神社チャンネル

神道専門家の羽賀ヒカル監修のもと、新米巫女の橋本ユリが、
神社に関する知識をわかりやすく解説します。

誰も知らない二礼二拍手の意味

2021年3月7日 2022年11月27日

あなたの心に火を灯す

東洋思想及び神道研究家の羽賀ヒカルです。

今回は誰も知らない二礼二拍手一拝(にれいにはくしゅいっぱい)の意味についてお伝えさせていただきます。

羽賀ヒカル
ユリちゃんは、神社参拝の時のルール、二礼二拍手一拝って知ってますか?


橋本ユリ
もちろんです!新米でも巫女ですからね。神社参拝の常識ですよー。


羽賀ヒカル
それがね、この作法が広まったのは明治からで、戦後、神社本庁設立後にルールとされたんです。


橋本ユリ
えー、昔からの決まりじゃないんですね!


羽賀ヒカル
この作法が広まっていった明治の頃から、日本人の中に失われてしまった精神や考え方は大きいと思うのです。

二礼二拍手一拝が定められた時代背景とは?


ある神社の神主さんに聞いたところ、「本来、神道というのは形なきものであり、こうすべき、ああすべきというルールがないものです。だから神社参拝をした時に、10回礼をしたいと思えば10回礼を。10回拍手をしたいと思えば10回拍手をしても良いのではないか」とおっしゃっていました。

私もこれに関して同じ意見です。

江戸時代には家に鍵をかけなくても良いくらい、みんな仲が良かった。江戸時代や縄文時代には、今思い出し見直すべき、古き良き日本人の伝統や精神があったということです。

明治以降、日本人は西洋からやってきた資本主義、合理主義、さらには経済優先主義的な考え方の影響を受けるようになってきました。

この考え方は何に基づいているかというと「一神教」です。

これらの影響を受けるようになってきた明治以降、日本の神道も、どこか「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」を中心とする、一神教的な価値観に変わってきているように感じています。

一神教的な価値観に変わっていくことで何が良くないかというと、一神教の価値観とは「神と自分が分離してしまう」「人間とヤハウェは全く違うもの」ということです。

それに対して、本来の日本の江戸や縄文人の精神というのは、あなたも神様、私も神様、つまり自分の中に神様がいる。

そして、古事記の中で描かれる神様というのは、人間と分離したものではなく、私たちのご先祖様であり、天地自然の中にある働きで、それは一体のものである。

これが日本人の考え方だと思います。

神社参拝の方法においても、二礼二拍手一拝という「形」が優先されるようになっていったことは一神教の価値観に変わっていくこととリンクしているように思います。

二礼二拍手一拝の作法にどんな意味があるのか?


では、二礼二拍手一拝の作法についてお伝えしていきます。

その前に前提として、この神社チャンネルの理念としては「気持ち・心・意識が先である」と考えます。

たとえば、神様に対する畏れや敬い、ありがとうございますといった感謝の気持ち、そのような思いがあれば、別にそこまで形にこだわらなくてもいいのではないのか。

もしくは、そのような心や気持ちがあれば、自ずから形もついてくるのではないかという意見も一つです。

しかし、逆に形から心がついてくるということもありますので、そのような観点から、二礼二拍手一拝の作法の意味について、これからお話させていただきます。

二礼、なぜ2回礼するのかというと、2つの礼をする対象があるからです。どんな神社でも、宇宙や空とつながっている「天の神様」や、大地や海につながる「地の神様」がいらっしゃいます。

これを「天神地祇(てんしんちぎ)」といい、最初の礼は「天神(てんしん)」~天津神(あまつかみ)に対して、もう一礼は「地祇(ちぎ)」~国津神(くにつかみ)に対して、礼をする意味があるといわれています。

では、拍手をすることにはどういう意味があるのか?

一拍手目は「伺候(しこう)」つまり、お伺いです。「今、私は神様の前に来ましたよ」「これから参拝させていただきますので、どうぞよろしくお願いします」という意味があります。

二拍手目は「畏まり居る」です。これは「今、神様の目の前に私はいます」という意味で、つまり、「神様とつながること」です。

そして、神様とつながった状態になり、その時に自分の神様に対する感謝やお祈りやお願いごとをして最後に一拝します。

この一拝は「神様と一つになる」ことです。このように神様と一つになってから最後にお参りして帰るというのが二礼二拍手一拝の意味です。

拝む(おがむ)ポーズで造化三神とつながる!


一拝する時や2回礼をする時も拝み(おがみ)ますが、この拝むというポーズにも、実は神道的な意味があるといわれています。

「立(た)つ」というのはタカミムスビの「タ」、「かがむ」というのはカミムスビの「カ」、そして、「今、私は神様とつながってますよ」というのがタカミムスビ、カミムスビ以前のアメノミナカヌシの意味になります。

つまり、「今、ここにいて神様とつながって立つ」ことによって、アメノミナカヌシ、タカミムスビ。そして、「かがんで礼をする」ことによってカミムスビ、これは造化三神を表す儀式ともいわれています。

そういった思いを込めながら礼をするだけでも、全然違います。

※アメノミナカヌシ・タカミムスビ・カミムスビの三神は、古事記の神話で最初に現れる神様で、「造化三神」と呼ばれています。

お辞儀で「カミ」と繋がる!


お辞儀をするというのは、縦と横の軸につながる意味があります。

縦の軸は上に伸びていく「火(カ)」、横の軸は横に広がっていく「水(ミ)」です。

さらに、この火と水を合わせて、カ(火)ミ(水)ともいわれますが、お辞儀をすることは神(カミ)様につながるという意味もあります。

おすすめ拍手法で見えない世界と繋がる!


次に拍手をするときの手についてお伝えします。

基本的に神社チャンネルでお伝えしていることは、形よりも気持ちが重要だと考えています。

その前提の上で、拍手をする際には左手を少し前に出すほうがおすすめのやり方となります。



なぜ、拍手の際に左手が前なのか?

私たちは目に見えない世界や神様から生まれてきていて、生まれる前は当然、目に見えない世界にいました。

実は、左手は「目に見えない世界」を表していて、右手は「現実の世界」を表しています。

これは手相占いの世界や言霊的にも、左の「ヒ」というのは「霊的世界の霊(ひ)」を意味し、右の「ミ」というのは「現実世界の実(み)」を意味しています。

だから、元々私たちは目に見えない世界にいたという意味があるため、左をすこし前に出して二拍手します。

そして、一拝して最後に神様と一つになるという意味になります。

左手を前にすることは、非常に深い意味があるということです。

どうしても、現代人の私たちは仕事やお金儲けなど目に見える現実が優先になってしまいます。

でも、目に見えない世界の幸せや、目に見えない世界に私たちは支えられてることに目を向ける時代に来ています。

そういう意味でも、左手を前にしながら拍手すると良いでしょう。

また、その方が音が鳴りやすいといった意味もあります。

橋本ユリ
二礼二拍手一拝の意味、絶対覚えよう!

まず、一礼目は「天の神」、もう一礼目は「地の神」に対して。

一拍手目は「今、来ました、これから参拝させていただきます」、もう一拍手で「今、私は神様の目の前におります」

最後の一礼は「神様と一つになりました。一つになって帰ります」ですね。

そして、拍手の手は左手を少し前に出す、と。


羽賀ヒカル
そうそう。

こういう思いを持って二礼二拍手一拝をすると、神社参拝の意味や、心構えも変わってきますから。

ぜひやってみて下さいね。


あなたの開運をお祈りしております。

羽賀ヒカルでした。


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この記事をまとめた人

橋本ユリ
橋本ユリ
神社チャンネルのメインキャラクター。北極神社の新米巫女。2017年、神社参拝セミナーで羽賀ヒカルと出会い、日本人の良さと伝統を伝えていきたい!という思いから、この神社チャンネルサイトが始まりました。(という設定です。)

メルマガでも発信しています。

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