の霊界物語も、その中身のほとんどが非常にリズミカルな七五調で書かれている部分が多いんです。

やはり、そのようにメロディとリズムに乗せて表現することによって、西洋などの他の国のいわゆる言語的な表現とはまた違う表現が日常的にされていたんです。

百人一首の和歌も独特の読み方がありますが、それ以前に和歌が作られた時、皆さんはメロディまで即興で作曲し、披露しているんですよ。


例えば、女の人を口説く時もすごく素晴らしい歌詞とメロディを耳元で囁いて、歌って聞かせるんです。

だから、本当に歌の文化は非常に大きくて、日常会話さえも歌で表現している可能性が非常に高い言語だと思います。


【羽賀ヒカル】

歌やメロディがあるものはおそらく調和を生み出すのではないかなと思っています。

ジョンレノン、もしくはベートーベンもおそらく音楽が平和をもたらす可能性があると信じていたから、「歌しかないのではないか?」と彼らは考えていたのではないかと思います。

日本語は言葉自体がメロディーなんですね。


【山口隆之】

音楽は世界が共通して古代から持っている高次元に繋がる方法なんですね。

それを日常的に操っていたのが日本人ではないかと思っています。

文字と引き換えに失った能力


【羽賀ヒカル】

神社チャンネルでも、「カタカムナ」「ホツマツタエ」などの古文書や古文献、神代文字などを取り上げています。

これらについて、僕は色んな考え方があると思っていて、私の見解もあります。

山口さんは神代文字について、どのようにお考えでしょうか?


【山口隆之】

私もそれなりに色々と神代文字を勉強してきたつもりではいます。

まず基本的に、日本には文字がなかったんです。

漢字が入ってくる前に文字がなかったことに対して、否定的な感情を持つ方が今の日本人には多いなと思います。

その反動として、近世・近代になって神代文字と言われるものを作ってしまったのです。

そういった側面も絶対にあると思います。

「文字がないことが未開な文化であってレベルが低いんだ」と西洋的な考え方に毒されている日本人が多いと私は思っていますね。

逆に文字がなかったことが非常に次元が高かったことだと捉えられるんですよね。

まさに、歌の力で全てを伝えることができたり、あるいは言葉ではない、芸術や色んな造形、つまり昔の土偶や埴輪(はにわ)や銅鐸(どうたく)といったことも含めて、そこに情報を込めて伝えることが出来ると分かっていたので、あえて文字に残すことが必要がなかったのです。

逆に言うと、文字に対する信頼感があまりなかったと思うんです。

私はこれが決してレベルが低いことじゃなくて、逆にレベルの高いことだと思っています。


【羽賀ヒカル】

おそらく漢字という文字が入ってきたのが聖徳太子の時代ぐらいだとすると、それ以前は文字がなくても音でコミュニケーションが出来ていた訳ですね。

それでも例えば、私たちが話す山や川など言葉の音が名残として残っているということですね。


【山口隆之】

そうですね。

だから、今も私たちはついつい文字で色んなことを覚えたり、学校でも「文字で全てを伝えて覚えろ!」と言うんですけどね。

あるいは、私たちもスマホで常に画面を見て文字情報を見ていることが非常に多くて、それによって失ってしまった私たちの能力もおそらくあると思うんです。

例えば、物からメッセージを受け取る力や、メッセージを遠く離れた人と共有する能力など、そういったことはおそらく縄文人などの古代日本人が持っていたと思うんです。

ある意味、中国から漢字が入ってきて、そこから「ひらがな」「カタカナ」を発明していく中で失ってしまった能力があって、そちらの方が一見楽ですし、正確に伝わりそうですので、そちらに偏ってしまった面もあるんではないかと思っています。


【羽賀ヒカル】

響きによって感じる直感力が縄文人など古代日本人にはあったということですね。

こちらの目の前にあるお椀は、前回の記事でもお伝えさせて頂いた聖師・出口王仁三郎の「耀盌(ようわん)」です。


前回の記事はコチラ↓
封印された神話~出口王仁三郎と宮下文書~ 山口隆之さん

王仁三郎も自分の宗教的活動を霊界物語という「文字」で表すところから、最終的には椀で表現する「響き」で表わすところに行き着いたみたいですね。


【山口隆之】

王仁三郎の言語感覚、あるいは語彙数も、非常に豊かで素晴らしいと思います。

しかし、それでもやはり「神の世界の真理は表現できない」と文字に対してある意味で見限った訳ですよね。

そこから、こういった椀を作り始めたところに、これがまさに古来から続く日本人の情報やエネルギーの伝え方の伝統がここにあるんじゃないかなと感じています。


【羽賀ヒカル】

非常に素晴らしいお話で、様々な考え方があって良いと思いますね。

もし仮に「ホツマ文字」「カタカムナ文字」が近代に作られたものだったとしても、私は素晴らしいものであることは間違いないことだと思っています。

ただ、まだ現段階では学術的には証明されていないことなんです。

でも、もし山口先生がおっしゃるように「文字より響きが先にあったんだ」というお話は私も共感しているところではあります。

では、日本語の響きの文化を改めて認識して頂いた上で、美しい日本語を使って頂くようにお願いします。

今回は、山口先生にお話を頂きました。

どうも、ありがとうございました。




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この記事をまとめた人

ひろき / 30代前半
ひろき / 30代前半
ゆにわ塾歴7年、ライター歴2年で、普段はメーカーで人材教育・採用の仕事をやってます。ゆにわに出会って人生観が大きく変わったので、記事を読んで下さる方々にも、ゆにわの皆さんからいただいた「あたたかみ」をお届けしたいです。

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