意外に知らない氏神、産土神、鎮守神の違い
あなたの心に火を灯す、東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。
私は十五、六年程前から、仲間と一緒に飲食店や学習塾、農業、物販など様々な事業をする会社をさせていただいています。
そして私、羽賀ヒカルのメインの活動は、神社参拝です。
今の日本の状況下において、一人一人が神社を大切にしていくことが個人の開運につながり、日本国がよりよくなることにもつながると信じて、神社の活動をさせていただいています。
今変わり目の時
しかし、このままいくと人口減少などの影響によって、神社はある意味危機に直面するのではと考えられます。
先日少し気になるニュースがありました。神社本庁が人事で揉めていることが話題になっていたのです。
神社の業界においても、日本の全体性においても、今変わり目に来ていると思います。
その中で、日本人がちゃんと神社というものを知る・見つめ直すことが重要であると考えています。
そこで今回は氏神様(うじがみさま)、産土神(うぶすなしん)、鎮守神(ちんじゅしん)、この三つの違いについて見ていきたいと思います。
神社の呼び方はどう違うのか
あなたは自分の地元の神社のことを氏神(うじがみ)さん、もしくは産土(うぶすな)さん、鎮守(ちんじゅ)さん、なんと呼んでいるでしょうか?
「氏神さん」とおっしゃる方もいるのですが、自分の地元の神社の呼び方は「産土(うぶすな)さん」が一番適していると思います。
その理由について見ていきましょう。
氏神と産土神と鎮守神は、それぞれ若干意味合いが違います。
中臣氏の氏神様は◯◯
氏神というのは氏族の神です。
その氏族の祖先となる神様、もしくはその氏族を守っている神様です。
例えば、中臣(なかとみ)氏は、氏族として宮中祭祀をしていた方々です。
古代の特に名字の部分というのは、中臣氏といえば、祭祀をする人たちという一族のことであったわけです。
それが中臣氏の数が増えていって、やがて藤原氏になり、祭祀を司る方たちではなくなっていくのですが、その祭祀を行ってきた人たちの一族とは、突き詰めていくと天の岩戸開きの時に祝詞(のりと)を奏上したアメノコヤネノミコトになります。
アメノコヤネノミコトは岩戸開きの時の戦略軍師の神でもあります。
実際、中臣氏はそういった宮中祭祀や戦略を司る家系でした。
歴史上で一番有名な中臣氏は、中大兄皇子と大化の改新を成し遂げた中臣鎌足という方です。
中臣氏の氏神は他にもあり、タケミカヅチノミコトとイワイヌシノミコトという香取神宮・鹿島神宮の神様がそうです。
香取神宮と鹿島神宮は、息栖(いきす)神社を加えた東国三社のうちの二つなのですが、この二柱の神様も中臣氏の氏神とされます。
なぜ中臣氏の氏神が三柱いるのか?
実はもともと関東圏というのは大和朝廷の傘下にありませんでした。
東国を平定して傘下に収めようと赴(おもむ)いたのが、中臣氏のグループだったのです。
その時に働いたのがこのタケミカヅチとイワイヌシの神様で、守ってもらったというところから、中臣氏の氏神となりました。
産土神とは
産土(うぶすな)さんというのは土地の神様で、昔から日本人は、生まれたら単にお母さんから生まれたというわけではなくて、その土地のエネルギーを分け与えられて生まれてきていると考えてきました。
これは実際にそうだと思います。
私の場合、京都の生まれなので、言わば京都の神様のエネルギーを生まれた時からずっと受け取っているという風に考えられます。
和歌山県で生まれた方は熊野本宮大社のエネルギーを受け取っていて、滋賀県で生まれた方は多賀大社のエネルギーを受け取っている。
そういった自分の生まれた場所や自分の育った土地の神様のことを「うぶすな」といいます。
産土(うぶすな)というのは、大地からエネルギーを生み出していると考えてもいいし、またその土地の神様のエネルギーの表れを産土(うぶすな)というふうに考えても良いと思います。
言わば、その土地のエネルギーが結集したものというイメージです。
(是非あなたの出身地の神社を調べてみてくださいね。)
鎮守神とは
では鎮守神(ちんじゅしん)とは一体何なのか?これは「鎮(しず)もって守る神」ということなので、どこかを守っているわけです。
守っているものはそれぞれ違います。
例えば、平安末期に朝廷が定めた「王城鎮守二十一社」という、二十一の社(やしろ)があります。
今日本の中心とされる伊勢神宮や石清水八幡宮も「王城鎮守の二十一社」のうちの一つです。これらは朝廷を守っています。
ちなみに二十一を分解すると、三と七に分かれます。
三と七というのは全然タイプが違う数霊(かずだま)で、これをかけ合わせることによって生じる霊力があると考えられていたことから二十一社となっています。
他にも例えば諏訪(すわ)大社であれば、信濃の国を守っている神様で諏訪に当たります。
先日、私が参拝した日吉大社(ひよしたいしゃ)は滋賀県にありますが、この日吉大社から分かれていった東京の赤坂にある日枝神社(ひえじんじゃ)は江戸城を守っています。
このように、鎮守神とは何かを守っている神様だということなんですね。
また、産土と鎮守が両方を融合するということは全然あり得ることです。
例えば、京都の産土、エネルギーを作っている神様というのは、東側は上賀茂神社や下鴨神社、西側は松尾大社の神様になります。
そしてこれらの神様は鎮守神でもあり、皇居を守っているのです。
地元の神社を調べると意識が変わる
自分の地元の神社のことを「氏神さん」と言ったりすることもありますが、もともとその土地に住んでる氏族を守っている神様を氏神様と言います。
ただ、今はどの地方にもいろんな方たちがいます。
だから自分の地元の神社のことを言う時は、「産土さん」というのが一番このニュアンスには近いと思います。
地元の神社に対しては、その神様に守られているんだという意識をちゃんと持つことが、かなり大事だと思います。
また、人は生まれた土地、もしくは今住んでいる土地の産土神の影響を受けていますが、それぞれの土地の個性は違います。
大阪の産土は住吉大社で、大阪の上方文化というのは住吉の神様が作っているものであり、長野県の県民性は諏訪の神様が作っているもので、埼玉県の場合は、氷川の神様がその土地の県民性を作っていると思われますし、宮城県の場合は、塩竃神社というのがそのエネルギーを作っているでしょう。
皆様も是非、自分の地元の神社の神様を調べ直してみてください。
「どんな神様なのかな?」
それは少し見てみるだけでも、自分の人生に対する認識や意識は変わっていくと思います。
ということで、今回は氏神、産土神、鎮守神という三つの神様の違いについてお伝えしました。参考にしていただけると嬉しいです。
この記事をご覧になった、あなたの開運をお祈りしております。
羽賀ヒカルでした。
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この記事をまとめた人
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